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特集

人事は学生の何を見る? 電通編「派手な経験ではなく、考える力と実現力」

「自分のことを無理に脚色する必要はありません」

就職活動において、企業は学生のどこに注目しているのか? 多くの学生が気になるところでしょう。そこで、早稲田大学キャリアセンターの学生キャリアスタッフ(SCS)(※)が、早大生に人気の「株式会社電通」と、総合スナックメーカー「株式会社湖池屋」の人事担当者を訪問。就職活動における素朴な疑問を聞いてきました。

SCSの尾崎彩さん(商学部3年)が訪れたのは株式会社電通。コミュニケーション関連の統合的ソリューションや、経営・事業コンサルティングなどを提供する、業界のトップリーダーです。今回のインタビューは尾崎さんにとって「志望業界の絞り方を改めるきっかけ」になったようです。

※)早稲田大学キャリアセンターでイベント・企画の立案・運営・情報発信を担う学生スタッフ

株式会社 電通

キャリア・デザイン局 採用部 プロデューサー・池上 智之(いけがみ・ともゆき)さん(2006年 政治経済学部卒業)、金子 茉央(かねこ・まお)さん(2017年 創造理工学部卒業)

左から池上さん、尾崎さん、金子さん(電通本社、東京都港区)

インタビュアー:SCS 尾崎 彩(おさき・あや、商学部 3年)

電通といえば、話題性のあるCMなどで知られる広告会社というイメージがあります。学生にもクリエーティブな能力が求められるのでしょうか?

金子さん コピーや広告といったアウトプットを見て、「もともと専門的な能力を持っている人たちの集団」と思われる方もいるかもしれません。でも、弊社で活躍している社員たちも、最初は全く専門的な知識も経験もなく入社した者がほとんどです。

池上さん 仕事の多くは「世の中にどうムーブメントを作るか」「どれだけファンになってもらえるか」というものなので、むしろ、世の中の“一生活者の感覚”を持ち合わせていることが大事かもしれません。あらゆることにアンテナを張っておくことも重要です。弊社は広告をなりわいとして成長してきた会社ですが、今では広告に限らず広くコミュニケーション領域、さらにはマーケティング領域全般に関する仕事も多くあります。

「広告」ではなく、「コミュニケーション領域」「マーケティング領域」全般なんですね。

池上さん 電通には6,000社以上のクライアントがいて、その課題も解決手段もさまざまです。広告、それに限らないコンテンツ、さらにはビジネス開発やコンサルティング領域で勝負をする場合もあります。「広告には興味がないから電通は(就職先として)違う」と考えている学生にこそ、この点をお伝えしたいです。

金子さん 特にここ数年は、世の中のさまざまな社会課題に対応できるよう事業ドメインの拡張を進めていて、会社案内でも「広告会社」とは掲げていません。「アイデアを武器にして世の中の課題を解決する」というのが根源にあります。

では、面接では学生のどんな点に注目しているのでしょうか?

金子さん まず、弊社では「面接」ではなく「面談」と言っています。社員と双方向のコミュニケーションを取るイメージですね。その中で、「考える力」と「実現する力」を兼ね備えている人かどうか、といった点を大事にやり取りさせていただいています。よく「派手な経験をしていないとダメですか?」と質問されますが、経験の派手さは重要ではありません。自身を振り返ったときに、自ら考え、課題を見つけ、解決するために挑戦したか? そしてちゃんと実現させてきたか? ということに注目しています。

企業風土を教えてください。また、入社前後でギャップはありましたか?

池上さん 2016年に始まった労働環境改革で変えるべきところを変え、社員の働き方も変化しています。一方で変わらない部分もあって、例えば個人的には「自由な気風の会社」だと感じています。通常の仕事だけでなく、「この分野が好きだから仕事にしたい」といった自発的な取り組みを後押ししてくれる会社で、それをサポートしてくれる仲間がたくさんいます。そういった部分を楽しめる人にとっては、とても刺激的な会社だと思いますね。

入社する前はついていけるか不安に思っていたところもありますが、入社してみると「あったかい会社」「人間味あふれる会社」という、いい意味でのギャップを感じました。

金子さん 社内ではよく「自分の好きなものの“旗を立てて”仕事をする」という表現をします。旗を立てて仕事の領域を広げていく人が多いです。部活動やサークル活動、また特定の専門領域について研究開発を行う社内横断チームの活動なども盛んで、そこからの人脈や取り組みがきっかけとなって、新たな仕事に発展することもあるんですよ。

先輩社員から教わった印象的な言葉に、「1回の電通人生で、10回以上の人生を味わうことができる」というのがあります。仕事を楽しみ、その仕事が自分の人生を豊かにする。そんな相互関係にあるってすごいことですよね。私も入社してそのことを実感しています。

お二人は早稲田大学の先輩です。電通を志望した理由や、ご自身の就職活動で大切にしたことなどを教えてください。

池上さん 学生時代に国際協力系NGOでボランティア活動をしていたのですが、当時はNGO・NPOやベンチャーなど、自分で何かを起こす黎明(れいめい)期。僕も就活に前向きになれず、かなり遅れてからのスタートでした。始めてみると興味のある業種がたくさんあって、一つに絞ることができませんでした。実は、就活をするまで電通という会社を知らなかったのですが、ここなら業界を横断してやりたいことができそうだと思ったことが決め手となりました。

就活では、自分がやってきたことを振り返り、「なぜそれをやったのか」「何のためにやったのか」「自分は社会に対してどのような存在でありたいのか」など、時には他人に聞きながら整理していきました。そうすると、会社によっては面接でかみ合わない場合が出てくるんです。就職はマッチングとよく言いますが、自己分析はそのために必要なんだと思います。

金子さん 私は大学3年生のときに官公庁のインターンシップに参加したことがきっかけで、国のプロジェクトにも携わることができる環境を探していました。また、もともと何かをプロデュースする役割で仕事がしたいと考えていたこともあり、その両方をかなえられそうな電通を志望しました。

就活はもちろん、今では仕事にも通じることですが、多角的な視点を持つ、知ることはとても大切だと思います。私も就活中、たくさんの方に会い話を聞いてもらいながら、自分のことを理解していました。

最後に学生に向けてメッセージをお願いします。

池上さん 自分のことを無理に脚色したり、会社側に合わせようとしすぎる必要はありません。誰もが称賛するような経験でなくてもかまいません。きっと生活の中で何か課題解決をしていると思いますので、そのことを自分の言葉で伝えてください。自然にコミュニケーションできている方は印象に残り、一緒に働いてみたいと思うものです。

金子さん 電通は実現することが好きな方、そのために「電通をつかってやろう」という気概をお持ちの方にとって、とても楽しい会社だと思います。学生の皆さんにもっと興味を持ってもらえるように、魅力的な会社でありたいと考えています。

文=オグマナオト(2002年、第二文学部卒)

写真撮影石垣 星児

志望業界の絞り方を改めるきっかけに

今回のインタビューを通して、私が電通に対して持っていたイメージが大きく二つ変わりました。まず、一つは事業内容についてです。電通での事業範囲は、想像よりずっと幅広いものでした。もともと広告のイメージが強かったのですが、現在はコミュニケーション領域、マーケティング領域全般へ展開していると知り、より本質的になっていると感じました。

二つ目は企業風土についてです。インタビューをさせていただいたお二人とも、人の温かさについて触れられ、「入社後にいい意味でのギャップがあった」と笑顔でおっしゃっていたのが印象的でした。お二人の様子を拝見して、社会で働くことに対して前向きな気持ちになりました。

電通人事担当者の方へのインタビューが、漠然としたイメージによるものが大きかった志望業界の絞り方を改めるきっかけになりました。皆さんも業界・企業選択の際、漠然としたイメージで判断していることはありませんか。皆さんの就活において、この記事がちょっと立ち止まって考える契機になればうれしいです。

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人事は学生の何を見る? 湖池屋編 「自分が企業を選ぶという意識持って」

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