早稲田大学の2020年度春学期の授業は、新型コロナウイルス感染症拡大の状況に鑑み、原則オンラインでの実施となっています。これまでとは異なる状況に学生はどう向き合っているのでしょうか? 今回は2年前から早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ)を務めている文学部4年・我妻はなさんのレポートをお届けします。1日のスケジュールやリフレッシュ方法、好きな本についても教えてもらいました。
残りわずかな大学生活、みんなと対面で合奏したい
早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ)
文学部 4年 我妻 はな(あがつま・はな)
外出自粛期間から日課となっているのが、18時までに家族5人分の夕食作りを終えることです。早起きに挑戦したり、難解な本を開いてみたりもしたのですが、その中で夢中になったのが料理でした。夕方に授業があるときは早めに支度を始めて、作り終えたら一眠りします。静かな環境で昼寝をし、アラームの音で起きたら紅茶を淹(い)れます。ミルクティーに少しの砂糖を足して飲むのが定番です。数カ月前まで、学生会館の地下で友達とゲラゲラと爆笑していた人間が、柄にも無く優雅な生活を送っております(笑)。
オンライン授業について、リアルタイム型授業では、Zoomを使った他学部設置の演習で思いがけず友達を見つけたとき、気付いてほしくて少し照れくさいものの手を振ってお互いニヤニヤ…。授業内での発言時、他の学生の顔を見て話すか、カメラ目線を大切にするか、いまだに迷うことがあります。
事前録画のオンデマンド型は、これまで必修科目以外で履修したことはありませんでしたが、今、とても気に入っています。メモを取りきれなかったところは戻って再生できますし、区切りの良いところで休憩もできて、自分のペースで履修できるからです。
オンライン授業で心配だったのは、卒業論文の演習でした。けれども、グループビデオ通話で進捗(しんちょく)状況を発表し、先生からのアドバイスを受けるなど、順調に進めることができています。先生には、Skypeで個別の進路相談に乗っていただいたり、卒論のためにとご自宅にある本を送ってくださったり、よくしていただいています。
冒頭から料理の話をしましたが、実は、今回の外出自粛期間が始まるまでほとんど包丁を握ったことがありませんでした。夕食を作ると言い出したときは、家族から「明日雪が降るぞ」とからかわれたほどです。野菜を切る、肉を煮込む、そんな一つ一つの作業が楽しくて、そして家族の「おいしかった、明日は何を作るの?」という言葉がうれしくて、すっかりハマりました。最近はサッと仕上げて、時間があるときはあり合わせのものでもう一品作るまでになりました。
水曜の夜はサークル(公認サークル「交響楽団」)のオンライン勉強会に参加し、また別の日の夜には友達とリモート飲みと、すっかり「ステイホーム」を楽しんでいますが、新型コロナウイルスが流行する前の生活を思い出すと寂しくなります。みんなで合奏し、練習後はいつもの居酒屋で盛り上がり、終電時間が近づくと高田馬場駅を目掛けて疾走。学生会館にはいろいろな音が響いていて、部室にはいつも友達がいて…。やっぱり、日常が恋しいです。大学生活もあと少し。またみんなと対面で合奏できる日が来ることを願いながら、今しかできないことを存分に楽しみたいと思います。
ある一日のスケジュール
就活は面談や座談会など全てオンラインで行っています。社風や他の就活生の雰囲気をじかに感じることができないのが残念です。楽器は毎日弾くようにしています。
リフレッシュ方法
料理と楽器の練習の他には、オンライン漫画を読んでリフレッシュしています。また、ジョギングや筋トレで体を動かすのは外出自粛期間前からの習慣です。
(左から)サケのムニエル、キーマカレー。レパートリーがどんどん増えています!
好きな本
- 『しろばんば』『夏草冬濤(なつぐさふゆなみ)』『北の海』井上靖著(共に新潮文庫)
井上靖の自伝的小説です。祖父がプレゼントしてくれたのがきっかけで、よく読んでいます。