コロナ禍で一気に進んだオンライン授業。既に授業は通常の対面中心に戻った。授業資料を事前にMoodleにアップロードするようになり、授業前の印刷の手間が省けてとても楽になった。ところが、学生たちは大教室で自身のPCの授業資料を見ながら授業を受けることになるので、授業中に内職をしていても分からない。教員によってはパワポのポインターを使い、教室の中を説明しながら歩き回り、学生の内職を防ぐ方もいるらしい。でも、その度胸は私には、ない。
また、Moodleのチャット機能を通じて学生たちから病気や欠席の連絡が直接来るようになった。おかげで出欠の管理や個別の対応が必要な場合には、返信がしやすくなった。しかし、学生は思いつくと土日だろうがゴールデンウィークだろうが、自分の都合でメッセージを送ってくる。ゴールデンウィーク中だったので無視していたら「あの件はどうなりましたか?」とリマインドしてきた学生もいた。私が対応する必要のない個別対応を求めてくる学生もいる。教員と学生という権力の非対称性の中で繰り広げられるこうしたやりとり。時に「教員だから」ということで、学生に対して寛容であることを求められ過ぎている気もする。思うことはたくさんあるが、あまり過剰に反応しないようにしている。そんな中でも私の声が届いて、何かしら感じてくれる学生もいる。それを心の糧にして今日も教壇に立っている。
(M.K)
第1152回