今年も「早稲田文化芸術週間」が華やかに過ぎ去った。ライブやコンサート、映画に演劇、シンポジウム、講演会など、数々のイベントが連日繰り広げられた。しかも、これら催し物のほとんど全てが参加費“無料”なのだから素晴らしい。もちろん、その費用は学生諸君らが納めた学費から捻出されているのであるが。
学費の話をするならば、授業一コマがいくらであるか、計算したことがあるだろうか。学部によって人によって異なるであろうが、一コマだいたい数千円である。「高い」と言われる私学の学費でも、一コマ当たりで考えればそのくらいの金額である。
さて、何が言いたいかというと、そんな豊かな学びや体験がわずかな費用でできるのは学生の特権だ、ということだ。そう言われても、学生のうちはピンと来ないかもしれない。しかし、社会に出てみれば分かる。芸術公演でも講演会でも、何かの催し物に参加しようとすれば、もちろん無料とはいかない。半分居眠りしながら聞いていた教授の講義も、企業主催のセミナーで聴こうとすれば、何万円もの聴講料を支払わなければならない。しかも、好きなときに好きなイベントに参加する自由があるとは限らない!
早稲田大学では、セミナーや討論会など、毎日どこかで何かしらの催し物が行われている。ちょっとでも面白そうだと思ったら、どんどん参加してみたらいい。気になる講義があったら、いくつでも聴講してみたらいい。「いつか機会があれば…」などと思って卒業してしまったら、もう二度とそのチャンスはやってこないかもしれないのだから。
(K.K.)
第1033回