Waseda University Intercultural Communication Center (ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

その他

『もしも』に備えよう! ICC防災フィールドトリップ 企画者レポート

 ICC学生スタッフリーダー(SSL) Nanami

はじめに 

2024年11月30日にイベント『もしも』に備えよう!ICC防災フィールドトリップを開催しました。

有明にある防災施設そなエリア東京を会場に、海外出身と日本出身の学生が一緒に防災について理解を深める内容です。多くの方々に支えていただきながら、無事に開催できたことをとても嬉しく思っています。

当日ご参加した留学生のレポートも、ぜひ併せて読んでいただけると幸いです。

(image by ICC)

企画背景

2024年1月1日、石川県能登半島で大きな地震が起こりました。

祖母の家でのんびりテレビを見ている時、急に聞き覚えのある大きな警報音が鳴り響き、心臓がドキドキ跳ねたのを覚えています。「よかった、ここ(千葉)は大丈夫みたい」とひとまず安心したものの、次々とテレビで流れてくる緊迫したアナウンスや悲惨な映像を見て、能登半島の人々を思うと胸が痛くなりました。

当たり前のことですが、私はそこで初めて「地震は時を選ばず、いつでも起こりうる」ということを実感しました。

さらに、もし東京で地震が起きたらと考えたとき、私は正しい行動をとれる自信がありませんでした。日本の小中学校で防災教育を受けてきた私ですらどうすればいいか分からないのに、留学生の友人はもっと困ってしまうのではないかと思い、とても不安な気持ちになりました。

災害時に自分自身が生き延びるのはもちろん、留学生が困ったときに助けられるように、防災について学びなおしたいという思いが強まりました。そして、早稲田大学において留学生と日本出身学生が一緒になって防災について学べるイベントが必要だと思い、本イベントの立案に至りました。

そなエリア東京は地震が起きた街をリアルに再現しており、地震の経験がない人にも分かりやすくイメージを伝えることができます。このイベントに最適の場所だと思い、会場の選定に時間はかかりませんでした。

今回のイベントに来られなかったという方も、ぜひ大事な人と一緒に行ってみてくださいね。防災についての意識がきっと変わるはずです!(私も今年の冬休みに、家族を連れて再度訪れる予定です!)

イベントの様子

本イベントでは基本的に留学生と日本出身学生がグループになり、一緒に施設を回ります。最初に「東京直下72h TOUR」という、首都直下地震の発生から避難までを体験し、タブレット端末のクイズに答えながら生き抜く知恵を学ぶツアーに参加しました。

この「72h」というのは、国や自治体の支援体制が十分に整うまでの目安とされる時間です。地震が起こった直後は人命救助が最優先になるため、元気な人は自分自身で3日間を生き残る必要があるのです。

このツアーは駅ビルにいる際に地震が起こったという設定です。エレベーターで下降中、急に床が振動し、エレベーターが緊急停止をします。イベント開始直後は楽しそうな雰囲気でしたが、この時点から参加者の顔つきが徐々に変わり始めました。

被災した市街地を抜けた後は、避難所に移動します。避難所に移動したからといって安心なわけではなく、そこでも生き抜くための工夫が必要ということをクイズを通して学びました。

このツアーを通して、避難の基本知識はもちろん、「季節ごとに違った対応が必要なんだね」「電気が止まってしまうと、同行者とはぐれやすいね」など、体験するまで想像しづらい「困りごと」に少しずつ気付いてもらえたと思います。

「東京直下72h TOUR」の後は、防災に関する展示を見て回りました。

全員に必要な「きほんのそなえ」と、個々人の特性や暮らしに合わせた「一人ひとりのそなえ」というブースに分かれており、それぞれの必要なそなえを学ぶことができました。

私が印象的だった展示は、「ゲームが好きな人」に向けたそなえとして、「被災時こそ心の健康が大事なので、ゲームも必要」と書いてあったことです。避難所にいるときは生き抜くのに必死で心の健康は二の次になってしまいそうですが、そういった楽しみも大切なだと気づかされました。 

施設見学を終えた後は、グループごとに振り返りを行いました。まずはそれぞれが学んだこと・感じたことを振り返りシートに記入し、さらに今後そなえたいものを防災メモに書き込んでいきました。この振り返り時間を設けた背景として、ツアーや見学で「楽しかった」「こわかった」だけで終わらず、イベント後に実際に参加者が行動に移せるようにしたかったという思いがあります。

この防災メモは既存の製品を参考に、日英併記かつ必要最低限の情報が見られるよう、かなり気合を入れて作成しました。(笑)

イベントを終えて

先述したとおり、参加者の皆さんにはこのイベントを通して学んだことを実践まで繋げてほしいという思いがありました。

イベント後のアンケートに「今後防災のために何を取り組みたいですか?What would you like to do for disaster prevention in the future? 」という設問を設けたところ、ほぼ全員が「避難所を調べる」「防災グッズを買う」などの具体的な行動を書いてくださり、ひとまずイベントの目的は達成できたと思います。イベントに込めた思いが実現するときは、SSL(学生スタッフリーダー)として最もやりがいを感じる瞬間です。

本イベントは、ICC でSSLとして働く私にとって卒業前最後の個人企画であり、非常に思い入れの強いイベントとなりました。この防災イベントは地震のニュースを見た時から絶対にやりたいと思っていたので、無事に開催できて嬉しく思います。改めまして、本イベントにご協力いただいたそなエリア東京のみなさま、ICCの職員・スタッフに感謝申し上げます。

最後に、当日お越しいただいた皆様、本当にありがとうございました!

地震が起きないのが一番ですが、今後「もしも」があった時、今回のイベントが皆さんのお役に立てたら幸いです。

(photo by ICC)

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/icc/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる