「LGBT学生センターを早稲田につくる」ことを目標にダイバーシティ早稲田というサークルを運営しています。4年生になっても活動を続けている一番の理由は、メンバーといるとすごく居心地がいいっていうことがあります。皆がone of themなんですよね。例えば、私は自分をシスジェンダー(心と身体の性が一致している)と思っています。そのことを誰かに強制されているんじゃない、と明言することができる。色んな人が居て、色んな生き方があるって知った上で、今の自分を選んでいると感じることができるんです。自分と違うあり方を怖いと思う人もいるとは思いますが、私はむしろ解放されたと感じています。
そうは言っても、私も怖かったんです。今、LGBTのことはすごく話題になりやすいですよね。そんな中でLGBTを名乗る気のない私が「LGBT」を掲げてサークルをやっているんです。ムーブメントに乗っかって良いカッコしたいだけだと思われるんじゃないかと思うと、すごく怖かった。実際には誰もそんなこと言わなかったんですけど、後ろ暗いような気持ちはなかなか消えませんでした。
結局私も自分自身を救うためにやっているんですよね。さっき言ったように、私にとってアライであることというのは、「自分と違う人を認めることで、自分を認めること」です。すごく回りくどく迂回して自分を助けているんです。そうしないと、私はなんとなく息苦しさを感じてしまう。そして、その息苦しさはLGBT当事者と連帯していると少し楽になるんです。理由はうまく説明できないんですけど、こういう感覚は他のマイノリティ問題にコミットしても多分得られないと思います。
もちろん大事なのは一人ひとりの当事者の気持ちです。アライは脇役ですから、独りよがりにならないようにちゃんと耳を澄まさなくてはいけない。当事者の気持ちを尊重しつつ、同時にある意味で「自助」活動なんだっていうことを忘れないようにする。そうすれば、押し付けがましくなく、独りよがりになることもなく、息の長い活動を続けられる気がしています。
政治経済学部4年
ダイバーシティ早稲田
程島 彩佳