早稲田大学DSセンター(データ科学総合研究教育センター)教務主任の須子統太・社会科学総合学術院准教授の「ゼミナール(経営科学)」では、社会科学部の3年生以上の学生が、実践的なデータ解析に取り組んでいます。「経営上の幅広い実問題に対し、適切な統計・データ解析を行うことで合理的な意思決定を行うことができるようになることを目標」としているゼミナール。最新の統計解析手法やビジネスアナリティクスについて学んだ学生は、情報処理学会全国大会や経営科学系研究部会連合協議会が主催するデータ解析コンペティションに出場し、自分たちが行ってきたデータ解析について発表を行っています。企業の持つ実際のビジネスデータを分析したり、7月に行われる参議院選挙について当落予測モデルを構築したり、そろばんの効率的なトレーニング方法を探ったり、取り組んでいる解析は学生によってさまざま。受講している学生に聞きました。
「試行錯誤するのが面白い」
アンケートで不良回答が入っていた場合でも影響を排除できるアルゴリズムの開発に取り組んでいます。あれこれデータをいじって試行錯誤するのが面白いですね。今の研究とは別テーマですが、昨年度のデータ解析コンペティションでは、チームの代表として発表をさせてもらいました。プレゼンテーションではより正確に伝えないといけないので緊張感がありましたが、他の参加者のプレゼンも見ることができて学びの多い経験となりました。
「機械学習使い、そろばん問題を作成」
そろばん競技で強くなるための効率的なトレーニング方法を確立しようと取り組んでいます。強くなるためには継続的なトレーニングが必要ですが、最適な方法は競技者によっても違います。データ分析を活用してさまざまな練習方法を探り、機械学習を使ったトレーニング用問題の作成も行っています。一昨年も昨年も先輩が取り組んできた研究で、年々精度が上がっています。引き継いでより良いものにしていきたいと思っています。同じグループにはそろばん競技大会で優勝経験がある北村瑠菜さん(社会科学部4年)もいます。実競技者の勘や経験を分析に組み込んでいくのはとても面白いです。