Waseda University Intercultural Communication Center (ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

教育学部卒業 あや

「えー、彼女いるの?いいな~!うちの職場にもかわいい新卒の子、来ないかなー!」
ポップなスタンプと共に友達が冗談を飛ばす。もう20年の仲になる友達だ。
幼稚園から知っている子と恋話をするのは気恥ずかしいし怖い。小学校中学校の9年間一緒に登校して、今でも徒歩10分の場所に住んでいるのに、お互い23歳になるまで一切そんな話はしなかった。おかげで向こうも私に彼女がいるのを知らなかったし、その子の恋愛のスタンスも初耳だった。どうやら気が合えば性別は気にしないらしい。へえ。へーえ!

こういうことを言われたら、そうなんだーと軽く返したい。なんにも気にしていませんよって自然な体で。でも実際はそううまくいかない。
そうなの!?私も!今までどんな人好きになった?誰かとつきあったことある?とテンション高く問い詰めたくなるし、同時に今まで自分がそういう告白をした時の周囲のリアクションがいいものも悪いものもごちゃ混ぜに脳裏に蘇り、一瞬気が遠くなる。気にしませんどころか気にしまくっている。ものすごくかっこ悪い。悔しいけれど、自分が当事者だからって、人の告白を心平らかに受け止められるとは限らない。私はまだまだ修行不足だ。

それでもラインの画面を見ていると、昔よりは成長したんだと実感が湧いてくる。同じ幼稚園のスモッグを着ていた子に、自分の恋話なんて昔はとてもできなかった。漫画や部活やテストの話をするみたいに好きな子の話をするのは、思っていたよりもずっと楽しい。画面には次々吹き出しが現れる。友達もすごく楽しそうだ。今までずっと恥ずかしかったし怖かったけど、そんなふうに思う必要はなかったんだ。たまには恋話も悪くない。嘘がない恋話は極上だ。

 

教育学部卒業 あや

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