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「総合知」を養う学生たちの姿(4)
特集:総合知、世界へのまなざし
Mon 10 Nov 25
特集:総合知、世界へのまなざし
Mon 10 Nov 25
アメリカ留学での異文化体験を通じ多様な価値観への理解を深めていった
カリフォルニア州立大学への留学を経て帰国後にアメリカ文化を研究
国際教養学部4年 東本 はるかさん
撮影=早稲田キャンパス22号館 Waseda Global Gate
高校時代、コロナ禍の影響で海外語学研修が中止になった経験から、「学生のうちに留学をしたい」と、留学が必須の国際教養学部に進学。留学の準備として、学部で行われる英語の授業で少しずつ聴解・読解力を高めるとともに、Global Education Centerが提供する全学オープン科目「アカデミック・ライティング」 を履修し、英語による学術的文章の作成を学びました。
留学を経験したのは、2年生の夏からです。アメリカのカリフォルニア州立大学ノースリッジ校で、約10カ月間学びました。留学先をアメリカにしたのは、ダイバーシティに関心があったからです。多くの移民が居住するカリフォルニアが最適な環境だと、同校を選択しました。
現地ではジェンダーや人種について中心的に学んだほか、同校で先進的な取り組みがされている「ろう者学」なども受講しました。驚かされたのは、耳の不自由な教授が手話で授業を行い、2人のスタッフが英語に翻訳する形式です。日常で受ける困難についての話を受け、差別的な意図のない言葉や行動も、当事者を傷つける可能性があるなど、マイノリティの意見を聞く大切さを実感しました。キャンパス内には手話でコミュニケーションをとる学生も多く、大学のTシャツも手話でデザインされているなど、ろう者のアイデンティティが押し出されている点にも感銘を受けました。
留学を経て自分の主体性が養われたと感じています。以前はチャンスを前にしてもリスクを考えてしまいがちでしたが、留学中は自ら考えて主体的に行動するようになり、帰国後も常に意識しています。現在は留学センターの「学生留学アドバイザー」として、イベント運営や情報誌制作など、積極的に活動しています。
また、アメリカの文化や歴史に関心を抱いたことから、帰国後は国際教養学部で「American Studies」 のコンセントレーション※の修了を目指し、科目を履修しています。そして留学期間中に遭遇した、アメリカ史上最大規模といわれるカリフォルニア州立大学での教員によるストライキは、私にとって衝撃的でした。現在ゼミでもメディアを通じてアメリカ文化を研究していますが、この経験をきっかけに卒業論文は、ロサンゼルスの社会運動や都市発展を調査する予定です。将来は海外で働き、社会や企業の課題解決に貢献したいと思います。
※各コンセントレーション(分野)が指定する科目を必要単位修得した場合に、修了証明を受けることができる制度
中長期留学プログラム
半年から1年間、海外協定大学に留学する制度。早稲田大学は400校を超える海外協定校と連携し、ダブルディグリーを取得できるプログラム、現地の学生とともに通常科目を履修するプログラム、外国語学習を中心としたプログラムなど、特徴の異なる中長期留学プログラムを提供している。