Waseda Weekly早稲田ウィークリー

早稲田の愛し方

早稲田の愛し方

2026年4月13日公開

4人が集まったのは……三品食堂 The four of them gathered at... Sanpin Shokudo

料理写真

北上さんが営む牛めし屋。昭和40年の創業以来、長年にわたり早大生の胃袋を満たしてきた。(過去記事はこちら

【住所】東京都新宿区西早稲田1-4-25

【TEL】03-3202-6563

【営業日時】月〜土曜日 11:30〜14:00

【定休日】日曜日・祝日、第2・4・5土曜日、早稲田大学の休暇期間中

あの瞬間に結ばれた、早稲田との強い絆

あの瞬間に結ばれた、早稲田との強い絆

撮影=「三品食堂」

米田さんキャンパスツアー

キャンパスツアーで早稲田を好きになった米田さんは、入学後にキャンパスツアーガイドとしても活動。早稲田の魅力を発信する側となった

笹山さん応援パフォーマンス

入学式での応援パフォーマンスに心を打たれた笹山さんは、応援部に入部。4年生時には主将を務め、部員たちをけん引する存在に

自由でカオスな校風で育つ、個性豊かな学生たち

「雑多」「グローバル」「バンカラ」など、4人の口から出る独特の校風。一方で「早稲田らしさ」を問われると、つかみどころがない部分も多い。早稲田とは一体、どんな大学なのだろうか。

米田さん
笹山さん

現在、応援部のコーチを務める笹山さんは、現役生とのつながりも強い。三品食堂にも頻繁に通い、北上さんとも長い付き合いとなる

大隈さんを尊敬するあまり、命日には必ず墓参りし、自宅に祭壇まで作っているという先輩にも出会いました。

その子も知り合いなんだけど、いわゆる「早稲田バカ」ってやつですね(笑)。「角帽」が好き過ぎて、友人に次々と買わせていると聞いて驚きました。

私も買いました! 早稲田キャンパスの東門を出た所にある「記念ペナント オギワラ」さんで、角帽の歴史の話を聞いて購入したので、思い出深いです。

1960年代ごろまでは、大学生は私服ではなく学生服を着ていたんです。その際にかぶったのが、「角帽」。しかし現在、角帽をかぶる学生は激減し、販売する店もオギワラさんだけになってしまった。なんとか消滅だけは避けたいと「角帽復活プロジェクト」を立ち上げ、クラウドファンディングで資金を調達しながら、製造ルートの整備に尽力してきました。

ワセダ入門用語集①「角帽」 Waseda Glossary ① Square Cap

かつての制帽。早稲田大学のシンボルマークのひし形も、角帽の形状が基になっている。大学周辺には角帽の販売店が多かったが、現在は需要減少と作り手の高齢化により、存続の危機にひんしている。

角帽と早稲田大学のロゴマーク

夢中になれる課外活動が、キャンパスライフを充実させる

日本のアニメや声優文化にも関心がある劉さんは、コンテンツ業界で多くの卒業生が活躍することも、早稲田大学を身近に感じる一つの要因となったという

それはうれしい。私が入学した時代は、早稲田祭は休止状態でした。不明瞭な決算など、実行委員会の運営体制が問題視されていたんです。関わっていたサークルの先輩が、「少し前まで、早稲田祭では芸能人を呼ぶイベントもあったんだぜ」と自慢しながら、寂しげな顔を見せたのが忘れられません。その後、4年生の時に復活した早稲田祭のエンディングステージで、応援部員として校歌の指揮を執りました。大隈記念講堂前の特設ステージ、見渡す限り埋め尽くされた学生や来場者の前で、「諸君、祭りはこれからだ!」と叫んだ瞬間は、在学中の最高の思い出の一つです。

Waseda Glossary ② 早稲田入門用語集②「早稲田祭」

学生が主体となり運営する、年に1度の早稲田文化の祭典。2日間で約450もの企画を実施する(2025年度)。えんじ色の法被を着て企画・運営を担うのが、早稲田祭運営スタッフ。例年約650人で運営を担っている。
11/1、2は早稲田祭と理工展へ! 注目企画とスタッフの裏側を紹介(『早稲田ウィークリー』2025年10月公開)

早稲田祭

私が取り組んでいるのは、「ICC(異文化交流センター)」の学生スタッフの活動です。せっかく早稲田というグローバルな環境にいても、授業中だけだと留学生と交流する機会には限りがあります。気軽に訪問でき、ランチをしているだけで隣の席に外国人が座っているのがICCです。イベントも多数企画しており、さまざまな異文化交流を体験できます

ICC(異文化交流センター)の活動
アニメでつなごう!集合写真

ICCでは、よさこいや生け花など日本古来の文化を体験的に伝える企画に携わった他、アニメをテーマにした異文化交流イベント「アニメでつなごう!」の企画・運営も担当

三品食堂のお客さんも、外国人留学生が増えました。お昼時は「ここって本当に日本?」と感じるくらい、外国語が飛び交うことも。最近も中国の留学生が牛めしを気に入って、頻繁に食べに来てくれるようになりました。

グルメに厳しい中国人も足しげく通うくらい、早稲田にはおいしいお店が本当に多いと感じます。ICCでは大学周辺の文化財や史跡を巡るイベントも行っていますが、歴史や美術を感じられる地域であることも、早稲田の素晴らしさだと思います。

早稲田入門用語集③「ICC」 Waseda Glossary ③

Intercultural Communication Center(異文化交流センター)。異文化交流の充実を図るために設立した拠点施設。学生が主体となり、年間約200のさまざまなイベントを企画・運営している。早稲田キャンパス3号館1階のラウンジは、いつでも気軽に訪問可能。

