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数学の「予想」をめぐって思うこと

私の専門分野である数学では「予想」というのがしばしば注目される。だれも証明していない定理を作るのが我々の目的である。予想にも色々あり「成り立たなければおかしい」というものから、多少ハッタリを含むと思われるものもある。予想は証明を付けなくてよい訳だから大きくて夢のような話をしているのがしばしばである。研究者として夢とロマンを追いかける一つの選択肢として大予想の解決に向けて邁(まい)進するというのがあろう。

しかし予想の背中を追いかけることだけが研究者としての未来の道標という訳では勿論ない。自分でだれも確立してない新しい研究を推進することも十分夢とロマンに満ち溢(あふ)れている。

皆様はどちらにロマンを感じるであろうか?しばらく解決されそうにない予想の背中を追いかけるなどして既に敷いてあるレールの上を歩く方が見通しの良い研究ができるかもしれない。そのような言い方をすると前者にロマンが薄れる印象を与えてしまい不公平かもしれない。一方、後者は研究者の本来の原点というべきもので、そのような研究者が増え研究の多様性が維持されるとその分野は健全に発展する。しかし、あまりに各自がバラバラに研究していると「あなたの分野は一体何がやりたいの?」と突っ込まれる可能性がある。「私はどちら」というのは敢えて言わないが、数学における私の研究分野では特定の予想ないしは関連するプロジェクトに価値観が偏っている傾向を感じており、分野として健全に発展しているのか疑問を感じている。

(H.N.)

第1071回

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