Waseda Weekly早稲田ウィークリー

早大生フォトコンテスト私のキャンパスライフ

早稲田ウィークリーでは夏の特別企画として、「早稲田ウィークリー早大生フォトコンテスト」を開催。「私のキャンパスライフ」をテーマにした200件超の写真作品が、2022年8月29日から9月30日にかけて、早大生から寄せられました。ご応募いただいた皆さん、ありがとうございました。

そして今回、写真に精通する審査員6名が1作品ずつ「審査員優秀賞」を、早稲田ウィークリー編集室が5作品の「各キャンパス賞」を選定。受賞作の発表と共に、全ての投稿作品も掲載しています。他の早大生の「私のキャンパスライフ」の写真を通じて、早稲田らしさを感じたり、新たな一面を発見したりとお楽しみください!

index

審査員優秀賞

審査員

私達が選びました!
詩歩

詩歩
(しほ)

(『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』著者)

佐藤洋一

佐藤 洋一
(さとう・よういち)

(社会科学総合学術院教授、空間映像ゼミナール)

イノウエ

イノウエ
(写真家、教育学部4年)

小野奈那子

小野 奈那子
(おの・ななこ)

(『早稲田ウィークリー』協力カメラマン)

小泉賢一郎

小泉 賢一郎
(こいずみ・けんいちろう)

(『早稲田ウィークリー』協力カメラマン)

高橋榮

高橋 榮
(たかはし・さかえ)

(『早稲田ウィークリー』協力カメラマン)


詩歩賞

とある夏の日のカフェテリア

とある夏の日のカフェテリア

撮影場所:戸山キャンパス 戸山カフェテリア
文化構想学部 2年 久永 百合子(ひさなが・ゆりこ)さん

夏休みに図書館へ行った帰り、戸山カフェテリアに立ち寄った際に撮影しました。いつも多くの学生で賑(にぎ)わうカフェテリアですが、夏休み中ということもあって誰もいません。夕方の優しい光に染まるカフェテリアの自動販売機や椅子、机たちは、少し寂しさを感じながらも新学期に学生が明るく戻ってくるのを静かに待っているようです。

久永 百合子さん
詩歩

写真を撮る上で、私が大切にしている言葉があります。それは「Right time, right place」という言葉です。

これまで世界60カ国を巡って各地の“絶景”を取材してきましたが、誰でも気軽に写真が撮れるようになった分、既視感のある写真も多くなってきたように思います。しかし木々は毎日成長するし、太陽は毎秒移動する。見たことがあるような写真も、一つ一つが「そのとき、その場所」にいた人にしか撮れない写真です。

今回選んだ写真に写っているのは、私も在学中に何度も利用した懐かしい場所です。傾き始めた太陽の光、遠くで聞こえる賑やかなおしゃべり、終わらない課題とついウトウトしてしまう心地よさそんな日常の中でふと目に入った美しい光景に、思わずシャッターを切ったのではないでしょうか。私の想像なので、実際はどんなシーンで撮影されたのか分かりませんが(笑)、「そのとき、その場所」にいたからこそ撮影できた作品だと思い、選ばせていただきました。

皆さんの通学路やキャンパスにも、「そのとき、その場所」にいる人にしか見られない景色がきっとあります。ぜひファインダーを覗(のぞ)いて、あなただけの風景を見つけてみてください。

詩歩
絶景プロデューサー

静岡県出身。2012年人間科学部卒業。累計63万部を突破した書籍『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』(三才ブックス)の著者で、SNSの総フォロワー数は100万人を超える。昨今の“絶景”ブームをけん引し、「絶景」は流行語大賞にもノミネートされた。静岡県・浜松市観光大使も務める。
https://shiho.me/

佐藤洋一賞

3号館

3号館

撮影場所:早稲田キャンパス 3号館
国際教養学部 1年 Allyさん

審査員優秀賞に選んでいただきありがとうございます。この写真は3号館で撮影しました。3号館の建築は学生の間でも人気で、特に旧3号館を再現した部分とモダンなエスカレーターが同時に見えるこの場所は、歴史と未来が融合しているように見えて、とても気に入っています。入学してまだ1週間ほどしかたっていないときに撮影したのですが、新しい環境で学べることに胸を躍らせたことを覚えています。

