Waseda Institute for Advanced Study (WIAS)早稲田大学 高等研究所

その他

人新世と人文学
Humanities in the Anthropocene

研究の概要

全体目的

人新世(Anthropocene)とは、2000 年 2月の IGBP(International Geosphere-Biosphere Programme)科学委員会会議において、大気化学者であるパウル・クルッツェン(Paul Crutzen)が提唱した地質学的時代区分である。人類が地球環境に大きな影響を与えることで、約 11,700 年前に始まった完新世(Holocene)が終焉し、私たちは既に人新世に生きているとする問題提起であり、目下、自然科学領域だけでなく、社会科学そして人文科学における議論へも展開している。人新世の概念からは、細分化された専門知を、現在と未来の社会のために統合し活用する視角が拓かれる。

本研究プロジェクトでは、人文科学領域を中心に、自然科学と社会科学を加えた領域横断型の研究組織を構成した。研究メンバーの専門領域は、美術史、文学、哲学、美学、音楽、建築学、考古学、認知神経学、環境経済学、環境農学と多岐にわたる。そのため、このプロジェクトでは、固有の領域における特定の成果を目指すというより、人新世の概念を共有し、その射程についての議論を重ねることで、互いの専門知を融合した共同研究の場を開拓することを第一の目的とする。その上で、人文学において蓄積されてきた「人類の営み」に関する古典知を、現在と未来の社会における課題に接続し活用・発信する方法の確立を目指す。

全体計画

研究会・講演会の開催を軸に、対話・議論の場を設けることで、各々の研究領域において蓄積された課題・方法・成果の共有を促進する。話者は、プロジェクトメンバーを中心に、外部からも招聘し幅広い論点へと展開することを企図している。特に、1990 年代以降文学・芸術研究において蓄積された ecocriticism の成果を手掛かりに対話のフレームを構築し、最終年度には国際シンポジウム及び刊行物による成果報告を予定している。

研究拠点

早稲田大学高等研究所

エリアリーダー

山本 聡美     (文学学術院 教授)

メンバー

有村 俊秀     (政治経済学術院 教授、高等研究所 兼任研究員)
河野 貴美子    (文学学術院 教授、高等研究所 兼任研究員)
山田 宮土理    (理工学術院 准教授、高等研究所 兼任研究員)
FITTLER, Áron    (高等研究所 招聘研究員、所友)
桑原 夏子     (京都産業大学 准教授、所友)
MORRIS, James   (宇都宮大学国際学部 助教、所友)
秋山 徹      (北海道教育大学釧路校 准教授、所友)
葛西 周      (京都芸術大学 アートプロデュース学科 講師、所友)
岡本 悠子     (東北大学 応用認知神経科学センター 講師、所友)
LIPPIT, Yukio    (ハーバード大学 Department of Art and Architecture 教授)
大西 健夫     (岐阜大学 応用生物科学部 教授)
河江 肖剰     (名古屋大学 高等研究院 教授)
佐藤 有希子    (奈良女子大学 准教授)
児島 大輔     (東京国立博物館 主任研究員)
鴈野 佳世子    (帝京大学史学科 准教授)
藤曲 隆哉     (藤白彫刻研究所 代表)
髙田 知紀     (兵庫県立大学 准教授、兵庫県立 人と自然の博物館 主任研究員)

Events

本プロジェクトに関する情報は以下のページ、サイトでもご覧いただけます。

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/wias/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる