高等研究所セミナーシリーズ 【新しい世界史像の可能性】 公開講演会:
「蘭学と西洋兵学―政治思想史の視座から―」(4/21)
講演者 / Speaker
大久保 健晴 (慶應義塾大学 法学部 准教授)
日 時 / Date & Time
2018年4月21日(土)14:00~18:00
会 場 / Venue
主 旨 / Outline
これまで近世蘭学に関する研究は、自然科学、医学、天文学を中心に、豊かな学問的蓄積が存在する。だが、そもそも近世江戸期には自然科学と社会科学という区分自体、明確ではなく、当時の学者の関心もまた、狭義の自然科学や医学の分野にとどまるものではなかった。
本報告では、比較政治思想研究の視座のもと、オランダでの史料調査の成果を背景に、18世紀後半以降の天文学から地理学、さらには兵学へと展開する蘭学の様態を、フランス革命をはじめとする同時代ヨーロッパ世界の変容と、それに伴うオランダの近代国家形成ならびに植民地官僚養成制度の確立との関連のなかで読み解く。その上で、徳川末期及び明治初期の政治過程に官僚として携わるとともに明六社で活躍した、神田孝平や西周ら洋学者たちの活動が、近世蘭学の系譜とどのような関係性を有するのか考察する。
以上の検討を通じて、近代日本における統治を巡る学知の源流を文化横断的に解明し、新たなる「蘭学の政治思想史」の可能性に光を当てる。
プログラム / Schedule
14:00~14:10 開会挨拶
14:10~15:40 講演
15:40~16:00 休憩
16:00~18:00 討論
司 会 / Moderator
谷口 眞子(早稲田大学 文学学術院 教授)
対 象 / Prospected Audience
大学院生・教職員・一般
主 催 / Organizer
早稲田大学 高等研究所
申込み / Registration
事前申込み不要です。直接会場にお越しください。