高等研究所「人新世と人文学」セミナーシリーズ(第7回)公開講演会
「Analyzing Archipelagos in the Work of Ishimure Michiko」(11/5)
趣旨説明
このセミナーシリーズは、2021年10月より活動開始した、早稲田大学高等研究所「人新世と人文学」プロジェクトの一環として実施するものです。人新世の概念を共有した領域横断的な対話の場を設けることで、細分化された専門知を連結し、人文学の新たな可能性を拓くことを試みます。
第7回は、石牟礼道子の作品における「列島」の役割を分析するためのアプローチについて提案します。「日本列島」という広範な島の連鎖において、石牟礼の作品における特定の島海の宇宙観をどのように分析すべきでしょうか?詩人であり文芸評論家エドゥアール・グリッサン(1928-2011)の群島的思考に関する研究は、石牟礼の作品を読む上でどのように役立つのでしょうか?また、「列島」について考える際に、どのようにすればより「惑星的」な思考が可能になるのでしょうか。
石牟礼の作品における「列島」の意味について、その物理的な条件だけでなく、「ビオトープ」としての隠喩的な条件についても分析される必要があることを示したい。島とその隣接水域の役割に対するこの環境政治学的アプローチは、彼女の作品の文化的、群島的、そして惑星的要素に迫ろうとするものです。
登壇者
MARRAN, Christine(ミネソタ大学教授、イェール大学訪問教授)
ワシントン大学より博士(日本近代文学)。専門は日本近代文学、エコクリティシズム、日本及び東洋のフィルムスタディーズ、ジェンダー研究。近著Ecology Without Culture. University of Minnesota Press, 2017では、環境問題を考える上で文化批評の観点を有することの重要性を論じている。主著Poison Woman: Figuring Female Transgression in Modern Japanese Culture. University of Minnesota Press, 2007では、1870年代の日本文芸における「毒婦」表象に着眼し、女性のセクシュアリティや社会的役割の変化を追う興味深い議論を展開している。
司会:
DEMATAGODA, Udith,(早稲田大学高等研究所 講師)
山本 聡美(早稲田大学高等研究所 副所長/文学学術院 教授)
日 時
2022年11月5日(土)10:00~12:00
会 場
Zoomによるオンライン開催
言語
英語
プログラム
10:00~10:05 | 開会挨拶(山本聡美) |
10:05~11:35 | 講演 Analyzing Archipelagos in the Work of Ishimure Michiko(Marran, Christine ) |
11:35~11:40 | 休憩 |
11:40~12:00 | 質疑応答・討議、司会(Dematagoda, Udith) |
対 象
教員・研究者・大学院生
主 催
早稲田大学 高等研究所
共 催
スーパーグローバル大学創成支援事業 早稲田大学国際日本学拠点
総合人文科学研究センター 角田柳作記念国際日本学研究所
早稲田大学 美術史学会
申込み
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