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YouTubeで英語の勉強法を発信する早大生 日本の魅力を世界へ届けたい

「英語を学ぶ日本の学生のモチベーションになりたい」

文化構想学部 4年 Marian(まりあん)

戸山キャンパス 正門にて

米国への留学経験を生かしてSNSで英語の勉強法を発信し、Instagram 4.3万人、YouTube1.5万人のフォロワーを誇るMarianさん。大学では、英語を通じて日本文化を学ぶ文化構想学部のプログラムJCulP(Global Studies in Japanese Cultures Program:国際日本文化論プログラム)に所属しています。そんなMarianさんに、英語のコンテンツを発信し始めたきっかけや、留学を通じた学び、今後挑戦したい取り組みなどを聞きました。

――英語の勉強を始めたのはいつですか?

両親がワーキングホリデーでカナダに住んでいたこともあり、私自身カナダで生まれました。カナダ国籍も取得して、現地に友達もいますが、日本で教育を受けてきた4歳からは、英語はほとんど話していなくて。カナダに住んでいたバックグラウンドがあるにもかかわらず、英語がうまく使えない自分に悔しさを感じ、高校生の時にネーティブレベルの英語を習得することを決意しました。大学受験では、IELTSという英語運用能力試験のスコアの提出も必要だったので、予備校にも通い始めました。

――大学ではどのように英語を身に付けてきましたか?

JCulPでは、日本文化をテーマとする授業が英語で行われるのはもちろん、留学生や帰国子女などの国際的視野を持つ学生が多く在籍しているので、日常的に英語を使ってこれたんです。英語「を」学ぶ、のではなく、英語「で」学ぶ環境に身を置くことで実践的な英語を身に付けたいと思っていた私にピッタリな環境でした。

文学や映画、演劇、広告、音楽などのメディア表象を研究する由尾瞳ゼミ(文学学術院教授)に所属している。ゼミの一環で、演劇を劇場で見た時の一枚。前列左端がMarianさん

TEDxWasedaUのイベント。Marianさんが長い間サポートしていたスピーカーの方が、立派にプレゼンテーションをして舞台で輝いている姿に感動したそう

また、大学2年生まではTEDxWasedaU(公認サークル)に所属していました。TEDxWasedaUとは、世界中の著名人によるスピーチを開催、配信する非営利団体であるTEDの許諾を得て、学生主体のイベントを企画、運営するサークルです。活動は基本的に全て英語で行われていて、私はスピーカーの方と一緒に原稿やプレゼンテーションを作り上げる役割を務めていました。

このように授業やサークルでの活動を通して、英語が堪能な友人との仲を深められたことで、英語力が向上したのではないかと思います。

――YouTube チャンネルを開設した経緯を教えてください。

 2023年9月から2024年6月まで、早稲田大学の交換留学プログラムを利用して、カリフォルニア大学サンタバーバラ校に留学したことがきっかけです。

日本育ちの私が英語を一から勉強した経験を動画にすることで、同世代の高校生や大学生の参考になればいいなと思い、YouTubeを始めました。留学や英語学習に関するさまざまなSNS投稿を見ていると、キラキラした成功体験ばかりが強調されていて、現実とのギャップを感じることが多くあったんです。だからこそ私は、努力の過程や悔しかった出来事など、華やかな世界の裏側にあるリアルな経験も正直に発信することで、誰かを後押しできる存在になりたいと考えました。

留学に出発する空港での一枚

それまで撮影や編集の経験はなかったのですが、JCulPの先輩である植村凪沙さん(2022年3月卒業)のYouTubeを見て勉強しました。入学前から凪沙さんの投稿は見ていて、英語と日本語に堪能で、日常生活を発信する姿は、ずっと私の憧れでした。身近なロールモデルの存在は、私の活動に大きく影響を与えてくれています。

 

YouTubeで公開した一本目の動画。留学への不安や緊張、家族や友人との別れの寂しさ、留学出発の様子などをリアルに伝えている

――留学を通してどのように成長できましたか?

精神的に自立できたことが一番の成長です。親元を離れ、身寄りのない土地で新たな生活を始め、現地ではさまざまな国出身の学生6人とのシェアハウスで暮らしていました。ずっと実家暮らしだったのですが、留学期間中は右も左も分からない中、料理や洗濯などを全て自分で行い、さらに大学での勉強やSNSの運用をしていたので、自立心が大きく養われたと感じています。

また留学先での授業を通して、新たな視点や考えを身に付けることができました。特に印象的だったのは、現地でホットトピックになっている人種差別やジェンダーに関する授業です。アジア系・アフリカ系アメリカ人を含めたさまざまな人種の背景を抱えた生徒や、LGBTQの教授も交えてディスカッションすることで、当事者の生の声を聞ける貴重な機会に恵まれました。問題をただ知識として学ぶのではなく、自分事として深く向き合う大きなきっかけとなりました。

写真左:留学先で受講した「Sociology of Family(家族の社会学)」という講義。卒業論文では日本の家族構成とテクノロジーの関係性を研究する予定
写真右:留学先での時間割の一例(※クリックして拡大)

――これから挑戦してみたい取り組みはありますか?

これまで英語を学んできて痛感したのは、英語はあくまでツールにすぎないということです。大切なのは、英語を「使う」ことではなく、英語で「何をするか、何を伝えるか」だと思っています。そこで、英語力を生かして、英語圏の人々に向けて日本の魅力を発信したいと考えています。留学していた時に、日本の文化が中国や韓国などのアジア圏の国々とひとくくりに扱われることが多く、日本特有の文化や価値観が他国の人に十分に伝わっていないと感じ、もどかしさを覚えたんです。

具体的には、インバウンド向けに日本文化について発信するSNSを新たに始めたいと思っています。また卒業後は、総合エンターテインメント企業に就職が決まっているので、日本のアニメやアーティストを世界に届ける際の一躍を担えればと思っています。就職先の企業では、例えばアメリカの音楽市場を調査してトレンドを分析する場面など、ここぞというときに英語を生かして活躍していきたいです。

――留学を考えている早大生にメッセージをお願いします。

留学費用の準備や語学力の向上、現地の治安の確認など、事前にできることはたくさんありますし、できる限りやっておくべきです。ただ、留学の醍醐味は、自分がこれまで出合ったことのない価値観や文化に触れ、思いがけない経験を重ねていく中で、新しい自分を見つけられることだと思います。どんなに準備をしていても、想定外のことは起こります。でも、だからこそ学べることがあり、成長のチャンスにもなります。

全てを完璧に準備して臨むよりも、ありのままで飛び込んでいくことで、その場で感じ、考え、吸収できることがたくさんあります。ぜひ、まだ知らない自分に出会える、そんな留学の旅を楽しんできてください。

米国で友人たちとビーチ(Isla Vista)に行った時の写真

第906回

取材・文・撮影:早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ
文化構想学部 4年 浮谷 雛梨

【プロフィール】

留学先のカリフォルニア大学サンタバーバラ校で、卒業生のSteve Aokiさんがライブを開催した時に友人と。中央がMarianさん

カナダ出身。専修大学松戸高等学校卒業。趣味は、音楽と洋画鑑賞。音楽は聴くだけでなく、ギターなどの楽器を演奏するのも好きなのだとか。さまざまな人生の決断が迫られる大学生にお勧めの映画は、マット・デイモン主演の『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』。
Instagram:@its_me_marian0210
YouTube:@its_me_marian
TikTok:@its_me_marian0210

 

 

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