Allyさん
佐藤洋一

この作品には、3号館エントランスホールが写り、目を凝らすと写り込みの層があちこちにあって、その隙間を縫ってマスクをつけた学生たちが動いています。手前に映り込んだガラスの腰壁によって一瞬水槽の中かと錯覚します。目の焦点があちこちに動き回り、画面を見ることの純粋な面白さを一番感じた写真でした。大きいプリントにして見たい作品です。

応募作品には全般的に、等身大の写真、身の回りの人々、目の前にあるものというパーソナルな視点が含まれているのが面白かったです。また、慣れ親しんだキャンパス内にいろいろな風景や新しい見え方を発見していった記録としても見られます。今回私が選んだ写真からも発見の驚きを感じます。

そしてこのコンテストの意義は〈私の視点〉でありながら、〈みんなの視点〉にもなっていくこと。また、フツウの写真も含まれているのも良いなと思います。これは継続してほしい! 徐々に認知度も高まって、成長していくでしょう。一つ付け加えると、時間を超えて、早稲田という場と人の記録となります。将来、早稲田にいる人たちに向けて、アーカイブとしての役割も持ちうると思います。

佐藤 洋一
社会科学総合学術院教授

東京都出身。早稲田大学大学院理工学研究科博士課程単位取得修了。都市形成史および都市空間の映像表現を専門とし、授業では環境表現論、映像論、都市論や、フィールドワークを基に映像コンテンツを制作する演習などを担当。博士(工学)。

イノウエ賞

空きコマでお絵かき

空きコマでお絵かき

撮影場所:大隈庭園
政治経済学部 2年 五十嵐 詩帆(いがらし・しほ)さん

大隈庭園で育てているお花を絵で残そう! ということで、藤棚の下で絵の具を持ち寄ってお絵かき大会をしたときの写真で、父のNikon FM2で撮りました。私の所属するサークル「農楽塾」(公認サークル)は、大隈庭園で他にお米や野菜も育てているんですよ! 早稲田という場所は人間味に溢(あふ)れていて、活気があるにもかかわらず時の流れは長閑(のどか)な気がします。そんなノープランな温かさや、みんなで過ごす時間はフィルムと相性が良く、そのまま写し取っています。

五十嵐 詩帆さん
イノウエ

写真は「誰が」「何を」「どうやって」撮るかが大きな要素だと思います。さまざまな作品の中で、この作品からは特にこの3つの要素が伝わってきました。学生にしか撮ることのできない空きコマでの日常が、すぐに想像できてしまうような素朴な光景です。また、ソフトフォーカスでより優しく温かみのある空気感を出すことによって、力が入り過ぎずうまく調和しているすてきな作品でした。同時に、この写真を応募してくださった感性そのものもすてきだと感じました。

早稲田ではよく「多様性」というワードが使われますが、このコンテストでは写真という切り口からそれが感じられたのが面白かったです。キャンパス内の風景から、「ワセメシ」と呼ばれるような料理写真、友人との記念写真など、本当にさまざまなジャンル・ものを撮影した作品の数々でした。また、モノクロやブレを生かしたような、表現の部分でも多彩なものが見られて、作品を選ぶ際に非常に比較が難しく、楽しいフォトコンテストになったと感じています。学生の皆さんにとっても、あらためてキャンパスライフを見つめ直すことのできる一つの契機になったのではないでしょうか。これからも多くの方に写真を撮り続けていただきたい、そして写真という一つの文化を盛り上げ続けてほしいと僭越(せんえつ)ながら願っています。

イノウエ
写真家

千葉県出身。教育学部4年。コロナ禍での大学生活の行き詰まりから、日常写真の撮影・SNSへの投稿を始め、2年間でSNSの総フォロワー数17万人を突破。メディア掲載からカメラメーカーや旅行代理店とのタイアップなど、活動の幅を広げている。
https://www.satoshi-inoue.com/

