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フェンシング部・川村京太 個人・団体ともにつかんだ優勝!

「2022年下半期も個人・団体優勝を目指し、悔いなく過ごしたい」

フェンシング部
スポーツ科学部  4年 川村 京太(かわむら・きょうた)

早稲田キャンパス 17号館体育館地下1階フェンシング場にて

東京2020オリンピックでは、校友を含む男子エペ団体戦が金メダルを獲得するなど、盛り上がりをみせているフェンシング。フェンシング部の川村京太選手は、2022年4月の第3回日本学生フェンシング・カップ 男子フルーレで個人優勝を果たしました。男子フルーレ団体戦でも、5月の第75回関東学生リーグ戦で準優勝、6月の第72回全日本学生王座決定戦で優勝と、個人・団体ともに結果を残しています。そんな川村さんに、フェンシングと向き合い続けてきたこれまでや、今後の競技での目標、そして日々の学生生活などについて聞きました。

――まず、フェンシングを始めたきっかけを教えてください。

フェンシングを始めたきっかけは、父です。父は高校生のときにフェンシングを始め、社会人になってからも趣味で続けていました。小学2年生のとき、父の練習について行き、フェンシングをしたのがこの競技との出合いです。当時は水泳やバイオリンなどの習い事をしていたのですが、親にやらされている感じで意欲的には取り組んでいなかったんです。でもフェンシングは、一対一で相手と対戦できるところがゲーム感覚で楽しい! と感じ、自分の意志で習い始めました。

写真左: 8歳のときに出場した、八王子大会での一枚
写真右:中学1年生のときにはフランスで行われたワールドカップに出場した

――フェンシングと向き合い続けた15年間の中で一番つらかった時期はいつですか?

フェンシング部での練習風景

中学2年生のときです。それ以前は毎日練習にのめり込んでいて試合でもとんとん拍子で勝つことができ、入賞できることも多かったのですが、全く結果が出せなくなってしまって。フェンシングの大会は、U‐17などでは中学生であっても高校生と戦うことがあり、体格的に厳しい試合になることもあるんです。

振り返ってみると、それまでは感覚で試合を進めていたことも多いと気付きました。そこで、中学3年生頃からは試合をどう進めれば勝利に近づくか、考え始めたんです。例えば、体格が自分よりも大きい相手には、距離を短く取ることで体格の良さを利用しにくくして、突きをするのを難しくさせました。このように試合の進め方を変えたことで、再び試合で勝てるようになり、結果を残せるようになりました。

――では、うれしかったこと、印象深かった出来事はありますか?

印象深く、心に残っている出来事は二つあります。まず一つは、高校3年生のときに出場したアジアジュニア選手権で、個人・団体ともに優勝したことです。アジア各地で活躍する同世代の選手たちが集まる中で、優勝という結果を残せたのは自分の自信にもつながりました。

二つ目は、この4月から6月の間に第3回日本学生フェンシング・カップで個人優勝、団体では第75回関東学生リーグ戦準優勝、第72回全日本学生王座決定戦優勝という結果を残すことができたことです。団体戦は、ダグラス・ビューワーニック(スポーツ科学部3年)、藤澤将匡(同3年)、竹内隆晟(同1年)と4人で挑みました。関東学生リーグ戦は途中で心が折れそうになるほどハードな試合でしたし、王座決定戦も接戦で、一瞬も気が抜けなかったです。

思い返すと、コロナ禍では練習や試合ができなくなってしまい、2020年は早慶戦の1回しか試合ができませんでした。そのときは、どうしようもないと分かっていながらも悔しい気持ちでいっぱいだったので、大学最後の年で結果を残すことができて良かったです。

写真左:2019年にヨルダンで行われたアジアジュニア選手権で優勝したとき
写真右:2022年4月には日本学生フェンシング・カップで個人優勝を果たした

――高校までと比べて大学で成長したと思う点はどんなところでしょう?

まず一番成長したと思うのは、フィジカル面です。フェンシング部には、フィジカルトレーナーが在籍しています。個人個人のメニューを考えてもらい、トレーニングを行っているため、自分のフィジカルを科学的な視点で捉えられるようになりました。自分に今、何が足りていないのかを考えながら練習に取り組めています。

次に、防御してから得点につなげる、という自分の強みをさらに伸ばすことができたと思います。また、失点を最小限にするように練習を重ねてきたことで、他の選手と差別化を図り、自分の武器を増やすことができました。

――所属するフェンシング部の強さの秘訣(ひけつ)は何だと感じますか。

チームワークです。部の中では、先輩・後輩関係なく自分の意見を出しやすい雰囲気づくりを心掛けて、試合になれば、高いテンションでお互いを応援していましたね。チーム力は他の大学には絶対に負けません。また、大学から競技を始める部員も年々増えてきています! 努力次第で良い結果につながるので、大学から新しいことを始めたい方にはとてもいいスポーツだと思います。

写真左:フェンシング部で円陣を組み一致団結!
写真右:2022年6月の第72回全日本学生王座決定戦、団体戦のメンバーと。賞状を持っているのが川村さん

――では、早稲田大学に入学を決めた理由、スポーツ科学部で学んでいることを教えてください。

スポーツ科学部に入学を決めたのは、学んだことを直接フェンシングに生かせると思ったからです。スポーツ科学部では、スポーツを軸として幅広い学問領域が展開されているので、学際的に学ぶことができます。授業で学んだことが、フェンシングではここに結びつくのでは? などと自分の中で展開していけることはとても面白いです。また、いろいろな体育各部に所属する学生が在籍しており、それぞれの競技の第一線で活躍する学生と交流できることも魅力ですね。

私は奥野景介先生(スポーツ科学学術院教授)のゼミに所属し、スポーツコーチングについて学んでいます。スポーツコーチングとは、指導者が競技者にどのように関わり、目標達成や勝利に導くかを学ぶ学問です。私はこのスポーツコーチングの考え方を、自分自身をコントロールさせることに役立てていて、試合でも生かすことができています。

写真左:大学2年生で出場した早慶戦
写真右:2022年6月の第72回全日本学生王座決定戦で(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

――今後の目標を教えてください。

今年の上半期では、個人・団体ともに優勝という最高の結果を残すことができました。下半期には、全日本学生フェンシング選手権大会(インカレ)が行われます。そこでも、個人・団体どちらも優勝することが目標です。実は、フェンシングの競技生活は大学卒業で一区切りをつけ、民間企業に就職する予定です。それまで悔いが残らないように精いっぱい頑張りたいと思っています。また、フェンシング部では引退の時期も近づいてきました。後輩に対し、技術面や試合に向かう姿勢など何か学んでもらえるように日々の行動で示していきたいですね。

第822回

取材・文・撮影:早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ
人間科学部 3年 佐藤 里咲

【プロフィール】

東京都出身。東亜学園高等学校卒業。東京都が認定する東京アスリート認定選手にこれまで何度も選出される。フェンシングの一番の魅力は、さまざまな戦法の選手がいるところで、その選手に合わせてどう試合を進めていくか駆け引きすることが楽しいと話す。趣味は小説を読むこと。小説の世界観に没頭することで、心を落ち着かせられるという。好きな作家は重松清(文学学術院教授)。

 

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