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コスパ重視の君たちへ

「見つかった文献は、これだけ?」
「はい、調べたけれどほかにはありませんでした。」
「どうやって調べたの?」
「ネットで検索しました。」

卒論を指導していると、こうした状況に頻繁に遭遇する。どうやら学生にとって、検索結果に出てこない情報は、もはやこの世に存在しないものであるらしい。検索に用いるキーワードも短絡的で貧弱である。私の学生時代はインターネットがようやく普及し始めたころであり、当然オンラインの文献などなく、論文目録や学術雑誌を片っ端から調べるのが当たり前であった。雑誌のバックナンバーをめくっていると、関係のない論文に目が留まり、それが思わぬ発見となる場合も多々あった。むしろそういった関係のない論文を読む方が楽しく、記憶にも残っている。

世の中、無駄を省いた合理的・経済的な手法がもてはやされる時代である。まずゴールを設定し、そこへ向かう最短のルートを探す。最小のコストで最大の成果を手にすることが是とされる。しかし無用の用という言葉があるように、必要なさそうなものが重要な役割を果たす場合がある。教育などはその典型であり、無駄なものにこそ意義があるといってよい。そもそも、すぐに役立つ情報・技術ほど、得てしてあっという間に役に立たなくなるものである。教育・研究の世界でも効率ばかり注目されるが、若い学生には大いなる無駄を恐れずに物事に取り組んでほしい。世界で輝くために何かに取り組むのではなく、愚直な取り組みの結果、世界で輝いている方がよい。無駄の数だけ発見がある。

君は、無駄なことをしているか?

(A)

第1103回

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