M.H(学生スタッフリーダー)
みなさん、こんにちは。
去年の12月10日に開催した、「ICCシンガポール文化ナイト」を企画した学生スタッフです。イベントにお越しくださった皆さん、本当にありがとうございました。
私は去年1年間留学していたのですが、実はこのイベントは留学前に企画書を出しました。色んな課題を抱えたまま留学へ、1年後に帰国しやっと開催することができたイベントです。今回はそれにあたり、本企画の背景を是非紹介できればと思います。
- 企画の経緯
一つの国に着目して紹介するイベントは、ICCの定番な形のイベントの一つですが、その中で私はなぜシンガポールを選んだのか。
私は2歳から9歳までシンガポールに住んでいましたが、まだ幼かったということもあり、あまりシンガポールの文化や背景に意識を向けませんでした。しかし高校生の時に参加した国際フォーラムで久しぶりに数名のシンガポール人と接した時にその多様性に気づき、興味を持つようになりました。
今ではシンガポールといえば著しい経済成長を遂げ、数々の有名な観光地を生み出していますが、文化となるとあまりイメージが湧かない人が多いと思います。私は今回有名で近代的な観光地の傍らで存在する、シンガポールの多民族国家の文化を是非人々に広めたいという気持ちから、「多文化」をテーマにしたシンガポールのイベントを企画することにしました。
- 企画段階での課題
さて、今回のイベントのテーマは「多文化」であると記しましたが、実はこのテーマのもとでイベント内容を考えるのはとても難しかったです。なぜならシンガポールは比較的新しい国のため、その国を象徴するものといえば、近年できた数々の観光名所であって、伝統芸能など、ICCが披露できるようなものがなかなか見つかりませんでした。また、様々な国の文化が共存するため、例えば中華系やインド系の伝統芸能を紹介してもよかったのですが、シンガポールではない国の印象が強くなる上、文化を限定して紹介すると、他の文化との差別、選定基準などが問われてしまうため避けていました。多文化を紹介したいという企画意図ははっきりしているものの、様々な制限がある中でそれをどう実践すればいいのか分からず、本企画に諦めを感じたまま留学に行きました。
帰国したあとは気持ちを一新して別の企画に打ち込もうと思ったのですが、同じ学生スタッフの多くが「シンガポールのイベントやってもらいたい!」「楽しみにしてる!」と声をかけてくれたお陰で、もう一度挑戦してみようと思いました。過去のイベントや周囲のアドバイスを参考にし、留学前には何一つ見えなかったイベントの形がやっと見えるようになりました。
- イベント実施
一番課題であった「多文化」紹介は、様々な背景を持つ留学生に、彼らの私生活や習慣を話してもらう形にしました。趣旨と目的を説明した上で留学生にプレゼンテーションをお願いすると、私が調べても出てこなかったシンガポール独自の文化を紹介してくれました。それに加え、他国の言語の影響を受けて成り立っているシンガポールで使われているインフォーマルな話言語「シングリッシュ」の紹介、チキンライスやポークジャーキーなどシンガポールの食を提供し、様々な形からシンガポールの文化を体感してもらうことによって、シンガポール文化の成り立ちを上手く表現できたのではないかと思っています。
参加者に書いていただいたアンケートには多くの方から「充実度の高いイベントだった」という声をいただけたことは、たくさん悩んで作り上げたコンテンツが認めてもらえたと感じ、非常に嬉しかったです。

シンガポール政府観光局によるプレゼン

協賛先からいただいたチキンライス
- 最後に
今回のイベントは自分の実力が大きく試されたイベントだったと感じます。
イベントの参加者は合計115人と、現時点でICCの今学期最多の参加者で大成功だった反面、だいぶ大がかりなイベントだったことから、全てに目が届いていなかった部分もありました。反省点を振り返り、改善点まで考える最終的なアフターケアまでがイベント実施担当者としての義務であり、成長する機会だと思います。
今度は就職活動で再び休職しますが、復職後実施するイベントに向けて、今回の課題と向き合いつつも、実績に自信を持ちながら挑みたいと思っております。
イベントに参加してくださったみなさん、協力していただいたみなさん、本当にありがとうございました。

イベントで発表をしてくれたシンガポール人留学生