初めて見た早稲田祭を忘れられない。
大学受験のモチベーションを上げるために訪れた早稲田祭は、高校生だった私にとってスケールの大きすぎるものだった。
無事早稲田大学に合格し、「早稲田祭に関わりたい!」の一心で入学後すぐに早稲田祭運営スタッフに入会。早稲田祭の魅力を伝える広報部門に配属され、学年も、運営スタッフ歴も2年目を迎えた。
しかし、今思えば、運営スタッフ以外の選択肢もあったのではないかと思う。
早稲田大学にはたくさんのサークルや、学生団体が存在する。学生会館で練習に励む学生たちや、 スポーツを楽しむ友人たちを見て「うらやましい」と思ったことや、早稲田祭運営スタッフ以外のことに打ち込む自分を想像したことは、一度や二度ではない。
それでも、早稲田祭運営スタッフを続けているのは、運営スタッフが”おいしい”サークルだと思うからだ。
早稲田祭を作るのは、私たちではなく早稲田大学に関わる大勢の人たちだ。パフォーマンスサークルとして参加する学生、自身の活動や作品を発表する学生もいれば、来場しそれらを目にする人たちもいる。
私たちは、どの人とも関わることができる。
早稲田祭への参加を呼びかけるためにポスターを作ること。参加する学生に、早稲田祭に対する思いを実際に聞いて記事にすること。早稲田祭を最大限に楽しめるよう、当日は来場者に笑顔で接すること。私たちの活動は、全ての人たちに関わることができる。その人たちの思いや声を、じかに聞くことができる。そんな「自分が選んだ選択肢」早稲田祭運営スタッフは、間違いなく”おいしい”のだ。
早稲田祭2016まで、あともう少し。
身に着けるものは、制服ではなくえんじのはっぴに変わったけれど、今年もあの大きな祭りを見られると思うと、開幕までの残りの十数日が待ち遠しい。
(現役早大生 Y.M)