Waseda Weekly早稲田ウィークリー

News

ニュース

~ロシアから早稲田へ~日本で見つけた幸せの本質とは

人の温かさに触れ、人生で最高の時間を過ごす

大学院文学研究科 2021年3月修士課程修了 ヒトロワ ユーリア

私は子どものころから日本に興味があり、モスクワ大学で日本学を専攻しました。学部時代には留学する機会はありませんでしたが、文部科学省の奨学金により日本の大学院へ留学することができました。奨学金を受給するためにかなりの努力をしましたが、この留学には、それだけの価値があったと感じています。日本は、人がとても親切で住みやすい国で、人生で最高の時間を過ごしました。

私の研究テーマは、「19世紀半ばの日本における海防論」で、徳川政権が何世紀にもわたって構築してきた江戸時代末期の防衛政策を検証しました。このトピックは非常にニッチに見えますが、徳川政権の崩壊や明治維新の起源といった重要な出来事に関連しています。研究では図書館からの恩恵を受けました。私が早稲田大学を留学先として選んだのは、蔵書数が豊富な図書館があったからなのですが、実際に図書館には、研究に役立つ資料がたくさんありました。

指導教授である谷口眞子先生(右から2人目)にも大変お世話になりました。教授として研究のアドバイスをしてくださったり、一人の人間として優しく気遣ってくださったりしました(中央が筆者)

学内のイベントやサービスも利用しました。まず、ICC(異文化交流センター)では、多くのイベントに参加しました。クッキング・パーティーは大好きでしたし、「ノーボーダー・スキー&スノーボード・キャンプ」で長野に行ったことも忘れられない思い出です。また、早稲田キャンパスで「ロシア文化ナイト」を開催したことは、他の学生が私の母国に興味を持つきっかけとなったようで、特別な喜びでした。このような機会を持てたことをとてもうれしく思います。他には、キャリアセンターでは、日本の就職活動は細かいルールが多いことを知り、日本で就職する場合のヒントを得ることができました。また、保健センターのカウンセリングにもお世話になりました。

写真左:2020年2月、「ノーボーダー・スキー&スノーボード・キャンプ」で長野県(菅平高原)へ。出身も名前も学部も学年も一切公開しない「ノーボーダー・ルール」で過ごしました(前列左から2人目が筆者)
写真右:2019年12月に行われた「ロシア文化ナイト」にて(左から2人目が筆者)

ロシアと日本は、どちらもアジアと欧米の文化が融合しています。また、ロシア人はホスピタリティに溢(あふ)れています。それらが日本との共通点だと思います。とは言え、私たちは根本的に異なる存在でもあります。日本で暮らしてみて、日本人はルールを厳守し、社会のために働き、「秩序」を重んじるという印象を受けました。一方、ロシア人はルールよりも自分の常識を優先し、自分の正義に基づいて行動します。そのため、新しいアイデアや既成概念にとらわれない発想ができることもあれば、全てが混沌(こんとん)としてしまうこともあります。私たちはお互いから学ぶことがあるでしょう。

しかし、どの国に行っても、肝に銘じなければならないのは、どの国で生まれようと、人間であることに変わりはないということです。「ロシア人」「日本人」「米国人」ではなく、「人」として向き合いながら、自分を尊重し、相手を許容する。そうすれば、どんな国でも自分の居場所を見つけ、友人を作ることができるでしょう。

日本への留学は、私にとって新しい世界への窓となりました。それは、優しさと平和と繁栄の世界であり、お互いを尊重し、さまざまな文化を知ることができる世界です。早稲田大学には多くの留学生がいて、コミュニケーションを取りながらお互いを理解していきました。そして、日本での生活を通して、自分自身にも優しくなることの大切さを学びました。周りの人が助けてくれると、自分も人を助けたくなります。自分が何かを手にしたら、周りの人たちと共有したいと思う。それが、私が日本で見つけた幸せの本質です。

~日本に来て驚いたこと~

日本は物価が高いイメージがありましたが、生活を楽にしてくれるものがたくさんありました。例えば、スーパーでは閉店1、2時間前から割引があって、ありがたかったです。100円ショップも便利でしたし、旅行へ行くときは予約サイトで安いホテルを見つけて、夜行バスをよく利用しました。

また、日本は健康保険制度がしっかりしています。米国人の友人が、米国の医療費は高いとよく嘆いています。ロシアの場合、医療費は無料ではあるものの、しっかりとした治療を受けるには、やはり高額な費用が掛かります。一方、日本の健康保険制度はとても合理的で、原則7割は公的医療保険で負担し、個人負担は3割で済みます。おかげで私は、日本で歯を治療することができました。

それでもやはり最も驚いたのは、日本の皆さんが見せてくれた温かさです。海外で日本について書かれた記事を読むと、日本人は心を閉ざしていて愛想がないという印象を受けることがあります。しかし、そんなことはありませんでした。誰もが親切で、正直です。 財布を落としても戻ってくるようなところです。こんなことが可能な国は日本だけだと思います。

(左から)国営ひたち海浜公園(茨城県)と河口湖(山梨県)にて。日本の魅力は多彩な四季だと思います。日本人は何世紀にもわたって、移り変わる季節の美しさをたたえてきましたが、それは現代でも変わりません。それぞれの季節には、見る価値のある美しい景色があります

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/weekly/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる