Waseda University Intercultural Communication Center (ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

英語はツールの1つでしかない(前編)純ジャパ×英語学習 “英語学習で私が得たこと” #1

純ジャパ×英語学習の企画は、「純ジャパ」の方で英語学習に力を入れている方にインタビューを行い、その中で経験したことや感じたことをシェアすることが目的です。この企画をきっかけに、少しでも英語学習のモチベーションが上がるきっかけにしてもらえれば嬉しいです。

***

連載のトップバッターとして社会科学部4年生の田村禅さんに、ICC学生スタッフリーダー(SSL)のりくがお話を伺いました。

ゲストプロフィール

田村禅 (たむら ぜん)さん
社会科学部4年
高校2年生の時に英検準1級を取得
大学入学後、TOEIC945点、TOEFL iBT97点を記録
2022年2月よりシドニー大学へ留学、マーケティングとジェンダースタディの授業を履修中

左:りく(聞き手) 右:田村禅さん(images by ICC)

  • では、早速ですが田村さんが英語学習を頑張ろうと思ったきっかけを教えてください。

田村さん:一番のきっかけは高校生の夏休みに行った2週間のアメリカの短期留学での経験です。もともと海外の文化や言語に興味があったこともあり、アルバイトで貯めたお金で高校2年の夏休みに短期留学をすることに決めました。

現地ではホームステイをし、日中は語学学校に通ったのですが、自分の言いたいことが英語で何も出てこなくてとても苦労しました。学校でも、世界中から英語を学びにきている生徒と友達になったのですが、深い話が何もできず、とても悔しかったのを覚えています。そうした苦労や悔しさから英語学習のモチベーションが上がりました

 

  • 短期留学が英語学習のきっかけになったとのことですが、その際に何か具体的な目標は決まっていましたか?

田村さん:その時は漠然ともう一度留学がしたい。長期で留学に行きたいと考えていました。というのも海外の自由でのびのびとした雰囲気や学生の授業への積極的な姿勢に魅力を感じたからです。その後大学受験が近づいてきた頃に、日本の大学に一度入り、交換留学プログラムを使うことを選択肢の一つとして考え始めました。その中で、早稲田大学は海外派遣協定校が多く、国際的な雰囲気もあることから進学することにしました。

 

  • 話が少し戻るのですが、高校時代に英語学習を本格的に始めたときに感じていたことがあれば教えてください。

田村さん:最初は全く英語力の伸びが感じられず苦しい思いをしました。いくら勉強しても英語を話せるわけでもなく、英語を聞き取れるわけでもなく…すぐに伸びないのが英語学習であるとこの時に痛感しました。この頃は大学受験が近かったこともあり、日本の大学受験のための英語の勉強をしていました。もちろんリーディングの力は大学入試にむけての勉強により伸びたと感じていますが、自分の中で漠然と描いていた「英語をペラペラに話せる自分」(スピーキング力やリスニング力が中心)には近づくことはできていませんでした。「受験英語や日本の教育で学ぶ英語」と「現地で使いこなせる英語」には大きなギャップがあると感じ、英語学習へのモチベーションがあまり上がらなかったことを覚えています。

 

  • 自主性が問われる語学学習はいまいち本気になれない、という方を私の周りで多く見かけますが、田村さんはどうモチベーションを保ち語学学習に取り組まれてきましたか?

田村さん:例えば1つ目は、YouTubeで好きな海外YouTuberのvlogや、旅行動画、料理動画など、なんでもいいのですが、英語の動画を暇な時に毎日見ていました。YouTubeは「見ないと」という義務感よりも「暇だし見よう、通学中見よう、面白そうだし見よう」というようにすごく軽い気持ちで見ていました。最初は何言っているのか全くわからなかったのですが、苦痛ではないし楽しいのでほぼ毎日見続けることができました。ネイティブのリアルな会話の中でのセリフなどを聞けることができるため、真の英語を学べる良い学習方法だと思います。実際、YouTubeを通して自然と耳が英語に慣れてきたのを今でこそ感じています。勉強している感覚は全くなかったので「英語学習」へのモチベーションが上がらない人にもおすすめです。

