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祝・世界文化遺産登録勧告! 開拓使の心が今も息づく北海道伊達市

「北の湘南」の異名をもつ、歴史的見どころにあふれた町

社会科学部  4年 山木 光希(やまき・こうき)

2000年に大噴火を起こした有珠山の麓(ふもと)に位置する北海道伊達市は、道内でも比較的温暖で、美しい海が広がることから「北の湘南」という異名を持ちます。この町出身の私が早稲田大学進学を機に上京し、初めて湘南の海を見たときは、これが「南の伊達」なのかと感動し、同時にその違いにがくぜんとしたことをよく覚えています。私が住んでいる北海道出身者の学生寮内でも、周りの学生の伊達市への認知度はまあ低いものです。しかし皆さんが伊達市をよく知らないだけ。たくさんの魅力はダテじゃない! 今回は、私が子どもの頃からなじみのある、伊達市の名所や名物祭りをご紹介します。

北黄金貝塚は、紀元前7,000年~4,500年前の縄文前期・中期の集落遺跡。全部で5つの貝塚跡があり、竪穴式住居も建てられています。竪穴式住居は夏は中がひんやりと涼しく、冬はほんのり暖かさを感じます

まず、伊達市で旬の話題といえば、なんといっても「北黄金貝塚」です。北海道に存在する縄文貝塚の5分の1の面積を占める巨大貝塚で、その敷地の数パーセントの発掘しか行われていないものの、学術的価値の高い多くの出土品が出ていることでも有名。そして、つい先日(2021年5月26日)、この貝塚を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録の勧告を受け、今伊達市民は「世界に誇れるものが地元に!」と喜びに沸いています。私も小学生のころ、遠足などで訪れる機会があり、「貝塚は一般的に『ゴミ捨て場』のように認識されているが、北黄金貝塚では、貝殻や土器の他にも人間や動物の遺骨が発掘されており、全てのものに感謝し、この世での役割を終えた後は貝塚で埋葬するという精神性がうかがえる」と教えてもらい、子どもながらに大変感銘を受けたことを今も覚えています。歴史好き、遺跡好きにぜひ訪れてほしい話題の名所です。

 

地中に埋もれた貝塚の広がりが一目で分かるよう、現世の貝殻で表しています。自由に中に入ってさまざまな種類の貝殻や動物の骨に触れることができ、縄文時代に思いを馳(は)せることができます

かの有名な伊達政宗。そのいとこである伊達成実は仙台藩亘理(わたり)伊達家の2代当主として、現在の宮城県亘理郡亘理町を治めていました。その後、15代当主の伊達邦成は、明治時代に北海道に入植し、現在の伊達市を築き上げました。伊達邦成はいわば「わが街のパイオニア」であり、小学校の黒板の上には肖像画がでかでかと飾られています。毎年8月に行われる「伊達武者まつり」では、伊達邦成をはじめとする当時の武将が馬に乗りながら多くの兵卒を引き連れる様子を再現して、太鼓や大きな山車(だし)と共に町中を大迫力で練り歩きます。実は私の高祖父も、屯田兵として北海道に入植してきた一人。父は「お前には開拓使の血が流れている」と幼いころから私を励ましてくれました。伊達市には私と同じようなルーツを持った人も少なからずおり、自分たちの祖先がこの町を築き、自分たちがさらに盛り上げていくんだというフロンティア精神で、この祭りを盛り上げます。

北海道出身者は総じて北海道が大好きです。時にうっとうしいと思われるかもしれませんが、それはフロンティア精神の表れ。ぜひ温かく見守ってあげてください。北海道は全国各地からの開拓使が築いた土地です。来るものは拒まず。ぜひ皆さんも北海道、そして伊達市の魅力を開拓しに来てください!

「伊達武者まつり」は大河ドラマさながらの臨場感。甲冑(かっちゅう)は祭り以外の場で着させてもらったことがあるのですが、ずっしりと重かったのを覚えています

◎北海道伊達市はこんなところ◎

北海道の道央地方南部に位置し、人口は33,113人(2021年5月31日現在)。積雪量が少なく、年間を通して過ごしやすいことから移住者が多いことでも近年有名。洞爺湖や登別温泉も近い。内浦湾(噴火湾)の北東岸に位置し、伊達市噴火湾文化研究所が設置されている。北黄金貝塚など、縄文時代から人が暮らしたことを示す遺跡があり、アイヌ集落(コタン)が多く形成された。北海道の自治体名はアイヌ語が語源となっているものが多いが、伊達市の場合は「伊達氏」に由来している。

 

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