Waseda Institute for Advanced Study (WIAS)早稲田大学 高等研究所

News

ニュース

Newsletter Vol. 13(2016年冬号)

研究者紹介

2016年9月より、副所長の体制が新しくなりました。新副所長に合田亘人教授と竹村和久教授が就任しました。以下、就任にあたっての挨拶を掲載します。

goda_IMG_1209

合田 亘人(理工学術院教授)

設立から十年を迎え、当研究所は次の新しいステージに進み、さらに大きな成果を出し続けることが求められています。そのための新しい試みとして、2017度から、自然科学系分野では、優秀な若手研究者の採用期間を延長し、自由でチャレンジングな研究への取り組みをサポートします。また、研究所員が学内外の研究者と共同で取り組むことができる新しい仕組み作りを構築していきます。こうした施策を通じて、当研究所が国内外の優秀な研究者を受け入れ育成し、送り出すことができるハブ研究機関として貢献できればと考えております。

 

takemura_IMG_1209

竹村 和久(文学学術院教授)

当研究所は、発足して10年が経過しましたが、理工系、社会科学系、人文系という多くの分野の優秀な研究者が集まっています。現在の科研費や研究の評価の在り方を考えると、個々人の研究業績が優秀であるというだけでなく、いろいろな分野の有機的な連携による社会問題の解決と新しい学問の創出ということも十分視野に入れることが期待されます。このような観点に立って、所員間、ならび国内外の研究者との相互交流をはかるための場作りができればと考えています。

活動紹介

高等研究所は設立10周年を迎えました

早稲田大学高等研究所は、早稲田大学125周年記念事業の一環として2006年に設立され、今年で10周年を迎えました。これを記念して、2016年11月11日(金)には、講演会『10周年記念講演会』を早稲田大学小野記念講堂で開催しました。当日は、高等研究所に現在所属する研究者や早稲田大学の教員、高等研究所出身者などを中心に約50名が参加し盛会となりました。

10shu_kim_IMG_1117

Kim Doochul院長の基調講演

講演会には韓国基礎科学研究院のKim Doochul院長をお招きし、韓国の基礎研究の政策や若手研究者をとりまく現状・課題についてご講演いただきました。韓国はGDPに占めるR&D投資の比率(GERD/GDP)が先進諸国の中でも高くR&Dが重視されています。ご講演の中で、韓国では、Fast-follower R&D SystemからFirst-mover R&D Systemへの移行を目指し、知識の創造や才能の育成を推進するbasic and creative research に重点をシフトしてきているとのご説明があり、National Research Foundation(NRF)によるBasic Research Programや各種若手研究者支援プログラムの詳細と課題、またglobal research hub として基礎研究を推進するIBSの活動等についてもお話し頂きました。

10shu_qa_IMG_1138

質疑応答の様子

また、高等研究所出身の研究者である、小林由佳氏(国立研究開発法人 物質・材料研究機構 主幹研究員)、周振傑氏(北京師範大学刑事法律科学研究院 教授)、田中章浩氏(東京女子大学 現代教養学部人間科学科心理学専攻 准教授)の3名による講演が行われました。なごやかな雰囲気の中、高等研究所での自身の経験談や現在の研究、若手研究者へのメッセージなどについてご講演いただきました。講演会に引き続き行われた懇親会では、各地から集まった高等研究所出身の研究者や関係者と現役の研究者が交流を深め、楽しいひと時を過ごしました。

10shu_reception_IMG_1163

懇親会の様子

10shu_koryu_IMG_1173

懇親会での歓談の様子

高等研究所では、この10年間、若手研究者の育成や先端的研究分野の開拓、海外研究者との積極的な交流等を通じて、早稲田大学の研究能力向上に寄与してきました。現在、自然科学、人文科学、社会科学および学際的領域を合せて三十余名の研究員が在籍し、その柔軟な発想や能力を十分に発揮し先進的な研究にとり組んでいます。また、本研究所における任期を終えた後、国内外各地の研究機関に勤務する研究者も、設立以来100名に達しそれぞれに活躍の場を拡げています。

10shu_shoyu_IMG_1174

所友の皆様との交流

懇親会での宮島所長挨拶

高等研究所は、今後も引き続き国内外の優秀な研究者を採用し、若手研究者の育成に貢献する一方、海外研究者との交流を促進することによって、国際共同研究・学際的研究の全学的プラットフォームとして早稲田大学の教育研究活動に貢献することを目指していきます。

