先日、学生たちに「4km走」を勧めてみた。4km走をお勧めする理由は、
- 攻守が連続的に行われるスポーツのほとんどは、一試合の走行距離が大体4kmを超えるため、最低4kmは走れる脚力や精神力を付けておきたい。
- 4kmを走るにはおおむね20〜30分の時間を要し、適度なキツさがある。
- 適度なキツさがある反面、達成感も大きい。
という3点である。翌週、ある学生が「先生の話を受けて4km走をやってみました。2、3km走ったところでキツくなってやめようかなと思ったんですが、何とか4km走り切りました。終わってみたらとても心地良かったです」と報告してくれた。
人に勧められてみたことを素直に受け入れ、取り組んでみたその学生の言葉を受けて、「人生のドアにはノブがない」という話を思い出した。「人生を次のステージに進めるためのドアにはドアノブが付いていないため、こちらから開けることはできない。誰かが向こうから開けてくれたときに飛び込むかどうかだ」という話である。
もちろん、人の言うことに全て無条件に従う必要はない。だが、自分にとって面白いチャレンジとなりそうなことを勧めてもらったときには、まずやってみることが重要ではないか。私自身もかつて早大生であったが、卒業後教員という仕事に就いて十数年、強く感じるのは、「迷ったら飛び込んでみる」ことの重要性である。授業にしろ研究にしろ、何か新しいチャレンジや依頼があったらまずやってみることにしていたら、取りかかるときのキツさはあったが、いつの間にか楽しい仕事ができるようになっていた。
(K)
第1114回