前任校では初年次教育として自分の大学や創立者について学習する機会があった。その際、明治時代の学制について講演してもらった早稲田大学の教育学部の教員から「早稲田の学生は自分の大学について意外と知らない」と聞いた。これが事実かどうか確かめてみたいと思っていた。
私自身、早稲田歴は4年。早稲田検定なるものがあるとしたらおそらく合格は難しいだろう。そこで、今年行われた「大隈重信没後100年記念式典」に参加した。『早稲田ウィークリー』の記事「大隈重信って結局何者?」も読んだ。学生も当然知っていると思い、4月にゼミの3・4年生に尋ねてみた。「今年は早稲田にとってある記念の年です。さて何でしょう?」
見事に、誰も答えられなかった…。(正解は大隈没後100年)
無理もない。早慶戦もコロナ禍で観戦できなかった学年である。ならば、せっかく早稲田に入ったのだから、「大隈と○○」についてグループで調べることにした。すると、なかなか面白い発表を聞くことができた。「大隈と英語」、「大隈重信と福沢諭吉」といった硬派から、「大隈とスポーツ」、「大隈重信、義足の真相」といったジャーナリスティックなもの、「大隈とメロン」、「大隈と園芸」、「大隈とお散歩スポット」といったゆるいものまで、どれも「へぇ」とうならせる素晴らしい発表だった。
個人的に面白かったのは、始球式で空振りをするのは日本だけで、それは始球式で大隈が投げたボールをストライクにするためだったという話だった。学生たちが驚いたのは品種改良されたメロン「早稲田」が買えることと、その値段の高さだった。ぜひお試しあれ。
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第1124回