小野奈那子賞

やわらかな午後

やわらかな午後

撮影場所:早稲田キャンパス 8号館
法学部 4年 宮原 惇碩(みやはら・あつひろ)さん

この写真は、今年の7月に初めてフィルムカメラを購入した際に、早く使いたい一心で、大学構内で使い切った1本目のフィルムから現像した一枚です。私は、夏の暑い日に8号館の窓から眺めるこの景色が結構好きで、差し込む光のやわらかい感じや、木の影のゆらめきが見たままに写し出された、すてきな一枚になったと感じています。現像してから気付いたのですが、窓枠が偶然風景を切り取るように写っていて、そこも面白いポイントかなと思っています。

宮原 惇碩さん
小野奈那子

被写体としては単に窓から見える景色なのですが、緑と木漏れ日、数人が光の中で動いている風景が美しく、魅力がありました。誰と、どんな時間を過ごしていたのか、写真の背景にあるものを想像したくなる写真だと思います。技術的な面から見ると、まず被写体と写真のトーンがうまく合致しています。窓や建物など写真に縦の線が入り過ぎると、少しくどくなってしまうので、もっときれいに撮影したい場合は、構図を意識してもいいかもしれません。ただ、計算され過ぎていないからこその魅力もあり、今回はこのままの良さがある写真だと感じました。

この作品以外にも、応募作品の中にはさまざまな角度で大学生活を捉えた写真があり、楽しく拝見しました。一方で、ストレートに被写体を撮影した作品や、説明的な写真が多い印象がありました。写真の中にもう少し前後のストーリーを想像させるような余白があると、さらに面白くなる作品もあったように思います。

いつでもどこでも気軽に写真が撮影され、シェアされていく時代でも、記念写真とは異なる形で大学生活を残すことはあまりないかもしれません。その意味でもフォトコンテストは良い機会だったのではないでしょうか。

小野 奈那子
『早稲田ウィークリー』
協力カメラマン

兵庫県神戸市出身。撮影スタジオならびに平間至主宰ギャラリーpippoにて勤務。2012年よりフリーランスとしての活動を開始する。
https://nanakoono.com/

小泉賢一郎賞

緊張していたあの日。

緊張していたあの日。

撮影場所:早稲田キャンパス 大隈記念講堂
法学部 1年 山口 真実(やまぐち・まみ)さん

入学して半年、自分のキャンパスライフを振り返り、その始まりは入学式だったと思いました。この作品は、照明の当たった立派な幕の面積を大きく写して荘厳な雰囲気を漂わせ、そのときの緊張を感じさせるものにしました。題名に「入学式」の単語を入れずに表現した点もこだわりです。

山口 真実さん
小泉賢一郎

まず、タイトルが良かったです。学部入学式の会場において、そのときの気持ちを、「ドキドキ」「ワクワク」ではなく、「緊張」していたと表現した正直な思い。昨日までは、少なからず大人の敷いたレールの上での取捨選択の日々を過ごしてきたのが、今日からはあらゆる選択を自ら行い、自由の中で自分の人生を歩み始めた初日を感じたのではないでしょうか。もしかしたらこれは、入学式の記念として撮った一枚かもしれません。もしくは、まだ友達もいなくて、時間を持て余していて、何気なく撮っただけかもしれません。ですが、あなたはこの写真を削除することなく過ごしてきて、このコンテストによって思い出しました。ここに写る後頭部だけの学生たちは、すでに友達になったかもしれませんし、二度と会うことがないかもしれません。もしかしたら、あなたに多大な影響を与える人物になるかもしれません。この一枚にあらゆる可能性が秘められていると感じました。

早稲田大学の入学式が行われるのは毎年4月1日、2日です。この日を迎えるたびに、あのときの自分を振り返り、あの日からの自分の選択は間違っておらず、これからもしっかりと自分の足で歩むことを再確認してくれることを願っています。

