Top runners’ lecture collections: ヒトNav1.2チャネルおよびニューロンネットワークにおけるジベンザゼピン系抗てんかん発作薬の電気生理学的特性の系統的評価(9/30)
主 旨
我々の研究室は薬剤耐性てんかんに対する新規治療薬の開発を目指している. そのためには薬の効果を正しく評価する必要がある. そこでパッチクランプとMEA (Multi-Electrode Array: 多電極アレイ)記録を用いた抗てんかん発作薬の電気生理学的特性の評価を紹介する.
電位依存性Naチャネルは, てんかん治療の重要なターゲットである. 構造的に類似するカルバマゼピン(CBZ|), オクスカルバゼピン(OXC), エスリカルバゼピン酢酸塩(ESL), エスリカルバゼピン(S-Lic)といったジベンザゼピン系抗てんかん発作薬は同様の効果をもたらすことが想定される. しかしながら, それらを系統的に同一条件下で比較検討した研究は少ない. そこでヒトNav1.2を安定発現させたHEK細胞をパッチクランプして, ジベンザゼピン系抗てんかん発作薬の薬理学的特性を比較検討した. 次にMEA を用いて, 皮質の初代神経細胞(ニューロン)のネットワーク形成を評価し, 構築されたニューロンネットワークに対する薬の効果を同様に比較検討した.
最後に, ボン大学の研究環境や研究生活に触れ, インターネットが普及しグローバル化が進む中でドイツに研究留学する意義について演者の考えを紹介する.
てんかん研究に興味のある方, 創薬(てんかん治療薬開発)に興味のある方, ドイツ(ヨーロッパ)に興味のある方, 将来海外留学(ドイツ留学)を考えている方, などお気軽にご参加ください.
プログラム
13:00~14:00 講演会
登壇者
荒木邦彦(医学博士)
ドイツ ボン大学医学部 IEECR (Prof. Heinz Beck) ポスドク研究員。薬剤耐性てんかんに対する新規治療薬の開発の過程において、薬剤効果の適正評価方法の確立に取り組む。J Cell Biol, Nat Commun等にて関連論文執筆多数。平成25年日本てんかん学会Sponsor Award賞, 平成27年日本てんかん学会JES Prize, 令和元年, 名大内科学研究奨励賞, 令和元年, 日本神経学会海外派遣プログラム他等受賞。
日 時
2025年9月30日(火)
開始・終了時間:調整中
会 場
調整中
対 象
学部生、大学院生、教員、研究者
言 語
日本語
主 催
早稲田大学 高等研究所
企 画
西田奈央(講師、早稲田大学高等研究所)
申込み
事前登録不要