Institute for Advanced Social Sciences早稲田大学 先端社会科学研究所

About the Institute

研究所について

From the Director

ごあいさつ

所長あいさつ

所長  鷲津 明由

今社会科学には、多くのことが求められています。たとえば、グローバルに拡大する社会的格差や差別の問題に対する解決策、あるいは急がれるべき気候変動緩和策や避けられない温暖化への適応策を見出すためには、社会科学の理論に基づいて冷静に社会の状況を分析することが必要です。また、進化し続ける情報通信技術(ICT)がビジネススタイルやライフスタイルを根底から変革する(デジタルトランスフォーメーション(DX)が起こる)とされる中で、われわれの社会のあるべき姿とは何かが改めて問われており、社会科学はその問いに答える必要があります。

そのような中で先端社会科学研究所は、社会科学の境界領域の融合深化(学際性)、社会と実践的に関わる研究活動(臨床性)、国際社会を見据えたグローバルな視野(国際性)をモットーとして、全ての分野の社会科学の叡智を集めた研究の蓄積、成果の発信を通じ、その役割を果たしていくことを目指しています。先端社会科学研究所は、2016年3月に創設され、学術院に属する研究所(附置研究所)としては、早稲田大学で最も新しい研究組織です。その若さと駆動性を生かし、私たちは今まさに社会科学が向き合うべきもっとも重要で魅力的な問題に取り組んでいます。

グローバルイシュー部門では、近世以降のヨーロッパにおける社会科学の形成プロセスを哲学、歴史学、思想史学の共同で探ったり、環境問題の主に経済学的側面解決のための処方箋を関連科学と共同して考察したり、コンピュータ・プラットフォーム上で様々な分野のデータサイエンスを共同させたり、政治的な意思決定プロセスの仕組みを実証分析したりしています。ソーシャルデザイン部門では、社会全体またはコミュニティレベルの様々な変容に対する対応策について実践的に考察したり、社会的差別を排除するための法制度体系や、個人情報を保護しつつ公益を得るためのデータ利用や研究倫理体制の構築について考察したりしています。また現代日本学研究部門では、日本の歴史・文化研究をアジア全体の視点から問い直す研究をしています。社会科学総合研究部門では、ともすれば専門分化に陥りやすい研究を総合化する役割を担っています。

これからも、その時々に最も必要とされる社会科学的課題に対して学際的、臨床的、国際的に、先端を切って取り組み、社会に貢献するとともに、次世代を担う優秀な人材を世界に送り出す拠点となることを目指してまいります。

副所長あいさつ

副所長       吉田  敬

日本政治思想史家である丸山眞男はかつて「思想のあり方について」において、ヨーロッパの学問のあり方と日本の学問のあり方を比較して、前者がササラ型であるのに対して、後者はタコツボ型であると論じました。この主張によって丸山が疑問を投げかけたのは、専門化された形でヨーロッパの学問を受け入れなければならなかった日本の社会科学のあり方です。少し考えてみれば、社会科学が研究対象とし、解決すべき問題は学問分野の境界を越えて生じることに気がつきます。その意味で、社会科学は総合性と学際性を求めざるをえません。

社会科学総合学術院の附置研究所である先端社会科学研究所は、社会科学の「総合化」、「学際化」、そして「臨床化」という 3 つの理念に基づき、「従来の学問パラダイムの上では解決できない 21 世紀グローバル社会の様々な難問を解決する道筋を指し示す」ことを課題とし、研究活動を行なっています。

これまで本研究所を構成してきたのは、グローバルイシュー研究部門、ソーシャルデザイン研究部門、現代日本学研究部門、そして社会科学総合研究部門の 4 部門ですが、それに加えて、重点領域研究部門としてカーボンニュートラル研究部門とグローバルアジア研究部門の 2 部門を新たに設置し、活動を展開しています。カーボンニュートラル研究部門においては、カーボンニュートラル社会の実現のために、社会科学の立場から貢献することを目指しています。また、グローバルアジア研究部門においては、政治、経済、宗教、文化と実に多様なアジア地域の歴史的和解と持続可能な開発を学際的に研究し、その成果を世界に発信することを目的としています。

こうした活動は研究所に所属する兼任研究所員や招聘研究員によってのみ行われるものではなく、本学術院の大学院である社会科学研究科に所属する大学院生にも積極的な参加を促し、研究科の基本理念である「社会科学の総合的・学際的な研究・教育」、「社会人への高等教育の開放」、「研究者と実務家の養成」にも資することを意図しています。

以上のような課題・理念を旨とし、附置研究所として今後も研究・教育に邁進してまいります。

 

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