Global Japanese StudiesWaseda University

Student Report

池田泉 文学研究科 美術史学コース

The Tadashi Yanai Initiative for Globalizing Japanese Humanities

UCLA-Wasedaリサーチ・フェローシップ・プログラム 報告書

文学研究科美術史学コース博士後期課程3年 池田泉

2023年9月21日から12月23日にかけて、UCLA-Wasedaリサーチ・フェローシップ・プログラムの派遣生として、UCLAのAsian Languages and Cultures (ALC)学科にVisiting Graduate Researcher (VGR) として滞在した。

上記の通り受入先機関はALCだが、私の専門は美術史学であるため、滞在中は美術史学科のゼミや講義に参加した。特に日本美術史のKristopher Kersey先生が「江戸」をテーマとするゼミを開講しており、それが私の関心と重なっていたことは大変幸運だった。毎週の課題文献として提示された日本美術・文化研究の書籍・論文からは、欧米圏での研究の歴史、研究視点や方法、注目されている研究対象など、多層的な学びを得た。ゼミには日本や中国など東アジア美術を専門とする学生だけでなく、ヨーロッパやラテンアメリカなど様々な地域・時代の美術を学ぶ大学院生が集まり、毎回興味深い議論が展開され、大きな刺激を受けた。

UCLAでは授業以外にもいくつかのイベントに参加させていただき、そこでは学内外の学生・研究者と知り合うことができた。具体的にはYanai Initiativeが主催する講演会や、UCLA美術史学科の学生による学会、UCLAで開催されたOpen Edoというシンポジウムなどである。特にOpen Edoシンポジウムは、それに伴ってUCLA図書館の貴重書・古典籍コレクションの展示があり、その一部の作品選定や解説執筆を行った。展示の見学中には、世界各国で活躍する日本美術・文化研究者たちと資料について議論を交わすことができた。

これらのほか、研究の一環として資料の閲覧・調査を積極的に行った。まず、大学図書館が所蔵する資料を、図書館員のBialock 知子さん、研究員Jesse Drianさんとともに閲覧・撮影を行った。彼らと貴重な資料を拝見した時間は、何事にも代えがたい経験となった。またその中には日本では未紹介のものを複数点確認することができた。そのほか、ロサンゼルス・カウンティ美術館、サンフランシスコ・アジア美術館、UCバークレー校美術館では専門とする日本近世絵画作品を特別観覧させていただいた。自身の研究に関わる作品を直接観察することで、デジタル画像からは得られなかった情報をたくさん得ることができた。加えて所蔵館の学芸員ら、そして調査に同行したUCLAの学生らからも貴重な意見を多くいただいたことで、またとない学びの機会となった。

素晴らしい先生方と学友に恵まれ、多くの方々の厚いサポートがあって、このように充実した三ヶ月を送ることができた。皆様に深く感謝しつつ、この経験を今後の研究活動の糧にしたい。

back

Page Top
WASEDA University

Sorry!
The Waseda University official website
<<https://www.waseda.jp/flas/gjs/en>> doesn't support your system.

Please update to the newest version of your browser and try again.

Continue

Suporrted Browser

Close