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ミュージアムの多様な性とは? 「エンパクに虹をかける─LGBTQ入門」

自分の価値観で何かを規定することから踏み出すきっかけに

政治経済学部 4年 金 勲(キム・フン)

7月15日、小野記念講堂にて開催された『エンパクに虹をかける─LGBTQ入門』は、“LGBTQ(※1)”という言葉を自分に問いただすとともに、「博物館/美術館と多様な性」というテーマから真のダイバーシティとは何かについて考える、またとない機会でした。

※1:L(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシュアル)、T(トランスジェンダー)、Q(クエスチョニング、クィア)の頭文字をとったセクシュアルマイノリティの総称

「知っている」を疑うことから始まる

ジェンダー・セクシュアリティを中心に執筆や講演をされているマサキチトセさん

「LGBTQの知識をリセットしましょう」――この一言から、ライター・マサキチトセさんの話は会場をより深いところまで巻き込んでいきました。そして講演を聞いているうちに、私の「知っている」も大きく揺らぎました。

このイベントに参加するまで、私はセクシュアルマイノリティのことを自分とは切り離して捉えており、「当事者たちが生きやすい社会を目指して、社会が『受け入れること』が大事」だと考えていました。しかし、その考え方の根底には、マジョリティの社会を「内集団」、マイノリティを「外集団」と規定し、尊重や理解という言葉に隠されたヒエラルキーがあったと思います。マサキさんの講演を聞いて、LGBTQというキーワード、そして多様性について顧みることができました。「どういう人をLGBTQというのか」という問いではなく、「何が、そして誰がLGBTQを規定するか」について考えることが最初の一歩であり、本当の意味のLGBTQ入門だと思いました。

「エンパクに虹をかける」の意味

演劇博物館助教の久保さん

次に演劇博物館助教の久保豊さんが登壇し、「博物館/美術館と多様な性」をテーマに講演が続きました。私は講演前まで「LGBTQ、多様な性、博物館・美術館の在り方」についてそれぞれを「自分の外」に規定してしまっていましたが、講演を聞いて「博物館/美術館と多様な性」と「自分」との連続性を吟味してから、このイベントのタイトルである「エンパクに虹をかける」の奥底にある本当に意味について、私なりの答えを探りました。自分の価値観で何かを規定することから踏み出し、人の数だけの多種多様な価値観を視野に、虹色のスペクトラムを持つこと。そのきっかけとして、今回の講演はかけがえのない体験になりました。

早稲田大学、そして社会に虹をかけること

GSセンター専門職員の大賀さん

GSセンター専門職員の大賀一樹さんは、ジェンダーやセクシュアリティについて、「当事者」と「当事者ではない人」の線引きの解消が重要であると説明していました。そして全ての人が当事者であるという意識を持つことの大事さに話が及んだとき、“ガラスの天井(※2)”や障がい者へのスティグマ(※3)、セクシュアルマイノリティのステレオタイプ化といった社会問題も、「当事者意識の欠如」という同一線上にある現象なのかもしれないことに気付きました。

※2:マイノリティの地位向上を阻む壁のたとえ
※3:負の烙印。言われのない差別や偏見

今回のイベントを通じて、LGBTQというキーワードからマイノリティ問題を内面化することができました。これからも真のダイバーシティについて問い続けることで、早稲田大学、そして社会に虹をかけていきたいと思います。

後半は「博物館/美術館と多様な性」をテーマにした、3人によるクロストークも

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