Waseda Institute for Advanced Study (WIAS)Waseda University

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The Reestablishment of the Humanities and Its Future

Overview of Research (in Japanese)

これまでの研究経緯と本プロジェクトの目的

21 世紀が始まってすでに四半世紀が経過したいま、人文学は依然として 20 世紀以来の課題に直面している。すなわち、人文学の研究者が、研究者のコミュニティを超えて自らの研究の意義を論じ、発信してゆくことに、いかにして向き合ってゆくかという点である。無論、研究はあらゆる分野で絶え間なく急速に進展しており、この趨勢は研究者が存在する限り、将来的にも普遍であろう。むしろ、本研究計画の主旨は、そうした日進月歩の研究成果を関連する学術分野の研究者たちの間で共有し、またそれを学界の垣根を越えて発信することにある。

具体的には、本研究計画の前段階である、2025 年度までの研究プロジェクト「ポスト・コロナ時代のグローバル・ヒストリー」で進展した下記の諸研究を引き継ぎ、まずはそのさらなる展開と発信を目指す。具体的には、現在の国際関係や紛争を理解する上で、根源的に重要である主権国家論や帝国論についての研究に対する助成を継続して行う。また、本学で新たにカリキュラム編成が始まりつつあるデジタル人文学(Digital Humanities、以下 DH)を本プロジェクトに組み込み、その進展・発信も目標とする。

さらに、本研究プロジェクトは、以下のような、2025 年度までの研究プロジェクト「ポスト・コロナ時代のグローバル・ヒストリー」が対象とした諸問題意識を継承する。すなわち、19 世紀のヨーロッパにおいて主権国家・国民国家が成立し始め、それと併行していわゆる近代的学問も構築され、他の諸地域は程度の差はあれ、その学問を導入した。しかし、西洋中心史観のバイアス=「オリエンタリズム」が認識され、地域・民族のアイデンティティが模索されるようになり、一方ではこれらにもとづく独立運動や紛争が生じ、他方では覇権主義・権威主義が横行している。前者の運動が盛んになるほど、相対的に権威主義国家は強大となり、世界経済、さらには世界システムそのものを揺るがしかねない危険性がある。人文科学も社会科学も、このような現状に対してどのように学問的見地から応答できるのか、手をこまねいている。

このような問題意識は、本研究プロジェクトでも、主に中澤達哉教授により追及され続ける。その一方で、AI の活用を含む DH 分野での研究推進については、加藤大鶴教授が新たに加わり、研究を推進してゆく。伝統的な言語学研究においては、人間の言語構造や意味の分析を中心にしてきたが、AI/NLP の進展は自動的なコーパス分析、意味解析、機械翻訳、対話型モデルなどの研究ツールとして不可欠になりつつある。すなわち、大量テキストからパターンや変化を抽出することで、従来では見えなかった特徴・傾向を発見する研究の意義が加速的に増大しており、これは言語学だけではなく、ある程度まとまった数のテキストを分析するすべての研究分野に共通する現象であり、好機でもある。1 年目は、日本語学の分野での DH 研究の最先端をゆく研究者 3 名を招き、大規模なワークショップを公開で行う予定である。

AI は歴史学・言語学の研究方法を単なる補助技術から共同的な分析ツールへと進化させており、膨大な資料の処理・可視化・言語パターンの発見・教育のアクセシビリティ向上に貢献している。その一方、解釈や倫理的判断といった「人間ならではの思考」を置き換えられるものではなく、人文学者の専門的批判と判断がより重要になっている。換言すれば、AI を「効率化のためのツール」としてだけでなく、人文学の問いそのものを広げる共同研究プラットフォームとして位置づける段階にあると思われる。これは、単なる技術導入を超えて方法論の変革を促すものであり、異なる研究分野の研究者たちが、それぞれの研究について論じ、学ぶ機会の重要性がこれまで以上に高まっている。加藤教授の主催するワークショップは、こうした時代の需要にまさしく正面から答えるものとなる。

上記のように、本研究プロジェクトの主旨は、こうした新規・継続の研究課題に報告・発信の場を与え続け、そのことにより人文学分野での交互交流や社会貢献を促進することにある。1 年目の議論の進展をふまえ、2 年目以降はさらに進んで、分野横断的な対話の機会を積極的に設けてゆくことを目指す。

Research Location

Waseda Institute for Advanced Study (WIAS)

Area Leader

IIYAMA, Tomoyasu
(Professor, Faculty of Letters, Arts and Sciences; WIAS Associate Director)

Members

TANIGUCHI, Shinko
(Professor, Faculty of Letters, Arts and Sciences; WIAS Research Affiliate)

OBARA, Jun
(Professor, Faculty of Letters, Arts and Sciences; WIAS Research Affiliate)

NAKAZAWA, Tatsuya
(Professor, School of Culture, Media and Society; WIAS Research Affiliate)

KATO, Daikaku
(Professor, School of Culture, Media and Society; WIAS Research Affiliate)

KAKINUMA, Yohei
(Professor, Faculty of Letters, Arts and Sciences; WIAS Research Affiliate)

KARAISL, Antonia
(Adjunct Researcher, WIAS)

AKIYAMA, Tetsu
(Associate Professor, Hokkaido University of Education; WIAS Alumnus)

SUZUKI, Tadashi
(Professor, Chuo University)

SASAKI, Makoto
(Professor, Komazawa University)

KOGURE, Minori
(Associate Professor, Tenri University)

YOSHIZAWA, Seiichiro
(Professor, The University of Tokyo)

HARADA, Keiichi
(Emeritus Professor, Bukkyo University)

HUNG, Tak-Wai
(Assistant Professor, WIAS)

Events

Information on this research project is also available at the link below.

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