第7回 Waseda Vision 150 Student Competition決勝
「Waseda Vision 150」の実現に寄与する施策として、学生たちが「早稲田の未来」に対する提案・提言を行う「Waseda Vision 150 Student Competition」の決勝大会が2019年3月18日に小野記念講堂で開催されました。7回目となる今回は34チーム、総勢約110人の学生・生徒がエントリーし、1次、2次予選を経て8チームが決勝大会に進出。田中愛治総長をはじめとする審査員・観覧者を前に、さまざまな提案を通して「早稲田大学をより良くしたい」という真摯(しんし)な思いを伝えました。
総長に直接提案を訴える絶好のチャンス
早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ)
大学院政治学研究科 修士課程 2019年3月修了
飯塚 智也(いいづか・ともや)
今年の決勝では、どのようなプレゼンを見ることができるのだろうか。そんな期待を膨らませながら、昨年に引き続き、今年もStudent Competition(以下、スチューデントコンペ)の観覧に向かいました。スチューデントコンペでは、早大生がチームを組み、今の早稲田大学に足りない部分を考え、大学をより良くするための提案を行います。決勝に進んだ8チームがどのようなプレゼンを披露するのか、楽しみでした。
今年も各チームから多様な提案がなされていました。提案された内容には、教育、研究に関するもの、スポーツや校友など大学の文化・伝統に関するもの、防災などキャンパスに関するものなどがあり、多くの学生が大学に足りないものを感じている点がうかがえました。例えば、チーム「しらばす2.0」は、シラバスを動画にするという提案をしていました。授業内容だけではなく、授業の様子や授業アンケートを一つの動画として公開することで、学生が選択する授業のミスマッチを減らすことができるという提案でした。このように、毎年スチューデントコンペでは多くの学生に関係する提案がなされています。
プレゼンでは、全てのチームが多くの練習をしてきた様子が見て取れました。審査員の方々をはじめ、多くの観覧者がいる会場において、各チームが堂々と提案内容のプレゼンをしていました。もちろん、緊張のあまり言葉に詰まってしまう発表者もいましたが、そんな様子さえ応援したくなるほどの懸命さが、全てのチームにありました。
驚くべきは、今回の決勝には高校生も参加していた点です。早稲田大学高等学院の生徒が「Gakuin Seeds」というチームを組み、大学生と同じ舞台でプレゼンを行いました。彼らは高等学院生や中等部生、大学生、大学院生そして校友(OB・OG)を一つにつなげるプラットホームとして「Waseda Community」を提案していました。「Waseda Community」によって、大学内で生まれるアイデアや企画、プロジェクトを早稲田大学関係者につなげることができるようになるという内容です。高校生にもかかわらず決勝まで残り、プレゼンを行っていた姿は大変立派でした。
田中愛治総長による講評においては、全体に対するコメントとして、早稲田に何が足りないか、何が必要かを全てのチームがしっかり感じ取っている点が評価されていました。他方、特別審査員を務められたキャスターの堀尾正明氏による講評では、プレゼンの完成度をもっと高める必要がある点が指摘されていました。具体的には、プレゼンのスピーチとスライド資料がうまくつながっていないため、提案内容を正確に読み取れない点が改善されるべきとされていました。この指摘は、多くの学生にとって参考になるのではと思います。
今回の決勝では、必ずしも新しい制度や仕組みを作るのではなく、学内の学生アルバイト制度に関する提案など、既存の制度を改善するプレゼンもありました。このように、スチューデントコンペでは、必ずしも奇抜な新規アイデアがなくても、決勝まで進めれば、総長に直接提案を訴えることができます。今の早稲田大学に足りないものを感じている人は、ぜひ2019年度のコンペにエントリーしてみてはいかがですか。