




さて、今回のお題となるのは、早大生のお財布事情について。ピックアップした川柳は、こちらです。
「母校愛 財布の中に 諭吉なし」
勉学に励むのはもちろんですが、アルバイトやサークル、部活動に明け暮れたりと、何かと忙しい学生時代。20歳になったらみんなでお酒を飲む楽しみも増えるし、友達と遊びに行ったり、恋人とデートもしたい! せわしない青春を過ごしていると、アルバイトをしていても気付けばお金はどんどんなくなっていくもの。そんな情景が浮かんでくる一句です。

今回マンガを描いていただいたサダタローさんにも、川柳のようなお金にまつわるエピソードはあったのか、お話を伺いました。
「こんなことを言ったら怒られそうですが、僕は大学1年生の冬に漫研(漫画研究会)のメンバーとしてテレビに出たことをきっかけにお仕事をいただくようになり、当時はそれなりにゼイタクをしておりました。『もし自分が漫研に入っていなかったら、こういったビンボー学生をしていたのだろうなぁ…』と思う一方で、絵に描いたような青春時代を過ごされていたであろう“諭吉なし早大生さん”が、少し羨ましくもあります。『学生時代にはレストランかどこかでバイトをして、バイト先の女の子と仲良くなって…といったロマンスもあったのかなぁ』とか…」
お金がないからこそ得られるモノもたくさんある。早稲田大学は、そんなお金では買えない“かけがえのない時間”を過ごし、成長していく場所でもあるようです。


そんな校友・サダタローさんは、1999年に人間科学部に入学。所沢キャンパス(以下、所キャン)に通っていました。ここでは、サダタローさんに聞いた、3つの“所キャン生あるある”(サダタローさん在籍当時)をご紹介します。
- 1.「本キャンとのつながりを感じたい!」早慶戦
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「入学試験の会場が本キャン(本部キャンパスの略。現在の早稲田キャンパス)だったので、入学するまではずっと本キャンに通うと思っていた」と語るサダタローさん。当時の所キャン生の本キャンへの憧れは強く、早大生が一丸となって応援する早慶戦は、本キャンとのつながりを感じられる一大イベントになっていたのだとか。そしてサダタローさんは、「試合後に新宿歌舞伎町で友人とお酒を酌み交わし、校歌斉唱するときが一番熱くなった」そうです。
- 2.ボリューム良し、コスパ良し、揚げ物たっぷり! 通称「トコラン」
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※残念ながら、現在「トコラン」は販売していません。
サダタローさんいわく、「当時(1999〜2008年)の所キャン生のワセメシといえば、学食で食べた通称『トコラン』(所沢ランチの略)! 食べ盛りだけどお金がない早大生に評判の『トコラン』は、ワンコインで揚げ物がたっぷりのった所キャン生のソウルフードだった」そう。ワセメシ=揚げ物などのボリューミーなメニューというのは、どのキャンパスにも共通する部分なのかもしれません。
- 3.本キャンへの憧れから入った「漫研」
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「やっぱり本キャンへの憧れはそうそう消えない…。」そんな思いを胸に入会した漫研で、突然のテレビ&マンガ家デビューを立て続けに果たすことになったサダタローさん。でも、「週刊誌の連載が決まったときに忙しくなるのを見越して1年間休学したら、連載が3カ月で打ち切りになったり、仕事にかこつけて授業を休んでいたら、結局7年間学部に在籍することになったり…」。サダタローさんにとって早稲田大学は、思いがけず生涯の仕事と出合い、その結果長く在籍した「深い縁のある場所」となったようです。

本キャンに強い憧れを抱きながらも、早慶戦観戦やワセメシなど、ちょっとおちゃめなエピソードは、やっぱり早大生を感じさせるものばかり。
今も昔も、早稲田大学は在校生にとって、お金で買えない時間を提供してくれる場所。サダタローさんのように、人生の岐路になることもあります。
「現在はコロナ禍で、本当に大変な状況だと思います。これまでとは同じように過ごすことができない分、学生生活や今後の人生に不安を感じたり、悩んだりすることもあるかもしれません。
でも、そんな中でも楽しいことを見つけて、今しかない学生生活をエンジョイしてほしいです。2浪した上に7年も学部に在籍したボクでも、早稲田大学でのさまざまなご縁のおかげで、今もそこそこハッピーに過ごせているのだから。
だから、悩みすぎなくても大丈夫。頑張れ、早大生!」(サダタロー)
- サダタロー
2006年人間科学部卒業。2008年大学院スポーツ科学研究科修士課程修了。現在は4コママンガやIT系のルポマンガなどを描く。主な作品に『コミックくまモン』2〜7巻(朝日新聞出版)、『ハダカ侍』全6巻(講談社)、『ルパンチック』(双葉社)などがある。
Twitter:@sadafrecce編集・文:サムライト株式会社