今年、「早稲田大学高等研究所研究者一覧」を発行し、現所員および近況報告のあった高等研究所出身の方々を冊子でご紹介しています。ご覧いただきたい方は、高等研究所事務所までご連絡ください。この10周年を機に、高等研究所関係者のネットワークから新たな出会いや可能性が生まれることを期待しています。

日本学術振興会研究拠点形成事業『アジアにおける制度変化をいかに理解するか:欧州との比較のパ-スペクティブから』を開催しました (2016年9月15日~9月17日)

2016年9月15日~9月17日の3日間、高等研究所が主催するワークショップ「日本学術振興会研究拠点形成事業『アジアにおける制度変化をいかに理解するか:欧州との比較のパ-スペクティブから』」を早稲田大学で開催しました。この事業では、共同研究を進める4拠点である、オックスフォード大学経営大学院(Oxford)、フランス社会科学高等研究院(EHESS)、ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)、早稲田大学が研究ネットワークを強化し、分析手法の開発、多面的な国際比較の実施、基礎データの共同利用、共同研究の実施を通じて、企業統治に係る経済制度の実証分析の飛躍的前進を目指しています。研究の内容としては、企業統治構造、企業行動、パフォーマンス、法・政治制度の相互作用に関して具体的な研究課題を設定しています。今回のワークショップでは、4拠点の交流メンバーが、交流課題に関連した 1) Institutional Change and Evolving Corporate Diversity, 2) Entrepreneurship, Innovation and Institutions, 3) Corporate Governance, CSR and Performance, 4) Corporate Governance and Finance, 5) Corporate Governance and Labor, の5つの主題について、研究報告を行いました。

CtoC_sebastien_IMG_0658

研究報告の様子

各報告では、メンバー間で活発な質疑応答が行われ、特に、所有構造・企業統治制度と企業行動の関係、企業パフォーマンスの長期動向や、企業統治とCSRの関係、各国の統治制度の比較分析、今後のデータベースの構築の方向に関して、多くの新たな知見が得られました。こうした参加者との意見交換により、今後の研究を進めるうえで、有益なワークショップとなりました。

また、ワークショップの1日目には、”Early Career Workshop”として若手研究者のための研究発表の場を設定し、4拠点から8人の若手研究者の報告がありました。多くのコメントが寄せられ、論文のブラッシュアップ、また、将来の共同研究のための貴重な機会となりました。

WIAS Top Runners’ Lecture Collectionを開催します

honda_toprunnerr2017年2月25日(土)(13:00-17:00)
開催会場:11号館9階 902室

「建築×メディア×全体主義:全体主義体制下における建築とメディアの関係の独伊ソ比較研究」
講演者:鯖江秀樹(関西大学)、田野大輔(甲南大学)、本田晃子(早稲田大学高等研究所)
司会者:本田晃子

全体主義国家において、建築はしばしば指導者の権威や理想的共同体を表象する、プロパガンダ装置として機能してきた。とりわけ1930年代のドイツ、イタリア、ソ連邦では、首都改造を含む大規模な建設プロジェクトが次々に計画され、それらのイメージは(たとえ実現されなくとも)メディアを通じて広く流通することになった。

本セミナーでは、ドイツ、イタリア、ソ連邦の建築史ないしメディア論を専門とする研究者によって、このような当時の全体主義体制・建築・メディアの相互関係を、各国の事例を対照しながら読み解いていく。

インフォメーション

訪問研究者

WIASでは国際的に活躍する優れた研究者を海外から招聘し、本学研究者との学術的交流やセミナー等を通じて、 本学の研究活動の活性化に寄与しています。詳しくはこちら

  • 2016年10月2日-2016年10月30日
    Oliver ZIMMER: Professor, University of Oxford (イギリス)
  • 2016年11月14日-2016年12月13日
    John Pao-En TANG: Senior Lecturer, Australian National University (オーストラリア)
  • 2017年3月21日-2017年4月20日
    Antonella CECCAGNO: Professor, University of Bologna (イタリア)
  • 2017年3月27日-2017年4月26日
    Guillermo Luis WILDE: Associate Professor, National University of San Martin (アルゼンチン)

このメールに関するお問い合わせはこちらから。

ご意見、ご感想をお待ちしています。 下記発行元まで、お寄せください。

早稲田大学高等研究所

〒169-8050
東京都新宿区西早稲田1-6-1
URL:www.waseda.jp/inst/wias/
TEL:03-5286-2460
FAX:03-5286-2470
E-mail:[email protected]
facebooktwitter

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/wias/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる