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キャリアコンパス

誰もがリーダーになれる素質を持っている-ガールガイド・ガールスカウト世界連盟理事 和田 照子

ガールスカウトで培った行動力と積極性

わだ・てるこ  1969年生まれ。1993年、早稲田大学法学部卒業。1995年、東京大学大学院法学政治学研究科修了。その後、経済団体連合会(現在 の日本経済団体連合会)事務局へ。経団連職員と並行して、ガールスカウト日本連盟会長などを歴任し、2011年には、日本人として33年ぶり2人目のガー ルガイド・ガールスカウト世界連盟理事に就任した。

平日は、経団連(一般社団法人日本経済団体連合会)の職員として、政府等に政策提言を行い、休日になると、世界145の国や地域で約1,000万人が所属 するガールスカウト世界連盟の理事として、国際会議や電話会議に参加し、全世界のガールスカウト運動の今後の方針を決定する―。これが和田照子さんの生活 だ。スーパーウーマンと呼ぶにふさわしい活躍だが、取材の中で垣間見た和田さんの素顔は、周囲への気配りを忘れない快活な女性。まさにガールスカウトが理 想に掲げる女性像を思わせる。

ガールスカウトとは、「少女と若い女性の可能性を最大限に伸ばすこと」を目的に活動する世界最大の社会教 育団体のこと。和田さんは、中学入学と同時に入団し、キャンプやボランティア活動、ギャザリング(話し合い)や国際交流など多岐にわたる活動を通じて、 「実行力」「コミュニケーション能力」「責任感」といった資質を磨いてきた。さらに、社会的に困難な立場にある人々や、他世代、海外との交流が活発なガー ルスカウトにおいて、多様な価値観に触れる機会に多く恵まれた。「最も印象に残っているのは、生まれて間もない子どもが親と離れて暮らす乳児施設でのお手 伝いです。この社会には多様なバックグラウンドを持つ人たちがいることを痛感しました」。 このときの経験が後に、さまざまな立場に立って政策を提案する 経団連での職務につながることになる。

可能性を探った学生時代、社会進出と社会貢献に向けて

ガールスカウトを通じ、物おじしない性格と、積極性を身に付けた和田さんは、外交官を目指して早稲田大学の法学部へと進学する。 「バンカラな校風に惹かれて選びました。学生時代の居場所は合唱団。政府やJICAで海外からの訪問者のアテンドをしたり、シンクタンクで調査の下働きを したり、書店の棚卸しをしたり、インテリアデザイン会社で模型を作ったり…。とにかくたくさんのアルバイトをしました」。

 

学部では「通 商法」という国際貿易をめぐる法律を学び、その面白さにのめり込んでいく。外交官への憧れは、在学中に1年間の海外交換留学を経験したことで、“もっと勉 強したい”という思いに変わり、卒業後は東京大学大学院に進学。その後、経団連に入局するが、進路選択の理由が実にガールスカウト出身の和田さんらしい。 「入局したあかつきには、法律の知識を生かし、世の中の制度や仕組みを変えることができると考えたのです」。自ら考えて、自ら行動する―。ここにもガール スカウトの教えが息づいている。

そのように世の中へ積極的に働きかける経団連の仕事がハードであるのは想像に難くないが、和田さんはボ ランティアとしてガールスカウト活動にも心血を注ぐ。「当然、お給料をいただく仕事が最優先であるべきです。私に投資していただいているわけですから。そ して、上司や同僚の理解と協力があってこそ、各国に拠点を持つガールスカウトの世界連盟理事を務めることができます」。和田さんが体現する女性の社会進出 と社会貢献の背景には、それを可能にする環境と自身の信条があった。

女性もリーダーになれる!足りないのは経験だけ

 

経団連とガールスカウトという二つのフィールドで抜群のリーダーシップを発揮する和田さん。ガールスカウトではいま、女性のリーダー育成にも力を入れてい るそうだ。「私の考えでは、誰もがリーダーになれる素質を持っていると思います。例えば、主婦も家庭の“CEO”と捉えることができますよね。重要なの は、リーダーの経験を積むことです。まずは小さな組織のリーダーから始めて、経験値を高めていく。そのためには、女性がキャリアを積めるように長く働き続 けられる社会をつくることが最も重要な課題です」。

このようにガールスカウトが現代社会で担う役割は大きい。「ガールスカウトの使命と目的を実現するためには、少女たちの活動を支えるボランティアの存在が必要不可欠です。早稲田の女子学生の皆さんにも、ぜひ少女たちの未来のために、力を貸していただけたらと思います」。

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