高等研究所 公開セミナー:
「オスマン帝国と東アジア:近代化をめぐる交流の軌跡」(1/13)
主 旨 / Outline
19世紀後半から20世紀初頭、近代化を模索していたオスマン帝国、日本、および清朝出身の官僚・学者・宗教指導者たちは、学術・文化交流、軍事・政治・経済視察、諜報活動といったさまざまな目的のために中東と東アジアを往来した。本企画は、彼らによる旅行記や報告書の分析を通じて、オスマン帝国と東アジアの近代化をめぐる交流の軌跡をたどり、その歴史的意義を考察する。
講演者 / Speaker
講演者:
ジラルデッリ青木美由紀(じらるでっり あおき みゆき)
(早稲田大学高等研究所 訪問研究員、イスタンブル工科大学 准教授補)
美術史家、イスタンブル工科大学建築学部准教授補。 文学博士。
MIT訪問学者、ドイツ美術史学研究所(フィレンツェ)訪問学者、国際日本文化研究センター外国人研究員。
専門はオスマン建築史、美術史。関心は、東西の文化的遭遇・受容、ヒト・モノの移動とそれにともなう変化。国家的あるいは個人の経験にもとづく美術史言説の形成。非西洋諸国の近代の視覚芸術。最近は、オスマン帝国とアジアのムスリムにも興味がある。
著書『明治の建築家 伊東忠太 オスマン帝国をゆく』(2015年、ウェッジ、紀伊国屋じんぶん大賞第六位)、編著『オスマンの宮殿に吹く日本の風』(トルコ国立宮殿局、2013年)、『オスマン帝国とジャポニスム/日本趣味』(思文閣出版、刊行予定)
展覧会キュレーション「イスタンブルの三人の日本人:山田寅次郎・伊東忠太・大谷光瑞」(イスタンブル研究所、イスタンブル)、「オスマンの宮殿に吹く日本の風」(ドルマバフチェ宮殿美術ギャラリー)。NHK BS「世界遺産 時を刻む」、BS日本テレビ「中谷美紀トルコ紀行」の案内役など、テレビ出演でも活躍中。
海野典子 (早稲田大学高等研究所 講師)
コメンテーター:
村松伸(城西国際大学 特任教授、東京大学 名誉教授)
城西国際大学特任教授、東京大学名誉教授。工学博士。専門は中国を中心とした東アジア建築・都市史。中国清華大学・高級進修生、韓国ソウル大学訪問学者、ハーバード大学訪問学者。総合地球環境学研究所プロジェクトリーダー。アジア近現代建築の研究・保全・理解を推進する組織mAANを共同設立(2001-2011)、のち、これが東南アジアの近現代建築研究プロジェクト、mASEANA Project(2015-2021)へとつながる。主著は『上海-都市と建築』(パルコ出版、1991)、『中華中毒』(作品社、1997、大平賞受賞)、『全調査:東アジア近代の建築』(共著、筑摩書房、1997)『アジア建築研究』(編著、LIXSIL,1997)、『シブヤ遺産』(編著、バジリコ、2004)、『メガシティ』(全6巻、編著、東京大学出版会、2016-18)など。
日 時 / Date & Time
2023年1月13日(金) 15:00~17:15
会 場 / Venue
早稲田大学戸山キャンパス 33号館 3階 331号室
言 語 / Language
日本語
プログラム/ Program
15:00~15:10 | 趣旨説明:海野典子 |
15:10~15:40 | 報告①「日本の<イスラーム美術>概念形成と伊東忠太:溶媒としてのオスマン帝国と東アジア」(ジラルデッリ青木美由紀) |
15:40~16:20 | 報告②「中国ムスリムの近代化と諸外国:20世紀初頭におけるオスマン帝国と日本との関係を中心に」(海野典子) |
16:20~16:30 | 休憩 |
16:30~16:45 | コメント(村松伸) |
16:45~17:15 | 全体討論 |
対 象 / Prospected Audience
教員・研究者・大学院生
主 催 / Organizer
早稲田大学 高等研究所
共催/Co-Organizer
早稲田大学美術史学会
早稲田大学中央ユーラシア歴史文化研究所
スーパーグローバル大学創成支援事業 早稲田大学国際日本学拠点