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全ては早稲田が転機だった ― アニメ『ジョジョ』東方仗助役 声優・小野 友樹

『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』東方仗助
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険DU製作委員会

出会いを大切に。そして、まずは一歩踏み出してみよう。

声優 小野 友樹

声優 小野 友樹さん

アニメ『黒子のバスケ』(火神大我役)などで知られ、この4月から始まる『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』では主人公・東方仗助役を演じる声優・   小野友樹さん。競争の激しい声優の世界において第一線で活躍する小野さんだが、高校3年までは10年間サッカーに打ち込み、Jリーガーを目指してプロテストを受けるつもりだったという。ところが、そんな矢先に足のけがでサッカーの道を断念。高校3年の秋から一念発起して猛勉強し、早稲田大学に進学した小野さんは、学生生活の中で新たな生きがいと出合った。

アナウンス研究会で見つけた、芝居と声優の魅力

サッカーに代わるものとして大学生活で何に打ち込むべきか? 入学したばかりの小野さんが見つけたのは、「ラジオパーソナリティー体験ができる」と掲げていた公認サークル・アナウンス研究会(アナ研)のブースだった。

「サッカー漬けだった日々の一方で、中学時代からラジオはよく聴いていたので興味が湧きました。同じようなサークルはいくつかあったのですが、入学式の日に最初に声を掛けてくれたのがアナ研だったんです」。

ラジオパーソナリティーにひかれた小野さんだったが、入会後に熱中したのは別の「声の道」だった。

「アナ研の活動では、ラジオパーソナリティーの練習よりも、いろんな台本やキャラクターを演じる『セリフゼミ』にのめり込み、そこから芝居に興味を持ちました。ちょうど同じころ、友人に録画を頼まれたことがきっかけで、ドラマとしてひかれる『君が望む永遠』というアニメに出合い、衝撃を受けたのも大きかったと思います」。

『君が望む永遠』の作品世界に魅了された小野さんは、主人公役を演じていた声優・谷山紀章(たにやま・きしょう)さんに憧れを抱くようになり、あるイベントで谷山さんと直接話す機会を得たことがさらなる転機となった。

「イベントの休憩中に、ちょっと押し掛けるような形で話し掛けてみたんです。それなのに、谷山さんは気さくにおしゃべりに付き合ってくださいました。そのとき、『この人と同じ仕事がしたい!』という思いが強くなり、大学2年のときに『声優になろう!』と決意しました」。

大学時代、アナウンス研究会『セリフゼミ』の仲間と(前列右から2人目が小野さん)

絶対にこの世界で生きていくという『覚悟』

大学やサークル、アルバイトの傍ら、声優の養成所にも通い始めた小野さん。大学在学中に声優デビューを果たしたものの、決して順風満帆とはいえなかった。

「最初に通った養成所が経営する事務所とは契約を結べませんでした。それが大学3年の終わりごろ。周りはみんな就職活動真っ最中でしたし、親からも『就職しなさい』と言われ…。さすがにあのころは焦りましたね」。

それでも決意は揺らぐことなく、卒業後もアルバイト生活をしながら声優として生きる道を模索し続けた。

「いつ声優の仕事が入ってもいいように、朝・昼・晩とアルバイトを3つ掛け持ちして、いろんなシフトが組めるようにしていました。その合間を縫って、自分でアニメ作品からせりふ部分を文字に書き起こして台本を作り、それを使って自主練をしたり、声優仲間と一緒に映像と声を合わせたりして稽古していました」。

20代はずっと下積み生活でした、と懐かしむ小野さん。厳しい下積み時代が続いても声優を諦めなかった理由は?と聞くと、迷うことなく言葉を続けた。

「絶対にこの世界で生きていくという『覚悟』ですね。かといって、視野を狭くしてそこだけを見ろ、というわけではないんです。興味は幅広く持っておいた方が人としての膨らみはできます。でも、自分はこの道で生きていく!という軸があったからこそ、いろんな経験が声の仕事で頑張るためのアプローチになりました。きっと声の世界だけではなく、どの分野でも共通することではないでしょうか」。

『ジョジョ』役でさらなる高みへ

雌伏の20代を過ぎ、今は声優として確かな地位を築いている小野さん。この4月からは『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』で主人公・東方仗助役を演じるなど、さらなる高みを目指している。そんな今、小野さんはあらためて大学での出会い、経験に感謝するようになったという。

「20代のころ、後輩の飲み会に顔を出しても、同期が後輩の分だけではなく僕の分まで払ってくれていましたが、最近ようやく恩返しができるようになりました(笑)。そんな風に頼ることができる仲間も含め、アナ研に出会うことができたのも、芝居の魅力に引き込まれて声優の道に進んだのも、全ては早稲田大学に入学したからこそ。僕にとって、早稲田大学がターニングポイントでした」。

2005年度版「入学案内」で学生時代にインタビューを受けた小野さん

だからこそ、後輩にも大学生活での「出会い」を大切にしてほしい、と小野さんは語る。

「できるだけ早く、1年生か2年生のうちに、『自分が興味のある分野って何だろう』と考え、その幹となる部分を見つけて欲しいと思います。そして『自分はこれだ!』というものを見つけたのなら、まずは一歩踏み出してみてください」。

その一歩が違う道だとしても、踏み出すことにこそ価値があるという。

「自分の場合も、きっかけは『ラジオパーソナリティー』でしたが、実際に踏み出したことで、『いや、声優だ』と気付くことができました。そういった進路変更も含めて、できるだけ早いうちに動き出した方がいいと思います。もちろん、1、2年で見つからない場合もあるとは思います。でも、いつからでも遅くはないので、挑戦する心を忘れずに毎日を過ごしてほしいですね」。

 

【プロフィール】
小野 友樹(おの・ゆうき)

1984年生まれ。静岡県出身。2007年、早稲田大学スポーツ科学部卒業。大学在学中に声優デビューを果たす。現在、株式会社アトミックモンキー所属。主な出演作は『黒子のバスケ』(火神大我役)、『君と僕。』(塚原要役)、『めだかボックス』(人吉善吉役)など。また、文化放送「小野友樹のオノパラ!」ではパーソナリティーを務める。4月からは『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』で主人公・東方仗助役を、『テラフォーマーズ リベンジ』で爆致嵐役を演じるほか、テレビ東京系列の子ども向け情報バラエティー番組『おはスタ』で新MCを担当する。

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