「アジアにおけるdevelopment概念の比較社会学研究」
概要
本研究は、アジアにおけるdevelopmentに関する社会学研究の動向を比較・考察することを目的とする国際共同研究である。developmentという語は、日本語においては「開発」あるいは「発展」と訳されることが多いが、途上国においては「近代化」と同義であることも多い。
第二次大戦後、経済成長を希求するアジア各国においては、しばしば「開発独裁」と呼ばれる開発主義政権によって、さまざまな形でdevelopmentが目指されたが、こうした政治経済動向を目前にして、社会学研究者たちはどのような切り口で、どのような概念や理論を用いながら現状分析をおこない、そして政策提言をしていったのか。各国における社会学という学問の成り立ちや制度化の状況を踏まえながら、各国の異同を検討・分析していく。ここにおいては、欧米発のdevelopment概念や理論とは異なる、ローカルな概念や分析枠組みがいかに用いられたのかといった点にも注意を払い、各国・地域の文脈からdevelopmentを捉え直していきたい。
構成メンバー
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代表者:浜本篤史(早稲田大学 社会科学総合学術院 教授)
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招聘研究員:洪徳和(韓国:忠北大学 社会学科 助教授)、金銀惠(韓国:釜山大学 社会学科 助教授)、李国慶(中国:中央民族大学 民族学・社会学学院教授)、松薗祐子(淑徳大学 国際社会福祉研究所 ビジティングリサーチャー)、吉田舞(日本学術振興会 特別研究員RPD)、レスリー・ロペス(フィリピン:アテネオ・デ・マニラ大学 Assistant Professor)、佐藤裕(都留文科大学 文学部比較文化学科 教授)、佐野麻由子(福岡県立大学 人間社会学部 教授)、ニルマラ・ラナシンハ(奈良県立大学 地域創造学部・准教授)
設置期間
2022年1月1日~2023年3月31日
IASS研究プロジェクト一覧
研究費種目 |
代表者名 |
分担者名 |
課題名 |
年度 |
科研費基盤C |
浜本 篤史 |
— |
中国・三峡ダムにともなう住民移転と生活再建――追跡調査にもとづく社会学研究 |
完了 |
科研費基盤C |
浜本 篤史 |
— |
公共事業の補償と利益還流――日本におけるダム事業の社会的影響を可視化する |
完了 |
科科研
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佐藤寛(アジア経済研究所) |
浜本篤史、佐藤裕 (都留文科大学)、佐野麻由子 (福岡県立大学)、吉田舞(日本学術振興会) |
アジアにとっての近代化の意味~開発と近代化を巡る世界観の異相を解き明かす |
完了 |