レジデンスセンターから東京子ども図書館のことを聞いたとき、初めは「子ども図書館って何だろう?」と思いました。私の生まれ育ったアメリカでは、図書館の中に子ども向けのスペースはあっても、子ども用に作られた図書館というものはありません。
実際に行ってみるとそこは、スタッフの方々の、本や子どもたちに対する純粋な愛と、子どもたちの笑顔に満ちあふれた心温まる「ホーム」のような場所でした。
何千冊の本が並ぶ本棚。そしてその向こうにある小さな扉をくぐると暖炉と椅子があり、テーブルの上のろうそくに灯がともると、まるで魔法の世界に吸い込まれるように物語が始まりました。
何百回聞いた話なのに、まるで初めてのときのように心を奪われ、主人公がヘマをすると笑い、危険に陥るとドキドキし、その場面を想像する。スタッフの方の語りに知らぬ間に大学生である事を忘れ、子どもの頃の自分に戻ったかのように夢中になっていました。
大人までを取り込んでしまうほどの力、それを使い子どもたちの本への愛を育み、自ら読むのを挑戦するまでそばで支え見守ってあげる。東京子ども図書館は、そんなとても暖かくて優しい場所です。機会があればぜひ行ってみてください。
国際教養学部 M.K.