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非常時のゆとり

「巣ごもり消費」という言葉はすっかり定着したように思う。この言葉が広く使われるようになったのはリーマンショック後であろうか。当時は不況下での節約志向によるネガティブなイメージがあったが、最近はそれを楽しむ傾向がみられるようだ。

こうした変化は、在宅時間の増加によるものだろう。緊急事態宣言時はテレワーク増加による通勤の減少が自由な時間を増やし、家族全員が在宅の家庭も多くあった。消費者購買データでこの影響が表れたもののひとつが、小麦粉やホットケーキミックスなど粉モノの売り上げ増加であった(※)。パンやお菓子作りは時間がかかる印象があり、日々時間に追われているとハードルが高い。メディアでも報道されていたが、休校や在宅勤務で思いがけず時間ができたことで手作り志向が高まったようだ。家族で協力しても、一人でも、ふっくらと焼きあがったパンをオーブンから取り出す達成感は大きいだろう。私自身は想像して空腹を感じるだけなのだが。

マスクや衛生用品、時にはパスタなどの食品まで店頭から消えたことは人々の不安を映し出していた。そうした中、非常時の緊張のなかでも、ある種のゆとりが反映されたデータの変化をみることは少し心が休まる瞬間である。そして、医療従事者をはじめ経済的苦境に追い込まれる方など、そうしたゆとりを持つことが難しい方が少なくないことにも思いを馳(は)せずにはいられない。

(※)出典:「インテージ 知る Gallery」2020年9月8日公開記事

(K)

第1082回

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