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戦略転換点にある教員と学生の関係

これまで主流で正しいと思われてきた手法・方針が突如として通用しなくなる状況は社会の様々な場面で起こる。この状況は「戦略転換点(strategic inflection point)」と呼ばれている。インテルのCEO であった A. S. Grove によって指摘されたもので、業種や企業に依(よ)らず、また、団体だけでなく個人にも起こり得る社会の普遍的なダイナミクスといえる。

大学は現在、この戦略転換点に置かれていると思われる。これまで各大学で行われてきた研究内容や教育手法がインターネットの発展により広く一般に知れ渡ることとなった。これは良いことであるが、一方で、知識のコモディティ化が促進し、大学もランキングを付けて世界的に競う場となった。また、教員が1で学生が多として各大学で成立していた講義も、動画配信などにより教員も多という状況にある。これは教員と学生との関係を一変させる力をはらんでいる。

Grove は、「戦略転換点では何が起きるか誰も分からないので、各個人があらゆる状況に備えて直感を研ぎ澄ます必要がある」と指摘している。何が起こるか分からないのは、教員・学生にとって同等に挑戦的である。教員の役割は時流に合わせてますます流動的になるであろう。とはいえ、自らの研究を進めつつ、学生が主体的に活動できるようサポートする基本姿勢は変わらない。大学はそもそも、学びたいと思う者が集う場であることを念頭に、新たな大学のカタチを学生と共に創っていきたいと思う。

(Y)

第1057回

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