Frontier of Embodiment Informatics: ICT and Robotics, Top Global University Project早稲田大学 ICT・ロボット工学拠点

海外派遣学生

水名 京
Miyako MIZUNA

基幹理工学研究科 修士1年 水名 京 Miyako MIZUNA

  • 派遣期間:2022年8月~10月
  • 派遣先大学:シェフィールド大学
  • 派遣先国・地域名:イギリス

 

海外派遣を希望した理由

機械科学・航空宇宙学科を選択したのは中学2年生の頃初めて飛行機に乗ったことから航空宇宙分野に興味を持ったことがきっかけでした。また、最先端の宇宙開発に魅力を感じ学部2年次の秋からアメリカのカリフォルニア大学デービス校へ留学していました。1年間滞在予定でしたが、新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で渡航から半年後に留学を中断し、日本へ帰国しました。アメリカでの生活にも慣れ、春クオーターからより興味のある授業を多く取る予定での出来事でした。それ以来、初めての海外滞在が志半ばで終わってしまったことが気にかかっており、また機会があれば留学へ行きたいと考えていました。その後、岩瀬研究室に配属されてからSGUの海外学生派遣プログラムを知りました。社会人になる前にもう一度留学へ行ける良い機会だと思い、今回海外派遣を希望しました。

 

現地での研究内容・成果

University of SheffieldのDepartment of Automatic Control and Systems Engineeringに研究室を持つDr Shuhei Miyashitaの元で、磁界印加の駆動により把持を行う自己折り畳み折り紙ロボットの製作の研究していました。渡航前に折り線と切り線のパターンを工夫し、形状変化するデザインを考えました。そして渡航後にそのデザインを適用し、実際に銅シートを用いた折り紙ロボットとして作りあげました。構造に組み込んだ熱収縮フィルムにより構造全体が折り線・切り線に従って折れあがる、自己折り畳みを実現しました。また、磁界の変化により変形具合を調整し対象物を把持することに成功しました。これらの研究内容をまとめ、現在ジャーナルへの投稿を目指し論文執筆中です。

 

学校環境

研究室は平日朝8時半から夕方6時までのみ開いており、PhDの学生に面倒を見てもらいながら実験をしていました。日本にいた時は研究室にコアタイムが無く好きな時間に作業することができたので、最初は決まった時間に集中して効率的に作業をすることに慣れるのが大変でした。 同じ折り紙関連の研究をしている学生2人だけでなく、周りの学生たちに助けてもらい研究を進めることができました。研究室のメンバーはとても仲が良くランチはいつも研究室の階下で各自お昼を持ち寄り一緒に食べていました。たまに、お菓子を作ってきてくれる学生もいて、渡航後誕生日だった私のためにバースデーケーキを作ってくれたのはとても嬉しかったです。

宮下研究室メンバーのグループ写真

 

国際交流

平日作業終わりに研究室のメンバーと夕ご飯を食べに行ったり、修士の学生とLeedsに観光へ行ったりしました。また、修士の学生が卒業前のプレゼンを終えた後、お祝いのために20人程度でレストランに行ったのは良い思い出です。帰国前には研究室メンバーとYorkのクリスマスマーケットへ行き、半日程度皆と観光を楽しみました。研究室のメンバーは英国人・中国人・フランス人・イタリア人・トルコ人・エジプト人などとても国際色豊かだったので、価値観や文化の違いが興味深かったです。

修士学生のお祝い

 

住居環境

Sheffieldの大通り近くの大学から徒歩で15分ほどにあるシェアハウスに3か月間滞在しました。治安も悪くなく、ハウスメイトも優しい方ばかりで特に問題なく過ごすことができました。帰宅後キッチンで修士やポスドクの学生、仕事をしている社会人の方と1日あったこと等を話し、お互いの労をねぎらったのは良い息抜きになっていました。また、シェアハウスは3階建てでプライベートルームが合計7部屋ある建物で、毎週1人程度は新しい方が引っ越してくる状況でした。そのため,様々なバックグラウンドを持った多国籍のハウスメイトと会話するのはとても面白かったです。私が日本人だとわかると、多くのハウスメイトは、好きな日本の漫画やアニメの話を楽しそうに語ってくれました。遠い国でも日本の文化が伝わっていることが嬉しく、また誇らしく思いました。

住んでいたシェアハウス

 

周辺環境

Sheffieldはイギリスの中でも比較的大きな都市で、市の中心部はショッピングモールが並び賑やかでした。建物はレンガ作りの歴史のあるものが多く、街並みがとても綺麗でした。大通りには日本料理・メキシコ料理・中国料理・インド料理等の色々な国のレストランがありました。路面電車やバスもあり、Sheffield駅から電車で他の都市への移動も問題なくできたので交通の便は良かったです。中心部の市場では肉類や魚介類だけでなく、ケーキやお菓子、クラフト雑貨などがあり行く度に元気になりました。Sheffield大聖堂はステンドグラスがとても美しく、荘厳な雰囲気の中で天井を見上げているだけでとても心が落ち着きました。小さな公園ではリスをよく見かけたり、自然にも触れ、リラックスできました。近代的なエリアと古き良きエリアが混在する過ごしやすい地域でした。

 

現地の文化など日本との違い

日本との違いで特に印象に残っているのは食事と気候、生活スタイルです。イギリスでの食事はメインがサンドイッチ等のパンばかりだったので、日本の麺類や白米が恋しくなることもありました。口に合う料理を見つけるのは大変でしたが、市場で購入したお肉のフィリングが入ったパイやスコーン、フィッシュアンドチップスは美味しかったです。また気候に関しては、天気は曇りでよく小雨が降るため、どんよりとした空模様に引きずられずにメンタルを保つのが大変でした。8月末から滞在していたこともあり、緯度の高さから日の出ている時間が短かったです。最後に生活スタイルについてですが、短時間集中型で効率的な生活に驚きました。人権を重視しているからか、研究室の作業できる時間が決まっていたり、スーパー等も週末は営業時間が短いなど、どんな人もメリハリのついた生活を送っているのだと感じました。平日効率的に作業して週末はしっかり休むスケジュールが新鮮で興味深かったです。

 

海外派遣を経て今後の目標

今回は研究メインで3か月滞在しましたが、研究成果だけでなく異なった生活スタイルや考え方等様々なことを学びました。違うバックグラウンドを持った人々と交流することで今まで気づかなかった自分の意見や価値観を意識することができ、自己理解が深まったと感じています。拙い英語でも必死に話しかけることで、周りの方々は真摯に自分に向き合ってくれたので、配慮しつつも遠慮せずに意思表示をすることの大切さを学びました。それでも言語の壁により生じる誤解でとても苦労したので、これからも語学学習は継続していこうと考えています。

自分の許容範囲を踏まえつつさらにレベルアップするために、研究に励んでいきたいと思います。また海外で働くという目標を実現するために、今後は外資系のメーカーに就職するか、海外出張等で現地の方々と協力して仕事を行い、航空宇宙分野で社会に貢献していきたいと思います。

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