Waseda University Intercultural Communication Center (ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

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明日にも繋がる絆

ko-shin-profile文学研究科 教育コース
胡 晨(こ しん)

2014年8月4日の朝、スーツケースを引っ張って大隈講堂に向う自分は、正直不安ばかりでした。これから3日間、日本人と韓国人の学生と一緒に軽井沢のセミナーハウスで行うキャンプです。楽しいだろうけど、知り合いが一人もいなくて本当に大丈夫かと、ドキドキしながら駅から大隈講堂までの道をいつもより長く感じました。

チームメンバーさがし

チームメンバーさがし

もうひとつ、私を不安にさせていた原因がありました。私は大学院で異文化交流の研究をしているのですが、正直なところ、大学の異文化交流のイベントやプログラムのなかで友だち作りなんて無理だろうと、諦めていたのです。「卒業する前に、大学のセミナーハウスに行ってみたいなあ~」という軽い気持ちで参加を決めてしまった「ICC日中韓ホンネ交流キャンプ」でした。

大隈講堂に着いたら、話で盛り上がっている学生たちはあっちこっちにいて、どうやらみんな友だちと一緒に来ているようで、一層不安が募りました。ちょうどその時、斜めの方向に立っていた女の子は、私に手を振ってくれました。そこの3、4人のグループに入って話をしてみたら、友だちどころか、みんな初対面でした。心のどこか、フッと軽くなりました。

「ホンネ交流」というキャンプの名前から分かるように、この企画には、「今まで本音で話せなかったことも、話しましょう」というICCの目標があります。最初は、日中韓の3カ国なら、やはり難しいなあと思いました。おそらく自分だけでなく、多くの参加者たちもそれほど期待していなかったでしょう。このような疑いを持ちながら、軽井沢行のバスで隣席の人と会話を始めました。周りも、笑い声で賑やかでした。

中国式ラジオ体操

中国式ラジオ体操

初軽井沢の学生が多くて、目的地に着いたらみんなが興奮し始めました。この興奮のなかで、アクティビティが始まり、最初の「隣の隣ゲーム」というアイスブレークから、最後の「アイランドゲトーク」という本音ディスカッションまで、とても充実な2泊3日でした。参加者の名前を覚え、レクリエーションを通して緊張が崩れ、交流を重ねて信頼や尊重の意識が生まれ、自由時間でサッカーやバレーボールを楽しみ、最終日の夜には歴史や領土などデリケートな問題のディスカッションを行いました。少しずつ、何か「壁」のようなものを破っていて、一歩一歩前に進んでいるように感じました。ゼロからの友だち作りとは何か、国の代表ではなく個人として表現するとは何か、ただ楽しいだけでなく、色々深く考えさせられました。

「百聞は一見しかず」と言いますが、私の紹介や感想だけだと限界があります。最初の不安は誰でも一緒ですから、このレポートを読んでくださっている皆さんも、ぜひ参加してみてください。キャンプを体験すれば分かります。ここでは、皆さんがこれまで体験してきたものとは違うものをもらうことができるはずです。

ホンネ・ディスカッションのテーマ

ホンネ・ディスカッションのテーマ

軽い気持ちで参加したキャンプでしたが、想像を超える感動をいただきました。本当に沢山の思い出ができました。それは、今日、その日限りの「楽しかった」だけでなく、明日にも繋がる絆です。このキャンプで築いた未来志向の関係を大切に、多くの参加者たちはキャンプ後も会い続け、勉強会などの活動をしています。

私たちの「ホンネ交流」は、ここからが本番です。少しずつやっていけば世界を変えられるとは言えません。しかし、私と同じ方向に一緒に進んでくれる仲間がいます。どこまで行けるのか分からないが、大きな安心感を持っています。今振り返って思うと、あの時軽い気持ちでキャンプに申し込んで、本当によかったです。

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