新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により春学期授業はオンラインになった。秋学期から一部の実験、演習などは、対面での授業も予定されている。外出する機会も多くなるが、感染経路を理解し、正しく行動することが大切だ。自分だけは大丈夫だと思わないでほしい。政府は3月9日に「3密」を発表した。多くの二次感染者を生み出す事例において、密封され、換気が不十分な環境が特徴的に多いということが把握されたことによる。
感染経路には、飛沫(ひまつ)感染、空気感染、接触感染の3つがある。飛沫感染に関しては、咳や会話で出た大きな飛沫は重力沈降するので、人との距離を保つことで避けられる。ウイルスが手に付着しただけでは感染しないが、その手で顔粘膜に触ると感染の可能性がある。これが接触感染で、手指衛生が重要である。会話や咳によって発生する小さな飛沫や飛沫核が、空気により運ばれて空気感染(エアロゾル感染)を引き起こすことが心配されている。これには換気が有効だ。マスクをしよう。飛沫を抑制することができる。
新型コロナウイルスは、感染した人が、自覚症状がないまま、他の人に感染させるリスクが5割近いことが分かっている。マスクを外して大声を出す場面はリスクが高い。大声を出すとその一人から数十人分に相当する飛沫・飛沫核が発生する。大学の良さは皆が集まって喧々諤々(けんけんがくがく)と議論をするところにあるが、3密状態での会は暫(しばら)く我慢しよう。また、万が一感染した人が周囲で出ても、非難や差別などは絶対にしてはいけない。感染を広げないよう合理的な行動を心掛けよう。
(ST)
第1083回