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ホスピタリティ精神が宿る、アフリカ北西沖に浮かぶ島国・カーボベルデ

島を訪れたら、この地と人々に恋に落ちるでしょう

大学院基幹理工学研究科 修士課程 1年
リマ・タヴァレスモンテイロ・ティアゴ・アンドレ

日本で私の出身はカーボベルデ(Cape Verde)だと伝えると、「カリブ海にある国?」、「南アフリカのケープタウン(Cape Town)のこと?」とよく聞かれます。

カーボベルデは、アフリカ北西沖に浮かぶ10の島からなる小さな群島で、九つの有人島と一つの無人島があり、有人島は現在、自然保護区となっています。国の公用語はポルトガル語ですが、日常生活ではクレオール語を使用しています。島がとても小さいので、カーボベルデの人はみんな顔見知りだと冗談で言われるほどです。

カーボベルデはかつてポルトガルの植民地でした。その植民地時代(1460年から1975年まで)を生き抜くための仕組みとして「モラベーザ(morabeza)」というホスピタリティの精神が発展していきました。モラベーザの核は、人々がお互いに助け合って生きていくことにあります。モラベーザはカーボベルデの哲学であり、この国に住む全ての人を表現していると言えるでしょう。

モラベーザには 「おもてなし」や「幸福」といった要素が含まれます。見知らぬ人や訪問者を、まるでわが家にいるような気分にさせてしまうカーボベルデ人を、ネイティブの私でさえすごいと思ってしまいます。また、どんな状況であっても、カーボベルデの人たちはいつも笑顔を絶やしません。

地元のサン・ビセンテ島

私の地元、サン・ビセンテ島はモラベーザを象徴するような島です。他の島々の人からは、とても寛大でハッピー、そして大勢で集うことが好きな人が多い島として知られています。またサン・ビセンテの人たちはクリエイティブでもあり、それはジョークや音楽、演劇、ダンス、フェスティバルなどを介して表現されています。

サン・ビセンテの人たちは、新しく来た人が新生活に慣れるのを助けようと、人気のあるアクティビティによく連れて行きます。そのうちの一つが、市内にあるラジーニャビーチです。市街地から近いため、いつも人でにぎわっています。

ラジーニャビーチ

ブラジルと同様に、カーボベルデもカーニバルを行います。サン・ビセンテでは、カーニバルの1カ月前からお祭りが始まります。まずマンディンカ族が登場し、カーニバル当日まで毎週日曜日にパフォーマンスをします。カーニバルは私たちの文化と強く結び付いているので、幼稚園児から大人まで、あらゆる世代の人たちがカーニバルのパレードに参加します。

マンディンカ族(左)とカーニバル当日の様子(右)

カーニバルは多くの人でにぎわいます

私のふるさとを訪れる人たちはみんな、その地と人々に間違いなく恋に落ちますよ。いつかカーボベルデでお会いしましょう。

◎ カーボベルデはこんなところ ◎

大西洋の中央、北西アフリカの西沖合いのマカロネシアに位置する共和制国家で、首都はプライア。面積は4033㎢(滋賀県と同程度)、人口は54.6万人(2017年)。熱帯海洋性気候だが、年間を通して降水量が少なく乾燥している。ポルトガルやアフリカ、ブラジルなどの文化が混合したクレオール文化が築かれており、「モルナ(Morna)」というジャンルの音楽は哀愁を帯びた歌声とゆったりした曲調が特徴。日本との時差はマイナス10時間。

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