高等研究所セミナーシリーズ
【ポスト・コロナ時代のグローバル・ヒストリー研究】公開講演会:
「幕末日本と近代海軍―建設、実動、遺産―」(9/21)
趣旨
19世紀後半に日本が経験した「西洋の衝撃」への反応として取り組まれた軍事力の近代化において、当初最も重視されたのが沿岸防備能力の向上であった(海防論)。海岸砲台(台場)の築造に始まる海防政策はやがて洋式軍艦の導入へと転換し、幕末期に近代海軍の建設が開始される。本講演ではそのなかでも江戸幕府が創設した海軍組織、いわゆる幕府海軍を例に、近世と近代の連続性という観点から海軍力の形成過程、運用の実態、幕府海軍が明治海軍に残した遺産について論じ、併せて幕末海軍研究の現状と課題についても紹介する。
登壇者
講演者:
金澤裕之 (防衛大学校防衛学教育学群 准教授)
1977年東京都生まれ。専門は幕末史。2014年、防衛大学校総合安全保障研究科後期課程修了、博士(安全保障学)。防衛研究所戦史研究センター所員、防衛省海上幕僚監部基地対策班員などを経て、現在、防衛大学校防衛学教育学群准教授(2等海佐)、慶應義塾福澤研究センター客員所員、江差町教育委員会開陽丸遺跡・引揚遺物保存活用検討委員会委員。単著に『幕府海軍の興亡:幕末期における日本の近代海軍建設』(慶應義塾大学出版会、2017年)、『幕府海軍:ペリー来航から五稜郭まで』(中公新書、2023年)、共著に『維新の政治変革と思想:一八六二~一八九五』(ミネルヴァ書房、2022年)などがある。
コメンテーター:
小暮実徳 (順天堂大学国際教養学部 先任准教授)
専門はオランダ外交史・日蘭交渉史で、特に「幕末期のオランダ対日外交政策」。2008年、ライデン大学人文学博士号取得。2009年明治大学兼任講師、2012年天理大学准教授を経て、2022年より順天堂大学国際教養学部先任准教授。著書に『幕末期のオランダ対日外交政策-「国家的名声と実益」への挑戦』(彩流社、2015年)、『東西海上交流の起源-オランダと海国日本の黎明』(彩流社、2017年)、翻訳書にファン・デル・シェイス著『シェイス オランダ日本開国論』新異国叢書第III輯・第9巻(雄松堂、2004年)などがある。
日 時
2024年9月21日(土)14:00~17:30
会場
会場参加またはオンライン(Zoom)での参加
会場:戸山キャンパス33号館16階第10会議室(先着15名)
オンライン(Zoom)参加:後日参加用URLをお送りします。
プログラム
14:00~14:10 開会挨拶(谷口眞子)
14:10~15:10 講演:
「幕末日本と近代海軍―建設、実動、遺産―」(金澤裕之)
15:10~15:30 休憩
15:30~15:50 コメント(小暮実徳)
15:50~17:30 討論
閉会挨拶(谷口眞子)
司 会
谷口眞子(早稲田大学文学学術院 教授)
対 象
教員、研究者、一般
主 催
早稲田大学 高等研究所
申込み
要事前登録 ※9/19日(木)午後5時 締め切り
※申し込みは締め切らせていただきました。