高等研究所「人新世と人文学」セミナーシリーズ(第6回)公開講演会
「人新世に響く音――環境変動の歴史における楽器製作」(10/1)
趣旨説明
このセミナーシリーズは、2021年10月より活動開始した、早稲田大学高等研究所「人新世と人文学」プロジェクトの一環として実施するものです。人新世の概念を共有した領域横断的な対話の場を設けることで、細分化された専門知を連結し、人文学の新たな可能性を拓くことを試みます。
第6回は、無形文化遺産学・文化財保存技術を専門とする前原恵美氏を迎えて、日本の伝統芸能で用いられる楽器の原材料や製作技術について、自然環境・社会環境との関連から講演いただきます。前原氏の講演に先立って、プロジェクトメンバーの葛西周より、音・音楽研究分野における人新世をめぐる議論の可能性について、関連する研究動向を紹介しつつ説明します。
登壇者
前原 恵美(東京文化財研究所 無形文化財研究室長)
東京藝術大学大学院博士課程(音楽学)単位取得満期退学。1991年より五世常磐津文字兵衛に師事、93年に常磐津紫緒の名を許される。99年、「第15回清栄会奨励賞」(研究者部門)受賞。有明教育芸術短期大学教授を経て、独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所へ。古典芸能や無形文化財の研究と並行して、演奏活動もしている。著書に『常磐津林中の音楽活動の軌跡:盛岡市先人記念館所蔵林中本を手掛かりに』(武久出版、2013年)。
葛西 周(早稲田大学高等研究所 講師)
東京藝術大学大学院博士課程修了。博士(音楽学)。専門は日本近現代音楽史。人々が音楽を実践し体験してきた場に関心を持ち、現在は観光地の劇場文化に着目している。主な共著に『音と耳から考える:歴史・身体・テクノロジー』(細川周平編、アルテスパブリッシング、2021年)、『移動するメディアとプロパガンダ : 日中戦争期から戦後にかけての大衆芸術』(西村正男・星野幸代編、勉誠出版、2020年)など。
日 時
2022年10月1日(土)10:00~12:00
会 場
Zoomによるオンライン開催
プログラム
10:00~10:05 | 開会挨拶 |
10:05~10:25 | 講演「音・音楽研究から人新世を問う――エコミュージコロジーにおける物質論的転回」(葛西 周) |
10:25~11:10 | 講演「「原材料―用具―伝統芸能」をつなぐ「保存技術」」(前原 恵美) |
11:15~12:00 | 質疑応答・討議 |
司会:山本 聡美(早稲田大学高等研究所 副所長/文学学術院 教授)
対 象
教員・研究者・大学院生
主 催
早稲田大学 高等研究所
共 催
早稲田大学 SGU国際日本学拠点
総合人文科学研究センター 角田柳作記念国際日本学研究所
早稲田大学 美術史学会
助成:公益財団法人三菱財団 2020 年度助成(人文科学:202020034「中世日本の環境と美術」)
申込み
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