小泉 賢一郎
『早稲田ウィークリー』
協力カメラマン

2000年政治経済学部卒業。撮影スタジオ勤務と個人アシスタントを経て、フリーランスへ。『早稲田ウィークリー』の他、『早稲田学報』『CAMPUS NOW』など、早稲田大学の広報媒体での撮影多数。
https://cdp84530.wixsite.com/kenichiro

高橋榮賞

早稲田大学26号館からの眺め

早稲田大学26号館からの眺め

撮影場所:早稲田キャンパス 26号館
商学部 2年 島田 恵理佳(しまだ・えりか)さん

この度は、審査員優秀賞に選出いただきありがとうございます。早稲田大学26号館に何気なく立ち寄った際に、この壮観な景色に圧倒されて撮った一枚です。中央には早大通りのケヤキの大木が並んでおり、奥にはかすかに東京スカイツリーが見えます。早稲田大学の周りには高いビルがあまり建っていないため、高層階からの景色がとてもきれいです。このようなすてきな環境に恵まれて、日々充実したキャンパスライフを送っています。

島田 恵理佳さん
高橋榮

この作品は並木道がはるか彼方(かなた)まで続いていて雄大な風景です。26号館から見ると、こんな風に見えるのですね。驚きました。

しかし、じっくりと見ているうちに、私の脳内では延々と続く並木道の木々が一匹の生き物のように見えてきました。巨大な芋虫、そうです、怪獣映画のワンシーン。ミニチュアセットの街の中を巨大な芋虫のような怪獣が這(は)い回るシーンです。やがてスカイツリーにたどり着き、羽化して巨大な蛾(が)になって飛び立つところまで想像してしまいました。アングルも、目線が高いことにより並木のうねり、遠くの高層ビル群が程よい見え方をしています。トリミングも縦位置の構成で両サイドをカットしたことにより並木に目線が誘導されます。そして、空と地面をほぼ二等分にしたことにより、どことなく落ち着かないのですが、逆に不思議さが増して面白いと感じます。できることなら、これからも同じアングルで、いろいろな時間帯、気象条件で撮影し続けていただきたいと思います。

今回の応募作品たちは、おのおのの目線が多彩で大変面白く勉強になりました。このフォトコンテストに参加した方々は、カメラやスマホを携え目線を変えて歩くことにより、普段気付かない風景が見えたのではないでしょうか。

高橋 榮
『早稲田ウィークリー』
協力カメラマン

1951年広島生まれ。東京写真大学(現東京工芸大学)卒業後、大日本印刷写真部に6年間勤務。その後フリーとなる。主な取引先は、サントリーホールディングス、NTTグループ、Nikonなどがある。小型船舶1級、潜水士、ダイブマスターの資格を持つ。

各キャンパス賞

早稲田キャンパス賞

活気の入口

活気の入口

撮影場所:早稲田キャンパス 南門付近
社会科学部 4年 板場 貴大(いたば・たかひろ)さん

新型コロナウイルスが蔓(まん)延する前、大学1年生のときに参加した早稲田祭にて撮った一枚です。南門を入ってすぐ、比較的早い時間帯に撮りました。初めて訪れる早稲田祭に胸が高鳴った私は、人の波に押されつつも思わずシャッターを切り、活気を感じながら人混みへと向かった記憶があります。賑わう人の多さに圧倒され、少し早く帰宅したことも今は良き思い出であり、活発なキャンパスに再びなることを祈念して投稿しました。

板場 貴大さん
早稲田大学キャラクター

早稲田大学の一年間の中でも、最もキャンパスに人が集まる日の一つが、早稲田祭です。2020年、2021年はコロナ禍の制限により、キャンパスで賑わいを感じるのは難しかったものの、オンライン配信の実施などで活動が持続され、今年は本格的な対面形式で「早稲田祭2022」が開催されました。コロナ禍以前の早稲田祭に入場する様子は眩(まぶ)しく、今となっては懐かしくも感じますが、撮影者同様、いち早くキャンパスに活気が戻ることは、みんなの願いでもあるはず。「早稲田祭」と「密」、この時代ならではの二つの“非日常”が組み合わさる、キャンパスライフの臨場感が伝わる一枚として、選定しました。

戸山キャンパス賞

会議は芝生で

会議は芝生で

撮影場所:戸山キャンパス 戸山の丘
文化構想学部 4年 S.Hさん

コロナ禍、まだオンライン授業がメインだったときに撮影しました。みんなでオンラインイベントを作るためのミーティングを行うにあたり、画面越しだけでは味気ないけど集まるのも気が引ける。そんな中で戸山の丘はコロナ禍に、そして自由に過ごしたい私たちにぴったりの会議場所でした。

S.Hさん
早稲田大学キャラクター

戸山キャンパスの象徴・戸山の丘で、のびのびと過ごす学生たちの一枚。「クローズド」になりがちな会議を、「オープン」な戸山の丘で行うという対照性がユニークで、タイトルにもその状況が表れているすてきな写真です。コロナ禍によりオンライン会議が定着しましたが、撮影者のキャンパスライフは、そんな“今どき”のものであることが感じられます。一方、遠くには寝転ぶ学生も見られ、それぞれの学生が気の赴くままに過ごしている様子が良いアクセントになっている一枚です。

西早稲田キャンパス

工場

工場

撮影場所:西早稲田キャンパス 58号館
大学院先進理工学研究科 修士課程 2年 佐島 遼(さじま・りょう)さん

今回、私が何年も通い親しんだ西早稲田キャンパスを被写体として撮影しました。撮影したのは58号館の2階から。1階は主に実験施設で、学部生のときに利用したことがあります。静寂に包まれた機械群が陰暗な雰囲気を醸し出している一方、堅固でどこか厳然としている様子から、学生からはよく「工場」と呼ばれています。私はこの独特な空気感を伝えたく、今回モノクロでシャッターを切りました。

佐島 遼さん
早稲田大学キャラクター

多様な機械が集まり、工学系を専攻する学生がそれぞれのアイデアを具現化していく、58号館の実験施設。理工3学部(基幹理工、創造理工、先進理工)の学生にとっては日常的なキャンパスの風景ですが、初めて訪れた人からすると衝撃的な場所なのではないでしょうか。撮影者がそのインパクトに立ち返り、西早稲田キャンパスの“理工らしさ”を、たくさんの機械とモノクロ写真、シンプルなタイトルで存分に表現している点にうならされました。撮影者は現在修士課程2年生。学部時代にこの場で生まれたアイデアを、大学院生としてどのように具現化しているのでしょうか? そんな想像もかき立てられます。

所沢キャンパス

心落ち着く道

心落ち着く道

撮影場所:所沢キャンパス 織田幹雄記念陸上競技場前
人間科学部 3年 小川 颯(おがわ・はやと)さん

まず、この場所は多くの人が利用し、さまざまな思いで歩いているということをお伝えしたいです。学生にとっては友人と楽しくおしゃべりをする道であり、部活動の練習をする道です。加えて、地域のご高齢の方の散歩コースであり、幼稚園児のお出掛けスポットです。そんなたくさんの人に愛される道に私は心安らぐのです。

小川 颯さん
早稲田大学キャラクター

自然と運動施設が融合し、広大な敷地でのんびりと過ごせる、所沢キャンパスらしさが凝縮された一枚です。織田幹雄記念陸上競技場がさりげなく写っている点も、魅力を演出していると感じました。撮影者にとってはこの道が日常的なもの、まさに“私のキャンパスライフ”なのでしょう。生い茂る木々に続く並木道の奥行きによって、撮影者の視界が自然な形で表現されており、見る側も光景の中に佇(たたず)んでいる感覚が味わえる、構図の優れた作品でした。

その他キャンパス/キャンパス周辺賞

僕たちの「nohtomi garden」

僕たちの「nohtomi garden」

撮影場所:本庄キャンパス
大学院環境・エネルギー研究科 博士課程 2年 小笠原 正人(おがさわら・まさと)さん

この写真は本庄キャンパスにある花壇で、地元の小学生たちと花植え活動をしたときの写真です。この花壇には2018年から定期的に私たち納富信教授(理工学術院教授)の研究室メンバーで花を植えてきました。地域の方々を巻き込みながら花植えをしており、「私たちと地域のつながり」を作るコミュニティースポットにもなっています。きれいな花を咲かせるための土作りなど事前準備がとても大変ですが、そんなときに支えてくれた友人たちを撮影した一枚が受賞できたのは一生の思い出です。いつもみんなありがとう。谢谢大家!

小笠原 正人さん
早稲田大学キャラクター

早稲田大学本庄高等学院や大学院環境・エネルギー研究科、本庄セミナーハウスなどが位置する本庄キャンパス。自然豊かな様子が、背景や手前の庭からも見て取れます。晴れた空の“青”、草木の“緑”、土の“茶”の鮮やかなコントラストが印象的で、「こんなキャンパスライフはうらやましい! 」と感じてしまう作品でした。写真に写る4人と撮影者の温かい関係性、楽しく充実したキャンパスライフ、大学と地域のつながりが一枚に凝縮・表現されていることが、他のキャンパスに通う学生にも伝わるのではないでしょうか。

個性あふれるみんなの投稿作品

(写真はクリックして拡大)

総評

撮影アドバイザー 小泉 賢一郎

普段私は人物写真、いわゆるポートレートを撮影しています。そのせいか、もっと学生自身が多く写った写真が投稿されると思い込んでいました。まさに自己の内面に寄り添った「私小説」な写真です。ですが、実際に投稿された多くは、「抒情的」な写真でした。これらの写真が素晴らしかったのはもちろんですが、私はここに、内面を流れる時間の速さの違いを感じさせられました。自己、もしくは自己と他己が結びつく「私小説」な写真は、その一瞬に輝きます。人の気持ちは刹那(せつな)です。その瞬間を撮り逃せば、二度と撮れません。もう一方の「抒情的」な写真のときの流れは緩やかです。構図を決め、シャッターを押すべきときを待ちます。今の学生のほとんどはコロナの時代と重なった学生生活を送っています。ソーシャルディスタンスを取るように言われ、他者との関わりを除外され、一人の時間を余儀なくされている場面も多いでしょう。この一人の時間というのは、もしかしたら、静かでゆっくり進んでいるのではないでしょうか。それが学生たちの思慮を深め、より日常を詩的に感じさせているのではないかと思いました。 誰かに見せるためだけではなく、あなたの心の片隅にとどめておく写真が人生では必要です。きっとそれらが、これからの人生を導く道しるべとなってくれるでしょう。

早稲田ウィークリー編集室より

今回の「早大生フォトコンテスト」は、キャンパスというリアルな空間を、インターネットのバーチャルな空間で共有しながら楽しめるコンテンツをお届けしたいと企画しました。コロナ禍での今どきのキャンパスライフを切り取った一枚から、コロナ禍以前のキャンパスライフを懐かしみ、いち早く戻ることを望む一枚まで、学生一人一人の個性あふれる視点が集まったことは、Withコロナ時代を表しているように感じます。応募期間は夏休みを挟み、キャンパスに訪れることも少ないシーズンに、また「私のキャンパスライフ」という大まかなテーマ設定の中だったにもかかわらず、多彩な写真が届いたことに感謝いたします。本格的にキャンパスライフを楽しめるようになってきた今日この頃ですが、キャンパスライフは十人十色。制約や行動様式の変化がある中でも、目いっぱい今を楽しめるように、今後も早稲田ウィークリーは魅力ある記事を発信し続けます!

編集
相澤優太(2010年第一文学部卒)
株式会社KWC

デザイン・コーディング
株式会社shiftkey


facebookアイコン シェアする twitterアイコン ツイートする

公式アカウントで最新情報をチェック!

top
Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/weekly/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる