いきなりだが、皆さんに、短期語学留学をおすすめしたい。「えーっ、留学って何か大変そうだなあ」と考えるのもわかる。ただ、実際は海外旅行に出る程度には簡単だ。(最近はそうした旅行企画もある。)何より、楽しい、ということを本欄では強調したい。
海外旅行でヨーロッパに行くことを考えてみてほしい。今日はロンドンで2泊、次はパリで、その先はベルリン、ローマ?―― 急ぎ足でいろいろ見ることができるかもしれないが、何だかいろいろいわゆる「観光地」を見ることがやりたかったのか? 日本とは違う現地の雰囲気とか、生活とかを体感したかったんじゃなかったのか?
そうであれば、ともかくもある一処(ひとところ)に留まって、短期間でもそこで生活してみる、ってのはまさに理想的だと言えないだろうか。とはいえ、単に一処に留まってホテル生活をしても、知り合いもできず、単に時間を過ごしていくことにもなりかねない。語学教室はその点で、少なくとも同じ志を持った仲間が集まるところだ。会話したい人が集まっている、ということもある。単に旅行の一パターンと考えても、短期語学留学は非常に魅力あるオプションだ。
旅行感覚で、1年生の夏か春ぐらいに一度出てみることをお勧めする。語学習得がおぼつかなくとも、さほど問題はない。(英語圏以外では、たいてい、全く話せない人のためのコースがある。)自分の興味のある街や村に出掛けて、そこで短期でも生活することを体験できることは、それ自体でとてつもなく楽しいことだ、と私は強調したい。
(KC)
第994回