Waseda University Intercultural Communication Center (ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

その他

僕のサードプレイスICC(徐文彬)

徐 文彬

早稲田大学大学院商学研究科修士2年

ICC学生スタッフリーダー在職期間

2013年11月〜2016年3月

 

友達を作りたかった!

僕は新入生オリエンテーションで、初めてICCの存在を知った。日本の大学はドメスティックというイメージを持っていたが、早稲田大学では4,000人以上の留学生が在籍していて、そして留学生と日本人学生の交流を促進するためにICCという大学機関があることを知って驚いた。同時に「いつかICCのイベントに参加しよう!」、「友達を作るチャンスだ!」と思い、国際交流したいという気持ちが湧いてきた。それから、「にほんごペラペラクラブ」をはじめ、時間がある限りICCのイベントに参加し、いつの間にかICCの常連になっていた。当時、日本の大学にいるものの、クラスメートはほぼ全員留学生で、日本人と接する機会はとても少なかった。サークルにも入ったが、基本的に昼休みの時間帯のみ活動していたため、物足りなさを感じていた。ICCに行けば新しい出会いがある。異文化交流も面白かったが、なにより当時の僕はICCで友達を作りたかった。

 

居場所が欲しかった

数々の参加したイベントの中で一番印象に残ったのは、「日中韓ホンネ交流キャンプ」だ。最初にキャンプに応募した理由は、真剣に政治問題や歴史問題を語りたいというより、手軽に参加できてキャンプ中に日中韓の友達がたくさんできそうだと思ったからだった。しかし実際にキャンプに参加してみると、とても衝撃を受けた。ICCの職員と学生スタッフ(以下SSL)によってプログラムがしっかり組まれていて、ディスカッションとレクリエーションのバンランスもよく、2泊3日間はとても充実し、かつ楽しく過ごした。そのとき、ICCのSSLと一緒に働きたい!と思った。いつか自分もスタッフ側に立ち、僕みたいになかなか交流の機会に恵まれていなかった留学生に交流の場を提供したい!という強い気持ちがある一方、サークルも辞めゼミにも所属していなかった自分は、何より居場所が欲しかったのだと思う。

 

SSLの仕事は華やかであって地道な仕事!?

以前ICCのイベントに参加した時、SSLはプレゼンをしたり、ファシリテーターや司会を務めたりして、とても華やかな存在だと感じた。しかし、いざ自分がSSLになってみたら、会場設営、ポスター掲示、オフィスワークなど地味で力仕事が多いことに初めて気づいた。様々な仕事の中で一番難しく感じたのは、イベント企画だった。最初に提出した3つの企画案は、自分が面白そうと思っていたテーマだったが、ICCの目的に合わないことや集客力に懸念があるなどイベントとして成功させるのが難しく通らなかった。

実現可能な企画を作るためには、単純に「興味を持っている」という理由だけで企画を作ってはいけないことに気づいた。また自分が抱いている世の中の関心事について見つめ直し、一から企画のアイディアを考えた。

まず、自分の問題意識は次の2つ。

・当時、周りに中国に関心を持っている日本人の友達が多くいたが、彼らは中国(人)を理解できない部分が多いのではないか、と思った。

・また、ICCの講演会に参加する学生は、日本人学生のほうが多く、留学生も興味をもって足を運んでくれる講演会をやりたかった。

この2つの問題意識に加え、自分の興味であるマーケティングの要素をも入れて考えた企画は、中国の若者に関する講演会。「マーケティングを通じて見えた中国の若者〜博報堂若者研究所アナリストの視点から〜」だった。企画書作成から講演者との交渉、イベント広報、会場設営、司会、事後の反省会まで一連のプロセスを経て、やっと1つのイベントを成し遂げられた。とても貴重な経験だと今でも感じている。そしてこの経験から学んだイベント企画において何より重要なことは、より客観的な視点(または第三者的な見方)で物事を考えることである。どれだけ素晴らしいイベントを企画しても、参加者がいないと意味がない。ICCは学内の国際交流や異文化理解を促進するためのイベントを企画しており、そのイベントの参加者である学生たちは何に対して興味を持っているのか、どこに問題意識を感じているのか、イベントを通して何を得たいのかを徹底的に考えないと、良い企画がなかなかできないと強く感じた。

 

格好悪い自分って悪くないかも

以前参加者としてイベントに参加した時に見たSSLは皆格好良くて、憧れの存在だったから、SSLは参加者の前では常にそのような存在でなければいけないと思っていた。しかし僕の場合、司会する時に原稿をガン見するとか、プレゼン中に緊張して汗が止まらないとか、会議中に訳わからない発言をして周囲に笑われるとか、そんな格好悪い例を挙げ始めたらキリがないくらいだった。周りの優秀なSSLと比べて劣等感を感じて、落ち込んでいだ時期もあった。そんな落ち込んでいた僕に転機が訪れるのは、「日中韓ホンネ交流キャンプ」の担当に任されたことだった。キャンプ中は、相変わらず格好つけて場を仕切ろうとしたが、人前で喋ると緊張するせいで、セリフが飛んだり、間違ったりして、結局いつものように格好悪いままで終わり、自分が参加者のときに同じキャンプを担当していた先輩SSLの足元にも及ばなかった。これじゃキャンプが自分のせいで失敗してしまうかもしれないと思っていた。しかし不思議なことに、自分が参加者だったときと比べると、キャンプ中に参加者同士は同じように楽しく交流していたし、キャンプが終わった後も参加者同士が一緒に写っている写真がほぼ毎日のようにFacebookのグループページにアップされていた。何人かの参加者に聞いてみたら、その後も食事会や飲み会だけでなく、レクや勉強会も何回か行っていたらしい。その時に気づかされたのは、運営側であるSSLの格好良さや格好悪さより、一番重要なのは参加者たちがイベントを通じて楽しく交流できたか、何か新たな気づきや学びを得られたかということである。このキャンプの経験を通じて、他人の目線を気にせずより自然体で周りと接することができるようになった。

 

まとめ

留学生活を振り返れば、ICC参加者の自分とSSLの自分がいる。参加者としてイベントを通して様々な国から来た学生と交流ができ、他国の文化をより深く理解することができた。SSLとしてバックグランドの違う学生や職員と仕事ができて、自分の視野が広がった。どれも貴重な経験であり、どれも楽しかった!「僕はICCの一員だ!」「僕の居場所はICCだ!」と、今振り返るとそのように強く感じられるようになった。長いようで短い大学生活、その使い方は人それぞれだが、興味ある方はICCイベントの参加者としてだけではなく、SSLも挑戦してみたらいかがでしょうか?

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