ICCのI-FILMプロジェクトとは、日本人学生と留学生がランダムで4人1チームになって、3日間で大学のキャンパスを舞台にオリジナルの短編映画を創るという企画です。ICCのイベントに参加するのは初めてでしたが、キャンパスを歩いている時にポスターがふと目に留まって、「やってみたい!」と思いきって応募しました。
映画製作においては班ごとに「ホラー」や「アクション」などのテーマが指定されており、私たちの班は「サスペンス」映画の撮影となりました。初めての経験でしたが、私は映画が大好きなので、刺激的な時間を過ごすことができました。さらに、こんなにも長く留学生と英語でコミュニケーションをとるということも初めてでした。
私たちの班は英語と日本語を混ぜて会話をしていましたが、使用言語に関しては参加者が事前アンケートに書いた希望を考慮してグルーピングされるので、「~語でなければならない」という制約もありませんでした。
映画制作というプロセスにおいてはかなり抽象的な表現になってしまうことが多々あり、最初はなかなか自分のイメージを英語で相手に伝えられず、もどかしい思いもしました。大学で1年生のころから語学の授業は多く取っており、喋ることに対して抵抗感はありませんでしたが、やはり語彙力などの面で留学生に劣るところがあり、頭の中のアイデアをより正確に早く英語で伝える力がまだ足りないと感じました。しかし、プロジェクト全体を通してみんなでよく話し合えていたし、和気あいあいと作業ができたのでとても良い経験になりました。そして何よりも、メンバー全員が「言葉で伝えよう」と努力できていたのがよかったです。
プロジェクト中はメンバーがそれぞれポスターや映像の編集、小道具の準備などの役割を分担し、自分たちの作品が少しずつ出来上がっていくのがとても嬉しくて、本当に楽しい時間でした。
今回のプロジェクトで、一つ印象に残るエピソードがありました。それは同じグループの留学生が私に言った何気ない言葉がきっかけでした。制作の打ち合わせの際、どのように映像を撮っていくかというところで少し行き詰まったことがありました。私は皆の意見がどれも新鮮で面白く、なんとなく「これもいいし、それもいいね」と言いました。そのときにその留学生が「どっちかにしてよ」と僕に言いましたが、それは全く怒っているわけではなく、単純にどれがいいかを決められない状態を避けるために言ったのだと思います。話し合いはそのまま進みましたが、私はそのとき少したじろいでしまいました。でもそれは嫌な気持ちではなく、「文化背景の違う人とコミュニケーションをとる」ということの醍醐味を味わうことができた気がしたからです。大学にいると留学生の方と話す機会は多くあるかもしれませんが、こんな風に「1つの目的に一緒に取り組む」時間を過ごすことができるのは、ICCのイベントならではの特徴だと思います。