2つ目は、資格試験をたくさん受けたことです。TOEFLやTOEICなどの試験をあらかじめ予約してしまい、その試験に向けて英語を勉強した習慣はよかったです。お金はやはり少々かかりますが、お金を払ってしまっているというプレッシャーと、あとは明確なゴールがあるためモチベーションを保ちやすかったです。何も目標がなく闇雲に勉強をしているよりも「資格のスコア」といった明確なゴールがある方がモチベーションにつながりやすいです。さらに、TOEFLは留学のため、TOEICは就職活動のため、など英語力向上の他にも目標や目的が見えたので取り組みやすかったです。

3つ目は、英語で開講されている授業をとって英語「で」学ぶようにしていたことです。早稲田には英語で開講されている授業が本当にたくさんあります。英語を使ってアカデミックな内容を学んだため、英語自体を勉強している感覚は全くなかったです。英語力向上のためだけの勉強をするよりも英語力が結果として伸びたと感じています。純ジャパとしてすごくチャレンジングな経験でしたが、多くの刺激、発見、失敗があり、その分だけ自分自身の成長につながりました。英語で行われる授業ではとにかく周りの留学生や帰国生などからたくさん吸収し、たくさん真似をしました。ディスカッションではこういったフレーズが使えるのか、プレゼンはこのように作成するのが良いのかなど、とにかく新しい発見を自分のものにすることを心がけていました。

 

  • 私自身、英語学位プログラムの授業を履修するのに勇気がでないのですが、田村さんは実際に授業を履修してみてどうでしたか?

田村さん:コロナの前は留学生が多く、私が最初に履修した科目は9割が留学生や帰国生でした。純ジャパは1人2人くらいだったと思います。その時は、教授が何を言っているのかわからないし、何についてディスカッションすればいいのかもわからないような状況でした。

1年の1学期に取った英語学位プログラムの授業でいきなりグループを組んで、グループプレゼンをするという機会がありました。当時は入学したてでしたし、英語にもあまり自信が無い状態でした。ただ、チームのメンバーたちは私が英語ができないのを気にせずに接してくれて、わからないところがあれば全力でサポートしてくれました。怖がっていた自分がバカバカしくなるほどあたたかい環境でした。

実は最初にとった英語プログラムの授業は自分で進んで履修したというよりは、仕方なく履修したものでした。私が入学した頃は、社会科学部では入学時に英語のクラス分けテストを受けて、その点数が一定以上ある場合は、通常の必修英語の代わりに英語学位プログラムの授業などから履修する必要があるというものでした。このような状況に置かれていなかったら、自分から英語学位プログラムの授業を履修することはしていなかったと思うので、半強制的に履修することになったのは良かったのかなと思います。結果として、少人数でアクティブに 、そして刺激的な英語学位プログラムの授業を好きになり、その後は自分から進んで履修するようになりました。

 

  • 他に早稲田大学の授業で語学の授業は多くありますが、何かおすすめがあれば教えてください。

田村さん:GECのACADEMIC Writing and discussion in Englishは英語でエッセイを書く基礎やディスカッションを英語で行う授業です。すごく基礎から丁寧に教えてくれるので少し英語に自信がない人にもおすすめの授業だと思います。

あとは、自分は社会科学部英語学位プログラム(TAISI)の授業をとっていました。履修できるかは学部によるのかもしれませんが、英語学位プログラムの授業をとってみるのも良いチャレンジだと思います。花光里香先生の、異文化理解や日本の文化・コミュニケーションのあり方に関しての授業はすごくインターアクティブな形式で楽しく学べるので履修する機会があればぜひお勧めしたいです。

インタビュー中の様子(image by ICC)

***

前編は以上になります。後編では純ジャパとして英語学習を進めていくうえで感じたことや英語力が上がったことで、どんな新しい世界が広がったのかについて、また田村さんのシドニーでの生活風景についても聞きます。

後編はこちら

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/icc/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる