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写真で人を笑顔に 留学生起業家が早稲田で学んだこと

「成功の反対は失敗ではなく、何もしないこと」

文化構想学部 4年 陳 天姿(ちん・てんし)

大学1年生で外国人観光客と外国語を話せるカメラマンをマッチングさせるサービスを考案し、自身が立ち上げたPhotogenic StationのCEOとして活躍している、中国出身の陳天姿さん。これまでに早稲田大学ビジネスプランコンテストやオープン科目などを活用して起業についての知識やスキルを深めています。4年生となった陳さんに、起業したきっかけや学生生活、今後の計画について聞きました。

――起業したきっかけについて教えてください。文化構想学部に在籍していながら起業についてはどう学んだのでしょうか。

もともと写真を撮ることが好きで、写真には人を笑顔にさせる力があると感じていたため、きれいな写真を撮ってたくさんの人々の思い出作りの手伝いをしたいと考えていました。最初は友達など身近な人を撮っていたのですが、写真を見た旅行会社や着物レンタルのお店から声を掛けていただき、アルバイトで写真を撮るようになりました。そして、商学部の「起業の技術(12 Essentials)1」(オープン科目)という授業でビジネスプランを考えたことをきっかけに、写真は趣味としてだけではなく、起業にもつながると思い始めました。そこで、外国人観光客とその国の言語を話せるカメラマンをマッチングさせるサービスというビジネスプランを立てて、2018年12月に起業しました。

写真左:「実践・起業インターンREAL」で組んだチームメンバーとのミーティング中の一コマ
写真右:「実践・起業インターンREAL」内の発表会で上位になった3チームの集合写真(前列左から2人目が陳さん)(©Business Bank Group.)

起業後も、商学部の「実践・起業インターン(REAL)」(オープン科目)など、起業の技術について実践的に学べる授業を積極的に履修しました。私はそれまで1人で写真を撮っていたのですが、この授業を通してチームで動くようになり、チームビルディングのスキルを身に付けることができたと感じています。コミュニケーションの取り方や意見がバラバラになったときの対応方法など、実際に体験して学べたので、この授業を受けて良かったです。また、授業で学んだことを生かして「第22回早稲田大学ビジネスプランコンテスト」でPhotogenic Stationのビジネスプランを発表したところ、ファイナリストに選んでいただきました。

「第22回早稲田大学ビジネスプランコンテスト」最終プレゼンでの一コマ

――Photogenic Stationの活動の中で、特に印象に残っている活動はありますか?

外国人観光客とカメラマンのマッチングサービスや撮影依頼の対応のほかに、企画を立案しイベントを開催することもあるのですが、特に印象に残っているのは、2020年1月に東京・浅草の浅草寺周辺で行った成人式の撮影イベントです。3人のカメラマンで振り袖を着ている人のポートレート撮影を無料で実施したのですが、たくさんの人に喜んでもらえて、とてもやりがいを感じました。ただ、このイベント自体は無料にしたため売り上げがない一方で、カメラマンへの報酬やチラシの印刷代など、多くの出費があり、イベントとしては赤字となり苦労もありました。それでも、このイベントをきっかけに仕事の依頼をしてくれる方もいるので、意義のあるイベントになりました。

2020年1月、浅草寺での成人式無料撮影イベントの様子

――コロナ禍で外国人観光客が減っていますが、現在の状況を教えてください。

もともとの事業の主なターゲットは訪日外国人観光客だったので、コロナ禍でとても厳しい状況になりました。そこでターゲットを日本人に変えて、日本人のニーズに合うサービスを提供することにしたんです。でも、写真撮影はマスクを外し、大人数で撮影するとリスクがあることから、結局イベントは全て中止、依頼もほとんどキャンセルになりました。それでも、コロナ禍でもできることはあるのではないかとメンバーと一緒に考え、画像編集の代行サービスやポスターデザインといったオンラインサービスを始めました。また、早稲田の先生方や学生起業家の友達などが、プロフィール写真の撮影やWebサイトに掲載する写真の編集などを依頼してくれました。すごくありがたかったですし、おかげで年間としては黒字で終えることができました。

――学生時代に起業して良かったと思うことはありますか?

若いうちからさまざまな力を身に付けられることです。例えば、授業などを通してプレゼン力やチームビルディング力、留学生の場合は語学力も高めることができます。学生時代に自分の能力を存分に引き出し、起業にチャレンジして結果を残すことで、たくさんのことを学べると考えています。特に、早稲田はリソースが多く、起業家を目指せる環境が整っているので、チャレンジしないと後悔すると思うんです。授業で聞いた「成功の反対は失敗ではなく、何もしないこと」という言葉が私の中で印象強く残っているのですが、この言葉の通り、失敗してもたくさんのことを学べるので、失敗を恐れずに学生時代にさまざまなことに挑戦するべきだと思います。また、起業したからといって卒業後の進路が限られるわけではありません。就職する道を選ぶ場合でも、企業選択や実務においてなど、起業の経験はさまざまな面で生かすことができると思います。

2019年にWASEDA-EDGE 人材育成プログラムを介して参加した「地域活性化イノベーションキャンプ山形」では、審査員特別賞を受賞

――ところで、早稲田大学文化構想学部への進学理由は何でしょうか? また、現在の学生生活について聞かせてください。

もともと日本のアニメやドラマ、映画といった文化が好きで、高校時代に独学で日本語を勉強してから日本へ来ました。日本で語学学校に通っていたときに、早稲田大学の文化構想学部について知り、「ここなら自分の興味があることを学べる」と思い、進学を決めました。

実際に入学してみて、文化構想学部の表象・メディア論系には面白い授業がたくさんありますし、早稲田はオープン科目が多く、在籍する学部だけでなくいろいろな学部の授業を受けることができる点がとても良いなと感じています。例えば、私は映画に興味があったので、基幹理工学部の「マスターズ・オブ・シネマ映画のすべて」などの授業を通して映像制作に関して知識を深めることができました。写真サークルと映画サークルにも所属していて、映画サークルでは、コロナ禍の日本に住んでいる留学生をテーマにした映画を制作し、「早稲田映画まつり」に応募したこともあります。

現在は石岡良治准教授(文学学術院)のゼミで、新海誠監督のアニメーション映画について研究しています。新海誠監督の色の使い方や表現の仕方などを、自分の写真にも生かしていきたいと思っています。

早稲田祭2018での写真部(公認サークル)の集合写真(陳さんは後列左端)

――今後のPhotogenic Stationについて、そして陳さんの夢や目標について教えてください。また、早稲田で起業家を目指している学生に一言お願いします!

Photogenic Stationをできれば法人化して、B to Bのビジネスをメインにしていこうと思っています。そして、今のマッチングサービスをアプリ化して、より便利なサービスの実現を目指していきます。例えば、GPSで近くにいるカメラマンをすぐに探せるような、自動マッチング機能システムの開発です。また、自分たちでカメラマンを育成する計画もしています。より多くのカメラマンに写真撮影のコツや技術を伝えて、人材育成をしていきたいですね。

早稲田はやりたいことにチャレンジできる環境です。また、留学生の私がビジネスコンテストでファイナリストに選ばれたように、日本人の学生だけでなく、留学生も活躍できる場がたくさんあります。コロナ禍で大変ですが、オンラインでできることも多いので、ぜひ学生時代にいろいろなリソースを使ってさまざまなことにチャレンジしてもらいたいです。失敗は学びにつながるので、失敗を恐れずに、目標に向かって頑張ってください!

第792回

取材・文:早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ
社会科学部 3年 勝部 千穂

【プロフィール】
中国・江蘇省南京市出身。大学1年次に起業し、2019年7月に「第22回早稲田大学ビジネスプランコンテスト」でファイナリストに選ばれ、同年11月に山形県で開催された「地域活性化イノベーションキャンプ2019」で審査員特別賞を受賞。現在はPhotogenic StationのCEOとして活躍している。最近ハマっていることはスノーボード。起業に役立つお勧めの本はスティーブン・G・ブランクの『アントレプレナーの教科書』(翔泳社)。

Twitter:@photogenicsta
Instagram: @photogenicstation

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