ICC

#4地域文化やスポーツから、伝統の息吹を感じてほしい

北上さん

三品食堂では約30年にわたり、すぐ近くに道場がある剣道部の学生が店を手伝ってきた。多忙な先代を見かねた学生が皿洗いを手伝い、店主がお礼に昼食をごちそうしたのが始まりだったという

早稲田入門用語集④「ワセメシ」 Waseda Glossary ④

早稲田大学周辺のグルメ。長年愛される老舗、“油田”とも表される揚げ物や油そばなどの脂っこい料理や弁当の店、多彩な異国料理などが特徴。

三品食堂の壁に残された卒業生たちの寄せ書き
三品食堂の壁に残された卒業生たちのたくさんの寄せ書きが、学生との強いつながりを物語っている

学生生活でいうと、「早稲田スポーツ」も欠かせません。箱根駅伝(競走部)やラグビー(ラグビー蹴球部)などの有名どころはもちろん、他のスポーツ観戦も楽しいです。春に隅田川で行われる「早慶レガッタ」(漕艇部)は、なかなか見られないボートの対決。ぜひ現場で観戦してほしいです。

野球部の早慶戦を見た時は感動しました。観客も多く、応援部の熱量には圧倒されましたし、みんなで校歌を歌う場面では「これが早稲田か!」と感じます。

伝統と誇りを背負って戦うのが、大学スポーツの醍醐味(だいごみ)。各大学の応援文化の違いも見どころです。とはいえ曲を知らない学生も多いと思いますが、ご安心を。まずは「早稲田〜早稲田〜」のフレーズだけ歌えれば大丈夫です!

早稲田入門用語集⑤「早稲田スポーツ」 Waseda Glossary ⑤

早稲田大学には44もの体育各部がある。現場観戦で臨場感を味わえる他、戸山キャンパスの「早稲田スポーツミュージアム」では、その歴史に触れられる。

早稲田スポーツ

#5あなたにとって、早稲田とは?

私たちにとって「早稲田」とは、一体どんな存在なのだろうか。『早稲田ウィークリー』読者モニターに実施したアンケートでは、実に多様な早稲田の魅力が語られていた。

※クリックして拡大
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では、4人の“早稲田人”たちの目には、「早稲田」はどう映っているのだろうか―。

4名の早稲田人

#6「4年後、きっと早稲田を好きになる」 総長・田中愛治の早稲田愛 Waseda Love ⑥

田中愛治総長

それぞれのスタイルで、ありのままに過ごせるのが、早稲田のキャンパスライフなのかもしれない。最後に、大学のリーダーである田中愛治総長にも、早稲田愛について聞いてみよう。

早稲田愛にあふれる、すてきな4人に語っていただきました。でも、学生の中には「早稲田に特別な愛情があるわけではない」「本当は第一志望ではなかった」という学生もいるかもしれません。

かくいう私も、実は第一志望は国立大学でした(笑)。入学当初は、「こんなにバンカラな泥臭い大学で…」と思ったのもつかの間。空手部に所属し、週6日で稽古する厳しい日々で、映画や合コンの誘いも断っていると、1年もたたないうちに、早稲田の泥臭さが好きになりました。

おそらく、“何かに打ち込む学生に敬意を払う”校風があったからです。成績がオールAで大手企業に就職するような学生だけでなく、スポーツでオリンピックに出場する学生、文学作品を読みふける学生、数学や物理に没頭する学生もいた。指人形だけで演劇をする、知らない世界を見せてくれた学生もいました。どんな学生でも互いに認め合っているからこそ、私にも居場所があったのです。

ダイバーシティーともいえる校風は、創立者・大隈重信の時代から培われていたのかもしれません。若い時、明治政府でバリバリの官僚だった大隈は、部下への厳しさを忠告された経験があったそうですが、総理大臣になるころには物腰の柔らかい人物になっていたそうです。人に会うことを重んじた大隈の下には、国内外の要人から新聞記者や支援者など、多くの人が頻繁に訪れたといわれます。学生の他、地域や職業の異なる人々とも対等に接した逸話も残り、葬儀には約30万人もの民衆が集まりました。

そういった歴史の中で、早稲田には全国各地や海外から学生が集まり、活躍してきました。今日のオープンな雰囲気も、その伝統を継承しているといえます。

現在、日本の経済界では企業のトップに早稲田の卒業生が数多く就任しています。彼らが口をそろえて言うのが、「早稲田の人材は組織のことを自分事として向かっていく」です。泥をかぶるような仕事になると、多くの人は言い訳を作って回避するのですが、早稲田の卒業生はそうではないんですね。ちゅうちょせず飛び込む人が多いので、周囲から頼られるのです。早稲田卒の経営者が多いのも、そうした積み重ねなのかもしれません。学外の人からも早稲田人が応援されるのであれば、私もうれしいです。

とはいえ、私が最も“早稲田愛”を実感するのは、早稲田卒の経営者が多いからだけではなく、校風や大隈の精神のみならず、学生の皆さんが頑張っている瞬間を目にした時です。例えば神宮球場で戦う野球部や、懸命に鼓舞する応援部、被災地に貢献しようと活動するボランティアスタッフ、早稲田祭の時にエレベーターで「何階ですか?」と声を掛けてくれる心優しい学生まで、“何かのため”“誰かのため”に頑張っている。そんな皆さんは、私にとってかけがえのない宝物です。

イラスト
花くまゆうさく
取材・文
相澤 優太(2010年第一文学部卒)
撮影
布川 航太
編集
株式会社KWC
デザイン・コーディング
株式会社shiftkey

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